「施工管理に必要なQCDSEってなんだろう?」

 

こんな疑問に答える記事です。

 

QCDSEとは、Quality(品質)、Cost(原価)、Delivery(工期)、Safety(安全)、Environment(環境)のことです。

 

建設業で施工管理を行うには、QCDSEは必須と言える知識です。

そこでこの記事では、施工管理のQCDSEの意味について詳しく解説していきます。

高杉 有希子
監修者 エクステリアプランナー 高杉 有希子

静岡県御殿場市の土建屋に生まれ、大型重機が大好きな子供時代を送る。
建築に憧れ、三重短大で住環境を学ぶ。新卒でハウスメーカーFC工務店の「インテリアプランナー」に応募するも、社長の勘違いで募集したかったのはなんと「エクステリアプランナー」!!
ハウスメーカーで個人住宅のエクステリアを担当。その後、ゼネコン住宅事業部のインテリアプランナー、植木屋の外構プランナーを経て、現在は(株)ガーデンメーカーで営業設計を務める。

執筆者 ダーチー

工場に勤務しながらWebライターをしているダーチーと申します。これまで、建設業や製造業、物流業、飲食店のアルバイトまで経験しました。

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目次

QCDSEって何?

QCDSEとは、Quality(品質)、Cost(原価)、Delivery(工期)、Safety(安全)、Environment(環境)の5つの頭文字を取った用語です。

施工管理者は、このQCDSEを管理しなければなりません。

QCDSEのうち、どれか1つができていれば良いわけではなく、バランスよく管理することが大切になってきます。

QCDSEをバランスよく管理することで、良い建設物ができるだけでなく、作業員の安全や健康を守られる、環境の配慮ができるからです。

そんな施工管理では必須となるQCDSEですが、具体的にどんな意味なのか、どんな作業があるのか詳しく見ていきます。

Quality(品質)とは?

品質とは、建物の安全性、耐久性、機能性、美観などを指します。

建設業の品質を向上させるには、特に以下の点が重要です。

  • 適切な設計や施工
  • 耐久性や安全性が高い資材の使用
  • 高い知識と技術を持った職人の確保

施工管理者は、設計書通りに建物が作られているか確認し、資材の品質が条件を満たしているかチェックします。

優れた職人を適材適所で配置することも求められます。

また、施工中に問題が発生した場合は、原因を特定し解決策を講じることで、建設物の品質につなげられます。

Cost(原価)とは?

原価とは、建設工事にかかる費用です。

建設業の主な原価は以下のとおりです。

  • 資材費
  • 人件費
  • 建設機械、工具費
  • 労務費

建設業の原価の特徴として、建設工事の規模や内容、場所によって原価が大きく変わることです。

たとえば、工事規模が大きければ大型の建設機械を使用しなければなりません。

逆に工事規模が小さければ、少ない人件費と小型の機械で済みます。

ですので施工管理者は建設工事の規模や内容、場所を考えて予算書を作成する必要があります。

工事中に原価が超過しないように、作業員や材料の見直しを行うことも必要でしょう。

Delivery(工期)とは?

納期とは、工事が完了する期限です。

施工管理者は、工事の進捗率を把握し納期を守るようにスケジュールを管理することが求められます。

工期が遅れると、工事費の増加や契約違反などにつながってしまいます。

建設業は天候に左右されやすく工期の管理は難しいため、工事にかかる日数や進捗率を的確に把握し、対応策を検討しなければなりません。

工期が遅れてしまった場合は原因の分析と対応策を考えることも重要です。

トラブル発生に備えて、事前にプランを検討することも必要でしょう。

Safety(安全)とは?

安全とは、建設現場で労働災害が起きないようにすることです。

施工管理者は、労働災害を防ぐために以下の作業を行います。

  • 安全教育の実施
  • 保護具使用の呼びかけ
  • 危険行動への注意喚起
  • 安全設備の設置
  • 現場の定期的な巡回と点検
  • 作業員の健康管理
  • 危険箇所の共有

施工管理者は上記の点に注意して、安全な工事現場の維持に務めることが大切になります。

安全な工事現場を維持することで、労働災害を未然に防ぎ、作業員の健康を守ることにつながります。

特に建設現場は危険が多く潜んでいるので、作業員への安全意識の向上が重要になるでしょう。

Environment(環境)とは?

建設業においての環境とは、自然環境、周辺環境、職場環境などを指します。

施工管理者は、建設工事による環境への影響を最小限に抑えなければなりません。

建設工事は、自然環境や周辺環境に大きな影響を与える産業です。

なぜなら大量の資材を投入し、多くの排出物を出すからです。

ですので、資材の再利用やゴミの削減、環境に配慮した設計や施工などが重要になります。

施工管理者の仕事としては、振動、騒音、粉塵などの対策、働きやすい職場環境の整備、作業員の健康やストレスチェックなどを実施することです。

また、場合によっては近隣住民への工事説明や配慮も行わなければなりません。

施工管理におけるQCDSEの優先順位

多くの産業の場合、QCDSEは特に品質が重要視されます。

ところが建設業の場合、QCDSEの優先順位が異なり、1番重要視されるのはS(安全)とされています。

理由は、建設業は労働災害発生件数が多いからです。

構成労働省発表の調査では、令和4年の建設業の労働災害発生件数は、過去20年で最多となっています。

令和4年1月から12月までの新型コロナウイルス感染症への患によるものを除いた労働災害による死亡者数は774人(前年比4人減)と過去最少となりました。休業4日以上の死傷者数は132,355人(前年比1,769人増)と過去20年で最多となりました。
(引用元 厚生労働省発表資料「令和4年の労働災害発生状況を公表」はこちら)

建設業では安全が最重要とはいえ、もちろん他の要素も重要です。

たとえば、建設物の品質が悪ければ利用者が快適に生活できませんし、工期に間に合わなければ会社の利益が減少してしまいます。

そのため施工管理者は、QCDSEをバランスよく管理することが求められるでしょう。


下記の記事では、高所作業や労働災害についてお伝えしています。

高所作業の年齢制限や安全対策、注意点を知りたい方はぜひご覧ください。

https://journal.garden-job.net/journal/exterior-and-civilengineering/civilengineering-industry/6362/

まとめ:QCDSEは施工管理に必須の知識

この記事をまとめます。

QCDSEとは、Quality(品質)、Cost(原価)、Delivery(工期)、Safety(安全)、Environment(環境)のことです。

QCDSEでは品質が重要視されがちですが、建設業においてはS(安全)が最優先です。

特に建設業は他の産業に比べて、労働災害が多く発生しています。

施工管理者は、品質の良い建物を造ることだけに気を取られずに、作業員の安全や健康、会社の利益、環境に配慮することも重要です。

まず安全を第一に考え、その他の要素もバランスよく管理できる人が、優れた施工管理者と言えるでしょう。

下記の記事では現場監督の仕事内容や平均年収、給料アップに必要な資格までお伝えしています。現場監督を目指す方はぜひご覧ください。

https://journal.garden-job.net/journal/exterior-and-civilengineering/civilengineering-industry/gaikou30/
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