「芝生の管理を仕事にしたい」
「グリーンキーパーってどんな仕事なの?」
「未経験からでも目指せるのかな?」

 

このような疑問をお持ちではないでしょうか。

 

ゴルフ場やスタジアムなどで活躍するグリーンキーパーは、どんな役割を担い、どんなスキルや資格が必要なのか、年収や将来性も気になるポイントですよね。

 

この記事では、グリーンキーパーの仕事内容や働き方、必要な資格、年収、将来性、向いている人の特徴まで詳しく解説します。

 

具体的なキャリアステップや安心して働ける環境について知ることができますので、ぜひ最後までご覧ください。




目次

グリーンキーパーとは?

グリーンキーパーは、芝生の管理を専門とする職業。

いわば「芝生のスペシャリスト」です。

主にゴルフ場やスポーツスタジアムなどで活躍し、自然とスポーツをつなぐ重要な役割を担っています。

芝生の健康状態や美しさを保つことは、スポーツのパフォーマンスや安全性に直結するため、現場で高い信頼を得ている職種です。

スポーツ施設の芝生を管理する専門職

グリーンキーパーは、スポーツ施設の芝生を専門的に管理する職業です。

選手が最高のパフォーマンスを発揮できるよう、芝生の状態を最適に保つことが求められます。

競技ごとに求められる芝生の特性や管理方法が異なるため、専門的な知識と技術が必要です。

例えば、ゴルフ場ではボールの転がりやすさを考慮し、サッカースタジアムでは選手の安全性や競技性を重視して芝生の長さや密度を調整します。

日々のメンテナンスを通じて、スポーツ施設の価値を支えています。

「芝の守り手」として現場で信頼される存在

グリーンキーパーは、芝生の「守り手」として現場で厚い信頼を集めています。

芝生のコンディションは、試合の勝敗や進行に大きく影響するため、裏方でありながらチームや施設全体を支える重要な役割を担っています。

芝生の状態が悪いと、選手の怪我や競技の中断につながることもあるため、細やかな管理が不可欠です。

現場のスタッフや選手、利用者からも頼りにされる存在です。
グリーンキーパーの専門性と責任感が、スポーツ施設の運営を陰で支えています。

グリーンキーパーの仕事内容とは?

グリーンキーパーの仕事は、日々の地道な作業が中心です。

気候や季節に応じて芝生の状態が大きく変化するため、柔軟な対応力が求められます。

芝生の健康を守るための基本作業から、病気や害虫の対策、コース全体のメンテナンスまで、幅広い業務を担当します。

芝刈り・水やり・肥料の散布などの基本作業

芝生の管理で最も基本となるのが下記3つの作業です。

  • 芝刈り
  • 水やり
  • 肥料の散布


芝刈りは芝生の長さを均一に保ち、健康的な成長を促すために欠かせません。

水やりは天候や芝生の状態に合わせて適切なタイミングと量を見極める必要があります。

肥料の散布も、芝生の栄養バランスを考慮して計画的に行います。

こような作業を日々丁寧に行うことで、芝生の美しさと機能性を維持しています。

芝の病気・害虫を防ぐための対策

芝生は病気や害虫の被害を受けやすいため、早期発見と迅速な対応が重要です。
グリーンキーパーは、芝生の色や成長状態を観察し、異常があればすぐに対策を講じます。

薬剤の選定や使用タイミングには専門知識が必要であり、環境や利用者への配慮も欠かせません。

適切な管理によって、芝生の健康と安全を守っています。
病害虫の発生を未然に防ぐための予防的な作業も日常的に行われています。

バンカーや木々の管理、コース全体のメンテナンス

グリーンキーパーの仕事は芝生だけにとどまりません。

例えば、ゴルフ場ではバンカーの砂の整備や周囲の木々の管理も担当します。

バンカーの砂は均一に保ち、木々の剪定や植栽の手入れも行い、コース全体の景観と機能性を維持します。

利用者が快適にプレーできる環境を整えるため、細部にまで気を配ったメンテナンスが求められます。

多様な作業を通じて、施設全体の価値向上に貢献しています。

作業計画の立案や進捗管理、仲間の指導も大切

グリーンキーパーは、日々の作業を一人で行うわけではありません。

経験を積むと、作業計画の立案やスケジュール管理、メンバーへの指示や指導も重要な役割になります。

効率的に作業を進めるためには、全体の進捗を把握し、適切に人員を配置するマネジメント力が求められます。

現場でのコミュニケーションやチームワークも大切です。
仲間と協力しながら、より良い芝生環境を作り上げています。

就職先は?どんな場所で働けるの?

グリーンキーパーの活躍の場は多岐にわたります。

ゴルフ場やスポーツ競技場だけでなく、学校や公園などの公共施設、芝生管理専門の会社など、さまざまな現場で求められています。

自分の希望やライフスタイルに合わせて働き方を選ぶことが可能です。

ゴルフ場やスポーツ競技場がメインの職場

グリーンキーパーの主な就職先は、ゴルフ場やサッカー、ラグビーなどのスポーツ競技場です。

例えば、国内のゴルフ場やJリーグのスタジアムなど、規模の大きな施設では専任のスタッフが在籍しています。

こうした現場では、最新の管理技術や設備を使いながら、芝生の品質向上に取り組めます。

スポーツイベントや大会の開催時には、特に高いレベルの管理が求められるため、やりがいのある仕事です。

学校や公園など公共施設で働く人もいる

地方自治体が管理する学校や公園などの公共施設でも、芝生管理の仕事があります。
地域に根ざした働き方を希望する人にとって、身近な場所で活躍できる点が魅力です。

地域住民や子どもたちが安心して利用できる環境を整えることが、社会貢献にもつながります。
公共施設では、多様な利用者に対応した柔軟な管理が求められるため、幅広い経験を積むことができます。

芝生管理専門の会社に所属するケースもある

民間の芝生管理専門会社に就職し、複数の施設を担当する働き方もあります。

この場合、ゴルフ場や競技場、公園、学校など、さまざまな現場を経験できるのが特徴です。

現場ごとに異なる管理方法や課題に対応することで、様々な環境に対応できる実践的なスキルが身につきます。

グリーンキーパーになるには?資格とステップを解説

グリーンキーパーを目指すには、どのような資格やステップが必要なのか気になる方も多いでしょう。

グリーンキーパーになるのに必須となる資格はありません。しかし、就職に有利になる資格として「除草管理技術者」があります。


他には、造園や農業系の資格も役立ちます。

詳しく見ていきましょう。

芝草管理技術者とは?3級からのスタートが安心

芝草管理技術者は、グリーンキーパーを目指す人にとって基本となる資格です。

3級は未経験者でも受験できるため、初めて芝生管理の仕事に挑戦する方におすすめです。

資格を取得することで、就職先の選択肢が広がり、現場での信頼も高まります。
試験では、芝生の種類や管理方法、病害虫対策など、実務に直結する知識が問われます。

基礎からしっかりと学べるので、グリーンキーパーを目指す方は取得しておいて損はない資格と言えます。

造園や農業系の資格・知識も活かせる

グリーンキーパーの仕事には、造園や農業分野の知識も役立ちます。

具体的には、造園施工管理技士、農薬管理指導士が良いでしょう。

実際の求人情報を見てみると、この2つの資格を持つ方を優遇する企業が見受けられるからです。


現場では、植物の生理や土壌管理、農薬の安全な使用方法など、幅広い知識が求められます。

資格を活かして、より専門的なキャリアを築くことが可能です。

働きながら資格を取る人が多い

グリーンキーパーを目指す人の多くは、現場で働きながら資格取得を目指しています。

実際の作業を通じて経験を積み、必要な知識や技術を身につけるスタイルが主流です。

先輩や上司から直接指導を受けられる環境も多く、実践的なスキルが身につきやすいです。

現場経験と資格の両方をバランスよく身につけることが、キャリアアップの近道です。

未経験からでも目指せる?

グリーンキーパーは未経験からでも挑戦できる職業なのでしょうか。
実際の現場でのハードルや、未経験者が安心して働ける環境について解説します。

未経験歓迎の求人は意外と多い

近年、グリーンキーパーの現場では人材不足が続いています。
そのため、未経験者を積極的に採用する施設や会社が増加しています。


やる気や興味があれば、専門知識がなくてもスタートできる求人が多いのが特徴です。

求人票に記載がなくても、下記のような仕事はグリーンキーパーに近い仕事内容です。

ちなみに求人票にグリーンキーパーの記載がなくても、下記のような仕事は近い仕事内容です。

  • グリーンの草取りや管理
  • コース管理スタッフ
  • 芝生の除草・管理
  • コースメンテナンススタッフ


求人サイトでは上記のワードでも検索すると良いでしょう。

研修やOJTがある職場もあり安心

未経験者向けの研修やOJTを用意している企業もあります。
基本的な作業や安全管理、芝生の観察ポイントなど、現場で必要な知識を一から学べるので初心者でも安心です。

実際の作業を通じて覚えられるため、机上の勉強だけでは得られない実践力が身につきます。

このような職場は、先輩スタッフが丁寧に指導してくれる職場も多く、安心して成長できる環境と言えるでしょう。

入社後に知識やスキルを身につけられる

グリーンキーパーの仕事は、入社時にすべての知識やスキルを持っている必要はありません。

最初はできないことがあっても、日々の業務を通じて少しずつ覚えていけば問題ありません。

経験を重ねることで、芝生の状態を見極める力や、適切な管理方法が自然と身につきます。

現場での失敗や成功を積み重ねながら、確実にスキルアップできる職種です。

グリーンキーパーの年収

グリーンキーパーの年収については公的な統計がありませんが、関連職種である「植木職人」や「造園師」の平均年収は約374.4万円(令和4年賃金構造基本統計調査)です。

実際の年収は、経験年数や職場の規模、役割によって大きく異なります。

経験年数による差

未経験からグリーンキーパーとして働き始める場合、年収は250万円〜300万円前後が目安となるケースが多いです。

【多くの求人情報で見られる初任給の相場】

  • 時給:1,000円〜1,200円
  • 日給:9,000円〜10,000円



アルバイトや契約社員からスタートする場合もあり、最初は高収入を期待しにくいですが、経験を積むことで安定した収入が得られる職種です。

現場での実績やスキルが評価されると、昇給や正社員登用のチャンスも広がります。
長く働くことで、収入面でも安定が期待でき、キャリアを重ねるごとに待遇が向上する傾向があります。

経験年数や職場の規模による差

経験年数により、重要な役割を任されるようになります。

 

例えば、グリーンキーパー(コース管理責任者)やサブグリーンキーパーの求人で「年収430万円~650万円」「年収580万円~650万円」など、600万円を超える年収例も見受けられます。

職場の規模による違いとしては、大手ゴルフ場や複数のコースを持つ大規模な施設では年収が高めに設定されている傾向があります。

一方、地方の小規模なゴルフ場や個人経営の施設では、初任給や年収がやや低めになることが多いです。

グリーンキーパーの将来性と今後の需要

グリーンキーパーの仕事は今後どうなっていくのか、不安を感じる方もいるかもしれません。

スポーツ施設の増加や高齢化による人材不足、専門性の高さ、将来性や需要について詳しく解説します。

スポーツ施設の増加で芝生管理の需要は高まっている

近年、スポーツの多様化や健康志向の高まりにより、芝生のあるスポーツ施設の新設や改修が全国で進んでいます。

芝生の重要性が再認識されており、施設の数が増えることで芝生管理の需要も高まっています。

特に、国際大会やプロスポーツの開催に伴い、高品質な芝生管理が求められる場面が増えています。

グリーンキーパーの専門性が、今後も必要とされる理由のひとつです。

ちなみに、日本は世界で2番目にゴルフ場が多い国です。

しかし、グリーンキーパーのような専門的な知識と技能を持つ専門家は、まだまだ数が少ないと言われています。

高齢化でベテランが減り、若手の採用に積極的

グリーンキーパーの現場では、ベテランスタッフの高齢化が進んでいます。

技術やノウハウの継承が急務となっており、若手の採用や育成に力を入れる施設が増えています。

未経験者や若手が歓迎されやすい背景があり、チャレンジしやすい環境が整っています。

専門性がある仕事なのでキャリアアップも狙える

グリーンキーパーは、芝生管理の専門性が高いため、キャリアアップの道も多彩です。

芝生の知識や管理ノウハウを磨くことで、現場責任者や指導者、管理職へのステップアップが可能です。

一生モノのスキルとして、長く活躍できる職種です。

資格取得や現場経験を積み重ねることで、より高いポジションを目指せます。自分の成長を実感しながら働ける点も魅力の1つです。

どんな人に向いている?グリーンキーパーの適性をチェック

グリーンキーパーに合っている人は下記のような人です。

  • 自然や植物が好きな人
  • コツコツ作業を続けられる人
  • 裏方として支えることにやりがいを感じる人
  • 気配りができる人
  • 体を動かす仕事が好きな人
  • 天気や季節の変化に関心がある人

適正のポイントを紹介しますので、あなたがグリーンキーパーにあっているか考えてみてください。

自然や植物が好きな人

芝生の成長を日々見守る仕事なので、自然や植物と触れ合うのが好きな人にぴったりです。

芝生の変化に気づく観察力が求められるからです。

四季折々の自然を感じながら働くことができるため、屋外での作業が好きな方には最適です。

植物の成長や変化に興味を持てる方がおすすめです。

コツコツ作業を継続できる人

芝生管理は、毎日の地道な作業の積み重ねが大切です。

そのため、同じような作業でも飽きずに取り組める人が向いています。

継続的な努力が芝生の美しさや健康につながるため、コツコツと作業を続けられる方が活躍できます。
一つひとつの作業に丁寧に取り組み、根気強く仕事に取り組める方におすすめです。

裏方として支えるのが得意な人

グリーンキーパーは、選手や利用者のために最良の環境を整える裏方の仕事です。

目立つことは少ないですが、現場全体を支えるやりがいがあります。

人の役に立つことや、チームの一員として貢献することに喜びを感じる方が向いています。

縁の下の力持ちとして活躍したい方にぴったりです。

気配りができる人

気配りができる人もグリーンキーパー向きです。

芝生のちょっとした変化への気付きや、仲間との連携が求められるからです。


細やかな気配りや観察力が、芝生の健康や現場の安全につながります。丁寧な性格の人が力を発揮できる職種です。

体を動かす仕事が好きな人

グリーンキーパーの仕事は、芝刈りや水やりなど屋外での作業が中心です。

そのため、アクティブな仕事を求める方に向いています。

特に「デスクワークよりも現場で汗を流したい!」という方におすすめです。健康的な体力を維持しながら働くことができます。

天気や季節の変化に関心がある人

芝生の状態は、気温や湿度、日照時間など天候や季節の変化に大きく左右されます。

天気や季節の移り変わりに興味を持ち、柔軟に対応できる方がグリーンキーパーに向いています。

自然環境の変化を楽しみながら働きたい方におすすめです。

まとめ:自然とスポーツを支える仕事、グリーンキーパーに挑戦しよう

グリーンキーパーは、スポーツ施設の芝生や緑地を専門的に管理する仕事です。

ゴルフ場やサッカースタジアムをはじめ、さまざまな現場で需要が高まっています。

未経験からでも挑戦しやすく、働きながらスキルや資格を身につけてキャリアアップが可能です。

興味を持った方は、ぜひグリーンキーパーを目指してみてください。

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氏永 勝之
監修者 smileグループCEO
株式会社ガーデンメーカー 代表取締役
愛知農園植木苗木株式会社 専務取締役
一般社団法人ガーデンビジネス協会 代表理事
氏永 勝之

愛知県稲沢市生まれ。稲沢市が「日本四大植木産地」であることもあり、幼少期か ら植木に囲まれて成長。
東京農業大学卒業後、名古屋市内の造園会社に就職。 公園の設備工事から国交省事業の国道整備工事における土木及び街路樹等の植 栽工事に現場代理人として携わる。

執筆者 ダーチー

工場に勤務しながらWebライターをしているダーチーと申します。これまで、建設業や製造業、物流業、飲食店のアルバイトまで経験しました。