これから工事を行うにあたって重要なのが、これから工事を行う旨を記載した案内文や挨拶文を用意することです。

これから近隣住民に騒音や工事車両などで迷惑をかける可能性があるので、必ず記載する必要性があります。案内文を掲載する場所に決まりはないので、SNSやホームページなど、見る人の目につきやすい場所に記載することが大切です。

それでは、工事案内文の重要性、基本構成、基本的な記載項目などをご説明しましょう。

執筆者 中里 涼子

ライター歴8年以上の中里 涼子です。 引っ越しや不動産投資、美容、医療、クレジットカード、ビジネス、ペット、株式投資、食品、健康、占い、住宅、宝くじ、防犯、リフォーム・リノベーション、ダイエットなどの多種多様なジャンルの記事を執筆しております。

目次

はじめに:工事案内文とその重要性

工事を行う際に重要なのが、近隣住民等に工事を行うことを知らせる案内文を作成して記載することです。

マンションやアパート、一軒家など、工事を行う場所の周辺に住む住民に向けて、どんな目的で工事を行うのか、完成予定はいつ頃までになるのかなどを記載する必要性があります。

工事案内文にはさまざまな役割があるので、これから工事を行うときは必ず作成しましょう。

工事案内文の役割と効果的な利用シーン

工事案内文を記載するのは、何と言っても近隣住民の安心と信頼のため、迷惑をかけてしまうことを事前に知らせておくためです。

日常生活の中でいきなり工事をする音が聞こえてくると、近隣住民にはストレスになりかねません。工事内容や規模にもよりますが、工事車両が通過する音や機械音、作業員の話し声などさまざまな騒音が発生します。

他にも資材を使用することで粉塵が発生したり、工事車両が道路に駐車されることで景観が損なわれたり、通れる道が狭くなって使いにくくなったりとさまざまな迷惑をかけてしまいます。近隣住民は工事のせいで不便な生活を強いられることになったり、不快感を感じたりする人もいるでしょう。

場合によっては近隣住民からクレームが入ったり、直接文句を言いに来る人も出たりとトラブルにつながる恐れがあります。

しかし、工事の案内文によって事前に工事が行われることが知らされていれば「工事中だから仕方ない」という気分になるでしょう。前もって了解を得ているため、クレームやトラブルにつながりにくくなるのが大きなポイントです。

工事を行う挨拶回りをする中、案内文を作成しておけば住民が留守でも対応できますし、書面でどんな工事を行うのか、どの施行会社が工事を行うのかが分かります。

工事案内文を作成することは、近隣住民からの安心感や信頼を得ることができるので非常に重要性が高いと言えるでしょう。

工事案内文のテンプレート

工事案内文のスタンダードなテンプレートは、以下の通りです。

『皆様方には、ますますご健勝のこととお喜び申し上げます。
この度、〇〇〇〇において建築工事を実施させて頂くこととなりました。
建築工事に際しましては、安全の確保に十分な対策をたてて進めて参ります。

■工事期間 0000年00月00日(〇)~0000年00月00日(〇)
■工事内容 建築工事
■作業時間 00時~00時
■工事に関するお問い合わせ先
工事に関するお問い合わせは、下記にてお受け致しますので宜しくお願い申し上げます。

住所 〇〇〇〇〇〇〇〇
電話番号 00-0000-0000
メールアドレス 〇〇〇〇〇〇

皆様方には大変ご迷惑をお掛け致しますが、何卒ご理解とご協力を賜りますよう、宜しくお願い申し上げます。』

〇の部分に工事内容に合わせた項目を記載することで、スタンダードな挨拶文が作成できます。

テンプレートは基本的にインターネット上で無料ダウンロードができるので、そこからさまざまな挨拶文に応用できるのがポイントです。

一から挨拶文を作成する手間や時間が省けるため、是非ともテンプレートを活用してみましょう。

工事案内文の基本構成

これから工事案内文を作成するにあたって押さえておきたいのは、挨拶文の基本、挨拶するタイミング、作成するときのポイントです。

基本構成を押さえることで、上手な案内文が作成できます。

それでは、工事案内文の基本構成についてご説明しましょう。

挨拶文の基本とタイミング

挨拶文は基本的に工事を行う建設業者が作成します。

しかし、マンションの修繕やリフォームを行う場合はリフォーム業者が作成するのではなく、修繕計画やリフォーム計画を立てる管理人が作成します。主に迷惑がかかるのはマンションに住む住民なので、住民に向けて修繕やリフォームを行うことやどんな騒音が発生する可能性があるのかを記載しなければなりません。

作成した案内文は掲示板やエントランスなどの住民の目に留まりやすい場所に貼り出します。

また、自分が施工主ではなく発注者だった場合も、工事を必要とする事情を引き起こした当事者として近隣住民に挨拶する必要性があります。工事を発注した人が挨拶文を作成していなかったことがきっかけでトラブルに発展することも少なくないため、十分に注意しましょう。

なお、挨拶文を作成し、住民に挨拶したり工事を行うことを知らせるタイミングは、基本的に工事が行われる1週間~10日前です。

たとえ工事を行う前日に知らせたとしても、住民にとっては急な話になるので突然のことに対応できない住民もいます。したがって、余計なトラブルを引き起こさないようにするためにも、必ず工事を行う1週間前~10日前に知らせましょう。

挨拶文の例文とポイント

どんな挨拶文を書けばいいのか迷ったときは、以下のような例文を参考にするのがおすすめです。

たとえばマンションの改修工事を行うときの例文は、以下の通りです。

『マンション改修工事のお知らせ

皆様方におきましては、ますますご健勝の事とおよろこび申し上げます。この度、●●●においてマンションの回収工事を実施させて頂く事となりました。回収工事に際しましては、安全の確保に十分な対策を立てて進めて参ります。

■工事期間 ●●年●●月●●日~●●年●●月●●日
■工事内容 改築工事
■作業時間 ●●時~●●時
■工事に関するお問い合わせ先

工事に関するお問い合わせは、下記にてお受け致しますので宜しくお願い申し上げます。

住所:●●●●●●●●
電話番号:00-0000-0000
メールアドレス:●●●●●●●●

皆様方には、騒音など、搬入車両にて、大変ご迷惑をお掛け致しますが、何卒ご理解とご協力を賜りますよう、宜しくお願い申し上げます。』

近隣工事に伴う騒音に関する工事案内の例文は、以下の通りです。

『近隣工事に伴う騒音のお知らせ

平素より当旅館●●●●をご愛顧賜り、誠に有難うございます。この度、隣接地にて「当●●の新築工事」が行われる事になりましたのでご案内致します。

日中の時間帯にて騒音が発生する可能性がございます。お客さまには大変ご不便やご迷惑をお掛けいたしますが、何卒ご理解を賜りますようお願い申し上げます。』

改修工事を行う一般的な例文は、以下の通りです。

『改修工事のお知らせ

●●●●年●●月●●日より●●●において、下記のとおり改修工事を実施いたします。改修工事期間中はご利用の皆様には騒音や工事車両等において、ご迷惑をおかけいたしますが、安全最優先にて作業を行わせて頂きます。

ご不便をおかけいたしますが、ご理解、ご協力のほど何卒、宜しくお願いいたします。

改修工事期間: ●●●●年●●月●●日(〇)~0000年00月00日(〇)
改修工事内容:改修工事
〇〇〇〇作業
〇〇〇〇作業
作業時間:00時~00時』

工事の案内文を作成するときのポイントは、絶対に私情を挟んだりユーモアな表現をしたりしないことです。

住民が知りたいのは工事の内容なので、必要最低限の情報を漏れなく記載するだけで構いません。

工事案内文の基本記載項目

工事案内文は必要最低限の情報を記載するだけでいいので、基本的な記載項目について明確に記載するだけで構いません。

それでは、工事案内文の基本記載項目についてご説明しましょう。

工事の詳細と期間

近隣住民が最も気にするのは、どんな工事がどのくらいまで行われるのかどうかです。

記載する工事の詳細は、以下の通りです。

  • 工事の名称
  • 場所
  • 依頼者
  • 期間
  • 工事の内容

特に工事の期間は忘れずに記載しましょう。

令和何月何日~令和何月何日まで行われるのか明確に記載することで、近隣住民も安心して工事に備えられます。

施工業者と連絡先

次に工事を行う施工業者と、その連絡先を記載します。

どんな業者が工事を行うのかが判明すれば安心できますし、連絡先が明記されていることで万が一のことが起きたときにすぐ連絡できるのがポイントです。

近隣住民への配慮と協力のお願い

次に近隣住民に向けて、安全を最優先にした作業を行うことを明記し、謝罪の挨拶として「工事中はご迷惑をおかけいたしますが、何卒ご理解とご協力のほどをよろしくお願い申し上げます。」とお願いしましょう。

安全を最優先にするという言葉だけでも近隣住民は安心できますし、スムーズに工事を終わらせるために近隣住民に協力してほしいという意思を伝えることができます。

注意点:工事案内文を作成する際のマナー

工事案内文を作成するときは、しっかりマナーを遵守した上で誤解を招かないようにすることが大切です。

それでは、工事案内文を作成するときのマナーについてご説明しましょう。

避けるべき言葉遣いと表現

工事案内文を作成するときは、近隣住民に失礼のないようにします。

基本的にビジネスで使用する言葉遣いだけを使い、それ以外の言葉遣いは使用しないようにしましょう。

特に不必要な私情を記載したり、ユーモアな表現をしたりする必要性はまったくありません。近隣住民を取引先のような感覚で接し、必要最低限の情報を記載しましょう。

プライバシーの保護と誤解を招かない配慮

近隣住民に対する配慮は絶対ですが、必ずプライバシーを保護すること、そして誤解を招かない配慮も必要です。

ひとたび誤解を招くような表現をしてしまうとさまざまなトラブルにつながってしまう恐れがあります。

上記で記載した例文のように、必要最低限の情報だけを記載し、誤解を招かないようにしましょう。

まとめ

工事を行うときは近隣住民に迷惑をかけてしまうので、必ず案内文を作成して記載することが大切です。

案内文はSNSやホームページに記載したり、住民の目に留まりやすい場所に分かりやすく記載したりしましょう。

事前に案内文を記載することでさまざまなトラブルやクレームにつながるのを防ぐことができるので忘れずに必要最低限の情報を記載することが重要です。

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