「ビオトープ管理士の難易度や資格内容を教えてほしい」
「仕事内容や就職先はどんなものがあるの?」
「資格取得に向けた、効率的な勉強方法を教えて欲しい」
こんなお悩みに答える記事です。
ビオトープ管理士は、環境保全に関する知識や技術を持ち、自然の保全や再生を担う専門家です。
本記事では、ビオトープ管理士の難易度や受験資格、勉強方法まで詳しく解説しています。
ビオトープ管理士を取得してキャリアアップしたい方や、これから園芸・造園業界に携わりたいとお考えの方は、ぜひご覧ください。
目次
ビオトープ管理士とは?
ビオトープとは、「生き物が暮らす場所」ということです。例えば、草地、森、池、川、海などはすべてビオトープです。
一方で、都市化によって失われた生態系を復元し、虫や鳥などが生息できるように環境を整えるという意味もあります。
ここでは、ビオトープ管理士の仕事内容を詳しく見ていきます。
ビオトープ管理士の仕事内容
ビオトープ管理士の主な仕事内容は、自然環境の保護と再生を目的としたビオトープの設計、施工、維持管理です。
具体的には、建設会社、造園業者、環境コンサルタント会社、NPO/NGOなどに就職し、地域環境を考慮した建築計画の立案やビオトープの設計・施工、環境調査に関わります。
また、地方自治体の環境課や造園会社、土木、建設会社などで活躍もできます。
いずれも、自然環境の保護と持続可能な開発を両立させるために、重要な役割を果たしています。
ビオトープ管理士の種類は2つ
ビオトープ管理士には、「ビオトープ計画管理士」と「ビオトープ施工管理士」の2種類があり、下記のような違いがあります。
- ビオトープ計画管理士:都市計画や農村計画のプランニング
- ビオトープ施工管理士:設計・施工管理を担当
ビオトープ計画管理士は、都市や農村を開発するための地域計画を策定する役割で、ビオトープ施工管理士は、実際に現場で施工管理を担当する技術者と考えると良いでしょう。
また、実務経験の量や資格取得後の責任の重さに応じて、1級と2級に分かれています。
ビオトープ管理士になるには?
ビオトープ管理士になるには、日本生態系協会が実施する資格試験に合格する必要があります。
ここでは、下記について解説していきます。
- 合格率・難易度
- 受験資格
- 試験日程と試験内容
ビオトープ管理士の合格率と難易度
ビオトープ管理士の合格率は、「1級:約33%」「2級:約44%」です。
2級は約5割の受験者が合格していますが、1級になると合格者が約3割になります。
この合格率から考えると、ビオトープ管理士の難易度は「中程度」です。
決して高い合格率とは言えないので、1級、2級ともに、しっかりと受験対策を行う必要があります。
ビオトープ管理士の受験資格【2級に受験資格はなし】
2級に受験資格はないので、誰でも受験できます。
1級ビオトープ計画管理士の受験資格は下記のとおりです。
4年制大学を卒業 | 7年以上 |
大学院を卒業(土木、造園、農業、生物など) | 5年以上 |
高等学校を卒業 | 11年以上 |
短期大学、専門学校、高等専門学校を卒業 | 9年以上 |
技術士(建設、農業、森林、水産、環境) | 4年以上 |
・1級土木施工管理技士 ・1級造園施工管理技士 | 4年以上 |
・2級土木施工管理技士・2級造園施工管理技士 | 7年以上 |
・2級ビオトープ計画管理士・2級ビオトープ施工管理士 | 7年以上 |
上記の学歴・資格以外 | 14年以上 |
1級は、より専門的な知識が必要なので実務経験が長めに設定されています。したがって、今すぐに取れる資格ではありません。
(引用 公共財団法人 日本生態系協会 「受験の手引」試験の概要と受験申込用紙)
ビオトープ管理士の試験日程と試験内容
ビオトープ管理士の試験日程は下記のとおりです。
【1級ビオトープ管理士】
申込み受付期間 | 6月上旬〜9月中旬 |
筆記試験 | 11月上旬 |
口述試験 | 1月中旬 |
合格発表(筆記試験) | 12月下旬に合否通知が送付されます。 |
合格発表(口述試験) | 2月中旬に合否通知が送付されます。 |
【2級ビオトープ管理士】
申込み受付期間 | 6月上旬〜9月中旬 |
筆記試験 | 11月上旬 |
合格発表(筆記試験) | 2月下旬に合否通知が送付されます。 |
試験会場と受験料は下記のとおりです。
試験会場 | 札幌、仙台、新潟、東京、長野、名古屋、大阪、広島、福岡、鹿児島、那覇、盛岡(2級)、金沢(2級)、徳島(2級) |
受験料 | 1級11300円2級7200円 |
ビオトープ管理士の試験内容
1級では筆記試験と口述試験の2段階で試験が行われます。
【1級ビオトープ管理士】
筆記 | ・択一問題、合計50問 共通科目(生物学10問、ビオトープ理論10問、環境関連法10問) 専門科目(計画管理、20問) ・記述問題、4問(400字以内) ・小論文、1問(1200文字以内) |
口述試験 | 試験官との質疑応答(15分) |
【2級ビオトープ管理士】
筆記 | ・択一問題50問共通科目(生物学10問、ビオトープ理論10問、環境関連法10問) 専門科目(計画管理、20問) ・小論文、1問(400字以内) |
2級になると口述試験が必要になること。1級と2級で記述問題の文字数が異なる点に注意してください。
特例として、計画管理士または施工管理士のどちらかに合格している場合、もう片方の筆記は免除になります。
筆記試験には合格している方に関しては、翌年の筆記試験が免除になります。
受験概要は、日本生態系協会のホームページにも書いてあります。受験する際は必ず確認しておいてください。
ビオトープ管理士の受験対策・勉強方法
ビオトープ管理士資格試験に合格するには正しい勉強方法を知っておくことが大切です。
詳しく見ていきましょう。
公式テキストと過去問を解こう
ビオトープ管理士の市販テキストは存在しないため、日本生態系協会の公式テキストを購入すると良いでしょう。
過去問に関しても、日本生態系協会のエコネット会員に登録することで、公式ホームページからダウンロードできます。無料なので、ダウンロードして繰り返し問題を解きましょう。
正式な用語が分かっていないと問題を理解できないため、まずは公式テキストで基礎を頭に叩き込んでから過去問を解くのがおすすめです。
ちなみに過去問をダウンロードして解いてみましたが、「( )内に入る語句を選びなさい」「( )内に入る適切な組み合わせはどれ?」という問題が多く出題されています。
また、小中学校で習うような基礎的な用語から、専門的な用語まで出てきます。各分野にまんべんなく正解する必要があるため、スポット的に勉強するのではなく、幅広い範囲をカバーしておくことで合格率が上がるでしょう。
記述問題・小論文対策をしよう
2級の小論文は400文字以内なので、そこまで時間がかからないかもしれません。しかし、1級は小論文の文字数が1200文字以内と多く、記述式問題(1問400文字)も出題されます。
文章作成に慣れていない方は、特に重点的に対策しておく必要があります。
1級の小論文は、これまでの経験がないと書けないため、自分が取り組んできたことや今後取り組みたいことなどを整理しておくことが重要です。
試験当日に小論文の内容を決めると時間が足りなくなる可能性があるため、テーマをいくつか用意しておくと良いでしょう。
セミナーに参加しよう
日本生態系協会では、ビオトープ管理士のセミナーを開催しています。このセミナーでは、特別な講義資料(過去問題、環境関連法)を使用し、択一問題5科目について学べます。
法律や制度は改正もあるので、公式テキストだけでは不十分な可能性もあります。開催地は東京と大阪だけですが、参加しておくと良いでしょう。
勉強期間
1級が約3割、2級が約5割という難易度から考えると、勉強期間は最低でも6ヶ月以上は必要。筆記試験が11月なので、4月、5月あたりから勉強を始めることになります。
試験日から逆算して、
テキスト購入>受験申込>テキスト学習>過去問学習>記述・小論文対策>本番
というように計画を立てていきましょう。
ビオトープ管理士の年収
ビオトープ管理士の、国が発表している正確な年収データはありません。しかし、ビオトープ管理士の主な就職先である、造園工事業の年収は「約374.4万円」です。
ですのでビオトープ管理士は、造園工事業の年収に近い年収、またはそれ以上と予想されます。
また、正確なデータではありませんが、環境コンサルタントの場合、年収400万から600万円前後になると予想されています。
特に大規模な開発プロジェクトや政府関連の環境保全プロジェクトに携わる場合は、より高い報酬が期待できるでしょう。
ビオトープ管理士の需要
大手求人サイトをいくつか確認すると、募集要項にビオトープ管理士と記載されている求人が多数確認できました。
同時に、土木施工管理技士や造園施工管理技士も多く見受けられます。この2つは、1級ビオトープ管理士の受験資格でもあり、年収アップも期待できるため、施工管理士系の資格取得もおすすめです。
1級ビオトープ施工管理士の資格を活かそう!環境づくりに関われる求人!
まとめ:ビオトープ管理士の受験対策をして一発合格を目指そう!
ビオトープ管理士は、2級が約半数の合格率、1級が約3割の合格率です。十分な期間を取り真面目に取り組むことで、合格率は上げられます。
ぜひ、今回お伝えした勉強方法を参考にして1発合格を目指してください。
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1級ビオトープ管理士を取得するには、実務経験も必要になるので、ぜひGARDEN-JOBであなたにあった求人を探してみてください。
2級ビオトープ施工管理士として自然共生の現場で働けるチャンス!