工場の現場でクレームが発生したとき、どんな対応をすればいいのか分からないことがあるのではないでしょうか?
工場現場ではさまざまな騒音が発生する上に振動も起こるので、近隣住民に迷惑をかける可能性が高いです。その他にもホコリやゴミ、作業員の態度などさまざまなクレーム要因があるため、万が一のときのためにクレームが発生したときの対処法を知っておく必要性があります。
もちろんクレームが発生しないように予防することも重要です。
それでは、工場現場でクレームが発生したときの対応方法や予防法についてご説明しましょう。
ライター歴8年以上の中里 涼子です。 引っ越しや不動産投資、美容、医療、クレジットカード、ビジネス、ペット、株式投資、食品、健康、占い、住宅、宝くじ、防犯、リフォーム・リノベーション、ダイエットなどの多種多様なジャンルの記事を執筆しております。
目次
クレーム対応の基本的な流れ
クレーム対応の基本的な流れは、以下の通りです。
- 相手の話を真摯に聞いてしっかりクレームを受け止める
- クレームの発生源となった当事者としての意識を持つ
- クレーム内容を社内で共有・相談する
- クレームの解決策を提案する
それでは、クレーム対応の基本的な流れについてご説明しましょう。
相手の話を真摯に聞いてしっかりクレームを受け止める
最初に重要な対応となるのが、クレームをしてきたお客様の話を真摯に聞いてしっかりとクレーム内容を受け止めることです。
クレームを入れた人は基本的に自分の言い分を聞いて対処してもらいたいと考えているので、ここで面倒だから適当に流して収まってもらおうと考えるのがおすすめできません。もしも適当に流してしまった場合、相手は自分の言い分が聞き入れてもらえないと思い、さらなるクレームに発展する可能性があります。
それどころか、一旦話し合いが終わったとしても、口コミなどで会社の評価を著しく下げられてしまう可能性もあるでしょう。相手の話を聞く際にやってはいけないのは、相手の話を最初から否定したり、自分たちの事情を最初に伝えたり、そもそも話を聞く気がないような態度を取ったりすることです。
とはいえ、クレームの内容によっては理不尽なことを言われることもあるので、常識の範囲内で許容できないクレームは受け付けなくても良いでしょう。
とにもかくにも相手を最大限に尊重し、自分の話をせずに相手の話を聞き入れることが何よりも大切です。
クレームの発生源となった当事者としての意識を持つ
相手がクレームを入れてきた理由はいろいろとあるかもしれませんが、基本的にクレームの発生源となった当事者が原因です。当事者が興した問題がなければ、相手がクレームを入れることはありません。
したがって、クレーム対応をするときは自分たちがクレームを入れる原因を作った当事者としての意識をしっかり持つことが大切です。クレームに真摯に向き合い、しっかりと対応することによって、企業や当事者に対して好感を持ちやすくなります。
クレーム対応をするときは、問題解決に向けて全力を尽くす姿勢を見せること、そして当事者としての意識を持つことで顧客の視点や感情に共感することも大切です。顧客の気持ちになって対応することで、どのような解決策なら問題を解決できるのかが分かるため、顧客との信頼関係も築きやすくなるでしょう。
クレーム内容を社内で共有・相談する
クレーム対応をするだけでは、当然ながら何も解決したことになりません。クレームを解決して顧客が満足する結果にならないと、企業としても当事者としても評価を著しく下げてしまいます。したがって、クレーム内容を社内で共有し、どのような解決策があるのか相談し合うことが大切です。
社内でクレーム内容を共有することにより、複数人がクレーム対応することでどんな状況だったのか、どんな事象が起きていたのかが分かるので適切な対応ができます。
また、複数人でクレーム対応することで、誰かが違った目線からアプローチを行うことによって、より多角的な視点から問題解決に取り組めるのがポイントです。問題の迅速な解決もできますし、早期解決に繋げることもできます。
クレームの解決策を提案する
社内で共有・相談して、クレームに対する解決策が決まったら、クレームをした顧客に対して解決策を提案する必要性があります。解決策は顧客に納得してもらえることを大前提とし、適切かつ誠実なものでなければなりません。
顧客がクレームを出したのは、顧客にとってそのときの現場が耐えうるものではなかったこと、期待や要望に沿うものでなかったことが理由の一つとして挙げられます。当事者は顧客が必ず納得してもらえるような、適切で誠実な内容の解決策を提案しなければなりません。
適切な解決策が提案されれば顧客の信頼を取り戻すことができますし、顧客満足度の向上につながります。また、顧客満足度が向上するということは、顧客を第一に考えている企業ということで信用度が増すため、誠実な対応によって新たな顧客の獲得や既存の顧客維持につながるのもポイントです。
工事現場でよくあるクレームの種類の予防策
工事現場でよくあるクレームの種類は、以下の通りです。
- 騒音や振動
- 事前の説明がなかった
- 近隣住民の敷地内に入ってしまった
- ホコリやゴミ
- 車両の出入りや路上駐車
- 休憩時のタバコや飲食のマナー
- 作業員の態度や言動
それでは、工事現場でよくあるクレームの種類と予防策についてご説明しましょう。
騒音や振動
工事現場で騒音と振動はつきものですが、近隣住民にとっては迷惑以外の何物でもありません。
事前の説明があったとしても、顧客の想像以上の騒音と振動があると生活に大きな影響を及ぼすことになるので、あまり遠慮なく騒音や振動を出しているとクレームにつながる可能性が高いです。
誰しも我慢強いわけではありませんし、寝ている子どもを起こすこともあれば、生活リズムの違いによって騒音や振動が起こると怒りを感じる人もいるでしょう。
騒音や振動に関するクレームの予防策
騒音や振動に関するクレームの予防策は、工事を行う前に現場監督や責任者が近隣住民に挨拶回りをすることです。
近隣住民に挨拶する際に、「○月○日~○月○日の工事完了予定日の○時~○時まで、大きな音と振動を伴う工事を行います」という旨の具体的な説明を行いましょう。
ただ、口頭のみで説明しても近隣住民が内容を忘れてしまう可能性が高いので、具体的な内容を記載した書面を配りながら説明するのがおすすめです。また、近隣住民が家にいることが多い時間帯に工事をしないことも大切です。
土日祝日や夜間などを避けて工事することで、クレームを防止することができます。
事前の説明がなかった
近隣住民にとって、いきなり周辺で工事が行われるとビックリしてしまいます。
「工事するなんて一言も聞いてない!」と、何の説明もなく工事が始まったことに対して怒りを感じる人もいるでしょう。騒音や振動はもちろん、近くで工事が行われているということ自体にストレスを感じる人もいます。
いきなり工事が行われてしまうと、事前に説明なく工事を行ったことに対するクレームが殺到しかねません。
事前の説明がなかったことに対するクレームの予防策
事前の説明がなかったことに対するクレームを予防するには、必ず現場監督や責任者が近隣住民に挨拶回りを行うことが何よりも重要です。
説明を曖昧にするのはNGですし、後から工事内容等に変更がある場合も必ず近隣住民に報告しなければなりません。また、口頭で工事内容を伝えるのではなく、工事を行う日程や時間帯を書面で伝えた上で、最大限の配慮をすることも大切です。
たとえ近隣住民が留守だったからといってポストに書面を投函して終わりにするのではなく、時間帯を変えて訪問した上で新しい書面を渡して説明しましょう。
近隣住民の敷地内に入ってしまった
工事をしている最中に、作業員が知らない間に近隣住民の敷地内に入ってしまうことがあります。
もちろん作業員は敷地内に悪意を持って侵入しているわけではないので問題ないと思うかもしれませんが、実際は近隣住民の許可なく敷地内に入ってしまうと不法侵入になってしまいます。
近隣住民の敷地内に入ってしまったことに対するクレームの予防策
どんなに悪気がなかったとしても近隣住民の敷地内に勝手に入ってしまったことに変わりはないため、事前に予防するには工事を行う前に近隣住民に敷地内に入ってしまう可能性があることを伝えることが大切です。
断りなく入ってしまうのが問題になるので、工事のためだけに敷地内に入ってしまうことに対する許可を得ましょう。近隣住民から許可を得ることができれば、誤って敷地内に入ってしまったとしても不法侵入にはなりません。
ホコリやゴミ
工事現場では確実にホコリやゴミが大量に発生します。
何ヶ月と工事する現場では日常的にホコリやゴミが出てくるので、近隣住民にとってホコリは迷惑ですし、洗濯物にホコリが付着してしまうのでやめてほしいという人もいます。また、ゴミをそのままにしていると企業としてのイメージを損なう原因になり、クレームも入りやすくなります。
ホコリやゴミに対するクレームの予防策
ホコリやゴミに対するクレームの予防策として、周辺にホコリが溜まらないように工夫したり、作業員の指導を徹底したりする必要性があります。
周辺にホコリが溜まらないようにするには、養生シートを使ったり散水したり、こまめに掃き掃除をしたりと現場管理を徹底して行うことが重要です。
また、ゴミをそのままにしないようにするためにも、現場に分別できるゴミ箱を設置したり、徹底した指導を行ったりすることも大切です。分別できるように複数のゴミ箱があるとゴミが捨てやすくなりますし、徹底した指導によって周辺にゴミを置きっぱなしにしないようにすれば、クレームが来ることはないでしょう。
車両の出入りや路上駐車
工事を行う際にさまざまな車両が出入りするのは仕方ありませんが、交通量が多い中での車両の出入りは迷惑になりかねません。
また、現場近くに車両を路上駐車してしまうと、近隣住民の通行の妨げになりますし、場合によっては景観を阻害してしまう可能性もあります。特に玄関前に路上駐車してしまうようなことがあれば、ほぼ確実にクレームを入れられてしまうでしょう。
車両の出入りや路上駐車に対するクレームの予防策
車両の出入りは仕方ないとはいえ、交通量が多い場所では迷惑になってしまうので、交通整理を徹底することが大切です。
また、路上駐車する場合も、事前に近隣住民に路上駐車することを伝えた上で駐車する必要性があるでしょう。
休憩時のタバコや飲食のマナー
休憩時にタバコを吸ったり飲食したりするのは問題ではありませんが、クレームの原因になるのはその後の後片付けです。
タバコの吸い殻をポイ捨てすること自体NGですし、場合によっては火事を引き起こしてしまう原因になります。飲食についても、飲食した後のゴミが片付けられていなかったり建物を汚したりしていると、クレームにつながる可能性があるでしょう。
休憩時のタバコや飲食のマナーに対するクレームの予防策
休憩時のタバコや飲食のマナーに対するクレームを予防するには、後片付けを徹底させることです。
クレームにつながってしまうのは、タバコの吸い殻や飲食後の後片付けが徹底されていないことにあります。したがって、吸ったタバコはポイ捨てせず、飲食後のゴミは適切な場所に片付けて現場を汚さないように徹底して指導しましょう。
作業員の態度や言動
工事現場で働く作業員は基本的に力仕事なので力や体力に自信がありますが、近隣住民にとっては恐怖の対象になる可能性があります。
もちろん紳士的な態度や優しい言動であればイメージを払拭できるとはいえ、中にはすれ違っても挨拶しなかったり、作業員がコンビニでたむろしてタバコを吸ってて立ち寄れなかったり、挨拶してもぶっきらぼうに対応されたりと、作業員の態度や言動に対するクレームが来ることがあります。
作業員の態度や言動に対するクレームの予防策
作業員の態度や言動に対するクレームが来ないようにするためにも、社内教育を徹底することが非常に重要です。
作業員の態度や言動を改めさせるには、会社でマナー研修を行って、現場監督や責任者がしつこく再三に亘って態度や言動の指導を行う必要性があります。技術力が高くても経験が豊富にあっても、態度や言動がすべてを台無しにすると言っても過言ではありません。
もし再三指導しても態度や言動が直らないのであれば、現場に出入りするのを禁止するくらいでないとクレームが収まることはないでしょう。
まとめ
工事現場ではさまざまなことが原因でクレームにつながる可能性があるため、工事を行う前から最後までしっかり気を抜かずに対処する必要性があります。
顧客は誠意ある対応と解決策を求めている以上、クレームが発生したときは真摯に対応しなければなりません。
どうすればクレームが起こらなくなるか予防策も徹底した上で工事に臨むことが大切です。