「造園業の仕事って具体的にどんなことをするのだろう?」
と疑問に思ったことはありませんか。
庭園や公園の設計や施工、維持管理など幅広い業務を行う造園業ですが、具体的な仕事内容や職種について詳しく知る機会は少ないかもしれません。
この記事では、造園業の仕事内容を設計・施工・維持管理という3つの視点から解説し、さらに顧客別の業務内容や将来性についても触れていきます。
造園業に興味がある方や転職を検討している方に役立つ情報をお届けしますので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
造園業の主な仕事内容

造園業は建設業法で定められた29種の建設業種の1つであり庭園、公園、緑地などの、設計、施工、管理を行います。
造園業は植物を扱う業種ですので、工事が完了した後も継続的な植栽管理が必要となる点が特徴です。
そのため、建設業の知識や技術だけでなく植物の生態や環境条件への深い理解が求められます。
造園業の仕事は単なるデザインや施工にとどまらず、自然環境や都市空間を改善し、人々の暮らしを豊かにする役割を担っています。
では、造園の業務を、「設計・プランニング」「施工・植栽」「維持管理・メンテナンス」の3つに分けて深堀りしていきましょう。
設計・プランニング
造園業の設計・プランニングはランドスケープデザイン(屋外の風景や景観を設計・構築する)の知識を活用しながら行われます。
土地の特性や気候条件、利用者のニーズなどを考慮して計画を立案するため、高度な専門知識と創造力が必要です。
例えば、庭園や公園のデザインでは、植物の配置だけでなく動線や景観美も重要な要素となります。
設計段階では顧客との密接なコミュニケーションも重要。
顧客が求めるイメージを具体化し、実現可能な形で提案しなければならないからです。
また、環境負荷を軽減する工夫や地域特有の植物選定なども重要ポイントです。
施工・植栽作業
施工では樹木の植栽や花壇の設置、人工池やウッドデッキなどの構造物の設置作業が行われます。
土木技術や建築技術が活用され、安全面への配慮も欠かせません。
施工段階では計画通りに進めるための効率的な作業管理と現場での柔軟な対応力が求められます。
植栽作業では植物ごとの特性を理解し、それぞれに適した土壌準備や植え付けを行います。
また、大規模な緑化工事の場合には重機を使用した土木工事もあります。そのため、施工は造園業務全体の中でも、特に体力と技術力が試される工程です。
維持管理・メンテナンス
維持管理は造園業務において非常に重要。
植物が健康で美しい状態を保つためには、剪定や病害虫防除、施肥など定期的な作業が必須です。
大規模緑地の場合には、樹木医による専門的な診断と管理が必要になることもあります。
季節ごとの変化に応じた対応も行われます。
例えば夏場には水やりが重要になる一方で、冬場には寒さ対策として防寒措置を講じる必要があります。
一年を通じて植物と向き合う仕事であるため、高い観察力と経験値が求められるといえます。
造園業具体的な職種
造園業では多様な職種が存在し、それぞれ異なる専門性と役割があります。
- 施工管理者
- 設計者/プランナー・デザイナー
- CADオペレーター
- 技能職/技術者・職人
今回は上記4つに分けて見ていきますのでご覧ください。
施工管理者
施工管理者は、工事全体の計画立案と進行管理を担う職種です。
予算管理から品質管理、安全面への配慮まで幅広い責任が求められ、現場作業員との連携や発注者との調整も重要です。
施工管理者には現場全体を把握しながら効率的に工事を進める能力とリーダーシップが求められます。
また、土木工事や建築工事に関する知識も必要となるため、高度な専門性が問われる職種と言えます。
ちなみに施工管理は下記のQCDSEが重要。
- Quality(品質)
- Cost(原価)
- Delivery(工期)
- Safety(安全)
- Environment(環境)
詳しくは下記の記事にまとめてありますので、こちらも合わせてご覧ください。
設計者/プランナー・デザイナー
設計者やプランナーは、空間全体のデザインを担当します。
庭園、公園などのランドスケープデザインだけでなく、水辺や構造物など植物以外にも配慮した配置決定が求められます。
提案を本当に実現できるかどうかも重要。そのため、打ち合わせや提案資料作成などコミュニケーション能力も欠かせません。
設計者として働く場合には、CADソフトウェアなどデジタルツールにも精通していることが望ましいです。
CADオペレーター
CADオペレーターは、CADソフトウェアを使用して立体的図面を作成する職種です。
図面は施工段階で活用されるため正確さと分かりやすさが求められます。
正しく高品質な図面の作成を行うには、設計者や顧客との打ち合わせにも参加し提案資料作成なども行うことが重要。
そのため、単なる図面作成だけでなくコミュニケーション能力も必要です。
技術力と協調性がバランスよく求められると言えるでしょう。
あなたがCADオペレーターに向いてるかどうかは、下記の記事を見れば分かりますので、興味のある方はどうぞ。
技能職/技術者・職人
技能職は実際に現場で施工や植物維持管理を行う職種です。
体力だけでなく高度な技術力と経験値が問われます。
例えば剪定作業では樹木ごとの特性理解が欠かせません。病害虫防除では、薬剤選定から散布方法まで専門知識が必要になります。
このように技能職は現場で直接手を動かすプロとして重要な役割を担っています。
職人になる方法は下記の記事で解説しているので、興味のある方はぜひご覧ください。
造園業の顧客別仕事内容

造園業では顧客によって仕事内容が異なる場合があります。
それぞれの顧客ニーズに応じた対応力が求められる点も特徴です。
- 一般消費者向け
- 民間企業向け
- 公共機関向け
上記の3つに分けて詳しく解説します。
一般消費者向け
一般消費者向けには個人宅の庭園設計・施工、小規模な維持管理作業などがあります。
例えば庭木1本の剪定から小さな花壇づくりまで幅広い依頼内容があります。
この分野では顧客とのコミュニケーション能力が特に重要です。
また個人宅向けの場合には予算内で最大限満足度を高める提案力も欠かせません。
民間企業向け
民間企業向けの造園業務では、企業施設の敷地内緑化工事や屋上緑化、壁面緑化などが主な仕事です。
企業の景観向上や環境配慮の一環として行われることが多く、特に都市部では需要が高まっています。
また、大規模な商業施設やホテル、オフィスビルなどでの緑化プロジェクトなどにも関わります。
公共機関向け
公共機関向けの造園業務では、大規模公園の設計・施工や街路樹、緑地帯の整備・管理などが中心です。
国や地方自治体から発注されることが多く、地域社会における重要な役割を担います。
公園整備工事の場合、新規の公園造成だけでなく既存施設の改修や遊具設置などがあります。
造園業の将来性と課題

造園業の将来は明るいと言えます。
その理由をお伝えしますのでご覧ください。
自然保護活動の高まり
造園業は今後も重要性が増していくと考えられています。
ヒートアイランド現象対策としての都市緑化需要の高まりや、生態系保護への関心が増加しているからです。
都市部での緑地確保や環境改善にも力を入れているので、造園業はこれからもなくてはならない業種と言えるでしょう。
公共事業の安定した需要
公共事業における造園業務は安定した需要があります。
道路や公園などでは植栽後も剪定や維持管理作業が必要です。このような継続的な業務は造園業界にとって大きな柱になります。
商業施設や住宅地でも緑化スペースの設置が義務付けられるケースが増えつつあり、新たな仕事の機会が期待されています。
一方で造園業を含む建設業では、イメージの悪さから人手不足という課題があります。
しかし近年では、完全週休2日制の導入や残業時間の上限規則、給与体系の見直し、未経験者の積極的な受け入れなどを行っています。
まとめ:造園業の仕事は設計・施工・維持管理まで幅広い!興味があるならチャレンジしてみよう

造園業は庭園や公園など自然空間を創り出し、人々の生活環境を豊かにする重要な仕事です。
設計・施工・維持管理という各段階で専門性が求められる一方で、都市緑化や環境保全への貢献という社会的意義も大きい職種です。
今後も都市部での緑化需要増加や公共事業による安定した需要が見込まれており、その将来性は明るいと言えます。
興味がある方はぜひ挑戦してみてください。
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