「造園業に転職を考えている」
「造園業の年収を知りたい」
「造園業は高年収を目指せるって本当?」
こんな疑問や悩みをもつ方のための記事です。
造園業に転職を考えている方にとって、年収はとても気になるところだと思います。
そこで今回は、造園業に就職した場合の年収や、将来性についても詳しくお伝えしていきます。
具体的には以下の流れで進めて行きます。
・造園業の職種について
・造園業に就職するには
・造園業に転職した場合の年収
この記事を読めば、造園業に転職したらどれくらい稼げるのか、今後の動向まで分かるのでぜひ最後までご覧ください。

愛知県稲沢市生まれ。稲沢市が「日本四大植木産地」であることもあり、幼少期か ら植木に囲まれて成長。
東京農業大学卒業後、名古屋市内の造園会社に就職。 公園の設備工事から国交省事業の国道整備工事における土木及び街路樹等の植 栽工事に現場代理人として携わる。
目次
造園業といっても職種は様々

造園業は、住宅や公園、都市などの緑地を、設計から施工、維持・管理まで行う仕事です。古くは、日本庭園の整地や植栽、剪定などがメインでしたが、近年はビルやマンション、道路の緑化の仕事が多くなっています。
そのため規模の大きい現場では、ブルドーザーや小型移動式クレーンを使うこともあります。また、1から作る工事よりも、維持管理の仕事が多くなっているのが、現在の造園工の特徴です。
造園業は、庭師、造園師、植木屋とも言われることもあります。しかし、それぞれに明確な違いがあるわけではありません。どんな仕事をメインに扱っているかで、呼び名が違っているだけです。
例えば、造園業は「庭のデザインや管理まで行う総合的な職種」、庭師・造園師は「樹木の剪定をメインに行う」、植木屋は「樹木の剪定から植栽を行う」といった感じです。
グリーンアドバイザーというのもありますが、職種というよりは資格の名称および称号のことです。グリーンアドバイザーの資格を取得すると、花や植物に関する知識を持っている専門家になることができます。ホームセンターなどで植物の育て方や、管理方法をアドバイスするのが仕事内容です。
造園業に就職するには

造園業として就職するなら、求人サイトに登録して応募するのが早いです。特別な資格や条件は無いですし、未経験からでも始められます。
面接の際に用意するものは
- 履歴書
- 職務経歴書
- 筆記用具
- スマホ、時計(時間を確認するため)
上記は最低限用意しましょう。
職務経歴書は企業によっては不必要な場合もあります。事前に確認しておいてください。
履歴書の書き方については、こちらの記事にまとめてありますのでご覧ください。
転職する際に覚えておきたい履歴書の志望動機の書き方!例文もご紹介します
造園・庭師の求人情報を探すならこの3つ!
【みどり仕事新聞】
・業界の基礎知識、転職ノウハウなどの情報が多数掲載
【職人の転職ジャーナル】
・造園、園芸、外構、土木、庭師に関するお仕事情報、転職ノウハウ、資格情報を多数掲載
・造園・園芸・外構・土木に特化した求人を探せる
【みどりのキャリア】
・エクステリア、ガーデン、造園などの求人サイト
・スキルアップ講座もある
多くの職種を扱う求人サイトで探すのも良いですが、造園、外構に関する情報だけを知りたいなら、上記で探すと効率的です。
造園業に就職した場合の年収

求人ボックス 給料ナビによる「造園業」の平均年収は「413万円」となっています。
一方で、厚生労働省のjobtagのデータでは、造園業に属する「植木職・造園師」の年収は「344.1万円」です。
国税庁の民間給与実態統計調査(令和2年)の、日本の平均年収は「433万円」ですので、造園業は全体で見るとやや低い水準であることが分かります。
しかし、地域、条件別、年代別に分けると、大きく幅がありますので、もう少し詳しく見ていきます。
地域別平均年収
今回の数値は「求人ボックス 給料ナビ」のデータを参考にしました。
【地域別平均年収】
地域 | 平均年収 |
---|---|
北海道・東北 | 417万円 |
関東 | 416万円 |
東海 | 421万円 |
甲信越・北陸 | 405万円 |
関西 | 420万円 |
四国 | 379万円 |
中国 | 381万円 |
九州・沖縄 | 402万円 |
四国、中国地方以外は、400万円を超える水準となっています。最も年収が高いのは東海地方のようです。
【都道府県別年収トップ5】
- 1位:福井県(480万円)
- 2位:東京都(460万円)
- 3位:沖縄県(456万円)
- 4位:和歌山県(454万円)
- 5位:岩手県(450万円)
【都道府県別年収ワースト5】
- 1位:高知県(322万円)
- 2位:新潟県(348万円)
- 3位:宮崎県(371万円)
- 4位:島根県(371万円)
- 5位:香川県(375万円)
都道府県別では、福井県の「480万円」が最も高くなっていました。最も年収が低いのは高知県で「322万円」でした。この2つの年収の差は「158万円」ですので、同じ造園業でも、かなりの開きがあることが分かりますね。
条件別
ここでの条件別というのは、「条件付きの求人」という意味です。
最も年収の高い条件が、上場企業の「498万円」、最も低いのが剪定の「352万円」です。研究という条件では、「486万円」になっており、かなり高いことが分かります。
大卒では「418万円」となっており、他の職種と同様に条件の違いでかなり年収に差があるようです。
年代別
給料BANKによると、庭師の年代別給料は、20代で「17万円」、30代「22万円」
40代「35万円」となっています。
単純計算で年収にすると
- 20代:204万円
- 30代:264万円
- 40代:420万円
上記のようになります。実際は賞与が+されるので、もう少し多くなると考えてみてください。
20代未経験から始めた場合の年収を上げるプランを考えてみました。
年収を上げるには、まず資格手当のある造園会社に就職して、資格取得を目指すのが良さそうです。造園技能士3級は、実務経験半年で受験資格が得られるのでおすすめです。実務経験2年で、2級の受験資格が得られます。
その後は、造園施工管理技士を取得して、さらにキャリアアップをする流れがおすすめです。
30代になると、技術や知識も十分に貯まってくると思いますので、さらに高年収を目指すなら、規模の大きな企業に転職するのが良いでしょう。
年収1000万円も稼げるって本当?!

今回参考にしたデータを元に考えると、造園業に就職して年収1000万円稼ぐには、かなり厳しいと言えます。造園業を行っているのは中小企業が多いためです。
就職して数年経っても給料が上がらない場合は、別の企業に転職することも考えると良いでしょう。住む地域にこだわらないのであれば、東京や神奈川など、仕事の多い地域で、規模の大きな企業に転職すると年収アップにつながることが考えられます。
造園業でさらに高年収を目指すなら、やはり独立するのが良いでしょう。独立した場合の年収は、約600万円〜800万円と言われています。
造園業の将来性
日本庭園の管理の仕事は、正直減っていくでしょう。今後は、個人宅の植木仕事は減少していくと考えられています。理由は、新設住宅着工戸数の減少、アパートやマンションに住む人が増えていること、庭まで手を回す人が減ってきているからです。
しかし、造園業は将来性が無いかというと、そうでもありません。造園業は、日本庭園だけでなく、仕事の幅が広がってきており、特に都市の緑化計画における、公園やビル施設の造園工事、メンテナンスが増えています。
したがって、都市部における造園業は今後も需要が高くなると予想されます。
もう1つが、造園業も含めた建設業の「深刻な人手不足と高齢化」が進んでいることです。
国土交通省の「建設投資、許可業者数及び就業者数の推移」を見ると、2028年には建設業における55歳以上の就業者は「33.9%」、29歳以下は「11.4%」となると予想されています。
造園業のやりがい
造園業は以下のようなやりがいがあります。
- 地域貢献、社会貢献できる
- お客さんに喜んでもらえる
- スキルアップ、資格の取得ができる
- 独立も可能
【地域貢献、社会貢献できる】
造園業は個人宅だけでなく、商業施設、ビルの屋上、テーマパーク、高速道路のグリーンベルトなど、公共工事も請け負います。街の外観を変えてしまうような規模の大きい工事にも関われるのは、とてもやりがいがあるでしょう。
【お客さんに喜んでもらえる】
個人宅の生け垣の剪定や、植栽、除草、草刈りなどで、庭を綺麗に仕上げて、お客さんに喜んでもらえることも、やりがいの1つです。感謝の言葉を貰うことができれば、また頑張ろうという気になれるでしょう。
【スキルアップ、資格の取得ができる】
資格を取得できることも、造園業のやりがいです。実務経験を積むことでさらに上位の資格取得を目指せます。資格取得をサポートしてくれる会社であれば、やる気も上がりそうですね。
剪定、植栽、石を敷くなど、様々な業務を行うのが造園工ですが、技術が上がったときは達成感を味わえ、やってよかったと思えるでしょう。
まとめ:造園業に転職するなら今がチャンス【未来は明るい】

今回紹介した年収は、あくまでおよその数値です。冒頭でお伝えしたとおり、造園業に含まれる植木屋、造園師、庭師で微妙に仕事内容が変わります。会社規模によっても年収の開きがあります。
ですので、あくまで目安として捉えてください。
未経験から始められて、スキルアップや独立も目指せるのが造園業の良いところです。業界は人手不足なので、チャンスもあります。
ぜひ造園業への転職を考えてみてください。