「一人親方は常用契約していいのかな?」
「一人親方の常用契約は違法なの?」
「そもそも常用契約ってなに?請負契約との違いは?」
「一人親方の正しい契約方法を知りたいな」
こんなお悩みを解決する記事です。
一人親方として働いていると、常用契約・請負契約という言葉を耳にしたことがあるのではないでしょうか。
しかし、常用契約と請負契約の違いが分からなかったり、一人親方はどちらで契約すればいいのか分からない方もいますよね。
そこで今回は、常用契約と請負契約とはなにか、一人親方の正しい契約方法をお伝えします。
一人親方の契約方法について迷わなくなるので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
一人親方の常用契約とは?
まず、常用契約と請負契約はどういった契約方法なのか見ていきましょう。
常用契約・請負契約
常用契約は下記のことを指します。
- 一定の仕事を決められた時間で実施して代金を受け取る契約
時給や日給として、給料をもらうことですね。
通常の会社員の働き方と思ってもらって良いでしょう。
一方請負契約とは下記のことを指します。
- 請負人が注文者の依頼に応じて仕事を完成させ、注文者がその対価として報酬を支払う契約
仕事の成果に対して報酬を受け取る契約です。
個人事業主やフリーランスの働き方ですね。
常用契約と請負契約の大きな違い【支払いの条件】
常用契約と請負契約の大きな違いは「支払いの条件」にあります。
【建設業で請負契約を締結した場合】
- 工事の完成が報酬の支払いの条件
【常用契約を締結した場合】
- 労働時間の長さが報酬の支払いの条件
つまり、常用契約と請負契約の違いは
- 仕事の成果物に着目するか
- 労働量に着目するか
ということになります。
一人親方が常用契約を締結することは違法?
結論:一人親方の常用契約は法律上禁止。
建設業法では、建設業務を行う場合に労働者の派遣をしてはいけないと定められているからです。
一人親方は、個人事業主として建設業務を行う者であり、労働者ではありません。
一人親方が常用契約を結ぶと、実質的には労働者として働いていることになるので、労働者派遣法の規定に違反していると判断されてしまいます。
偽装請負として認定されると、罰則の対象となる可能性があるので契約書類を確認することが必要です。
一人親方の偽装請負とは?
偽装請負とは、企業側が労働者を一人親方として装わせて労働者として働かせることを指します。
前述したとおり、請け負った工事に対し自らの技能と責任で工事を完成させるのが一人親方の働き方ですので労働者としては扱えません。
偽装請負では、労働者としての権利を十分に保障されず、賃金や労働時間の制限、社会保険の適用などの保護を受けられません。
企業側は、社会保険料や残業代の負担を軽減するなどのメリットを得られます。
つまり、偽装請負を行う事業者は利益を得られるメリットがありますが、一人親方にとってはあまりメリットが無い契約になってしまいます。
一人親方の契約方法は請負契約のみ【常用契約に注意しましょう】
一人親方は個人事業主であるため、労働者として扱われるような常用契約を締結することは避けなければなりません。
一人親方が請負契約を締結する場合の注意点をお伝えするので、しっかり覚えておきましょう。
請負契約と常用(雇用)契約を判別するポイント
請負契約と常用(雇用)契約は、権利や義務が大きく異なるため適切に判別することが重要です。
判別のポイント!
請負契約 | 常用契約 | |
仕事の成果物 | 明確 | 曖昧 |
---|---|---|
報酬の支払い条件 | 仕事の完成 | 労働時間の長さ |
労務管理の責任 | 一人親方が負う | 元請会社が負う |
なお、判別が難しい場合は、労働基準監督署などに相談することをおすすめします。
元請とのトラブルを回避するには?
トラブルを回避するための3つのポイントは以下のとおり。
- 契約書をしっかりと確認する
- 不明点や疑問点を放置しない
- 契約書に不備があれば修正してもらう
一人親方が常用契約を締結してしまうと、元請とのトラブルに発展する可能性があるだけでなく収入にも影響するので十分に気を付けてくださいね。
まとめ:一人親方の常用契約は禁止!正しく契約しよう!
本記事をまとめます。
- 一人親方が常用契約を締結することは、法律上禁止されている
- 一人親方は、労働者として扱われるような常用契約を締結することは避ける
- 仕事の成果物、報酬の支払い条件、労務管理の責任がどうなっているか確認する
一人親方は正しく契約し仕事を行いましょう。
元請との契約の際には、ぜひ今回の記事を参考にしてみてくださいね。