「街路樹剪定士って何をする資格なの?」
「街路樹剪定士の資格を取るのは難しいの?」
このような疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
街路樹剪定士は、街路樹の健康と美観を守り育てる専門家として、造園業界で重要な役割を果たしています。
本記事では、街路樹剪定士の資格概要、講習内容、試験の難易度、そして効果的な勉強法について詳しく解説します。
造園業界でのキャリアアップを目指す方や、街路樹管理のスペシャリストになりたい方にとって、貴重な情報が満載ですのでぜひ最後までご覧ください。
目次
街路樹剪定士とは

街路樹剪定士は、日本造園建設業協会が認定する民間資格で、街路樹を守り育てる専門家です。
樹木の生理・生態や街路樹に関する専門知識と、伝統的な職人芸とも言える技能を併せ持つプロフェッショナルとして認識されています。
街路樹剪定士の仕事内容
街路樹剪定士は、「街路樹目標像」を考えることが重要。
簡潔に説明すると、「木の未来像を想像しながら育てる」という感じ。
例えば下記を考えます。
目標 | 具体例 |
どんな木にしたいか | ・夏は日陰を作る木 ・きれいな花を咲かせる木 |
どのくらいの大きさに育てたいか | ・歩行者や車の通行を妨げない高さ ・建物と調和する大きさ |
どんな役割を果たしてほしいか | ・道路の景色を美しくする ・季節感を演出する ・大気浄化に貢献する |
また、理想とする街路樹を育てるには、下記の作業が重要。
- 街路樹の健康管理
- 樹木の形を整える
- 街の景観と合わせる
- 安全な樹木管理
- 環境保全への貢献
このような良好な生育に関する作業を適切に行い、美しい街並みづくりに貢献しています。
受験資格
街路樹剪定士認定試験の受験資格条件 |
---|
1. 街路樹剪定士研修会の受講(学科・実技) |
2. フルハーネス型墜落制止用器具の特別教育を受講し、以下のいずれかに該当すること |
a) 1級造園技能士である |
b) 2級造園技能士で資格取得後2年以上の剪定業務経験がある |
c) 樹木の植栽工事または剪定業務に7年以上の実務経験がある |
上記の条件を満たすことで、街路樹剪定士の認定試験を受験する資格が得られます。
また、街路樹剪定士研修会は、どなたでも受講できます。
なお、造園技能士の詳細は下記の記事にまとめてあります。
試験概要や勉強方法を知りたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
街路樹剪定士研修会の内容

街路樹剪定士研修会は、学科研修と実技研修で構成されています。
日程 | 内容 | 種類 |
---|---|---|
1日目 | ・街路樹の基礎知識 ・剪定の方法 ・病気や害虫への対策 ・植える場所の整備 ・安全管理 ・実例を使った学習 | 学科 |
2日目 | 1日目の続き | 学科 |
3日目 | ・実際の剪定作業 ・安全な作業方法の練習 | 実技 |
最初の2日間で街路樹に関する知識を学び、最後の1日で実際に木を剪定する練習をします。
実際の事例を用いたケーススタディも行われ、理論と実践の両面から学ぶことができます。
※学科研修は通常2日間で行われますが、1日で実施される場合もあります。
実技研修では、実際の現場で技術を身につけます。ケーススタディと見本剪定を通じて、様々な状況下での適切な剪定方法を学びます。
安全確認の重要性も実践的に学び、現場での作業に直結する知識と技能を習得します。
街路樹剪定士認定試験の概要

認定試験は学科試験と実技試験で構成されています。
時間 | 内容 | |
---|---|---|
学科試験 | 1時間 | ・研修で学んだことから出題される ・4つの選択肢から正解を1つ選ぶ問題が約20問 |
実技試験 | 受験者数や木の種類によって変わる | ・実際に木を剪定する ・安全な作業ができるかも確認される |
詳しく見ていきましょう。
学科試験
学科試験は、街路樹剪定士研修会のテキストから出題されます。
4者択一式問題が20問程度出題され、試験時間は1時間。
出題内容は下記のとおり。
- 街路樹に関する基本的事項
- 剪定技術
- 病虫害対策
- 植栽基盤整備
- 安全衛生管理
研修で学んだ全範囲の問題が出題されるので、受験者の知識の深さと幅広さが試されます。
実技試験
実技試験では、街路樹または並木樹木2樹種の剪定が課題になります。
装備や服装の適切さ、ケーススタディの理解度、実際の剪定技術、安全管理の徹底などが評価されます。
試験時間は受験者数により異なりますが、一人ひとりの技術を十分に見極められる時間が設定されます。
学科で学んだ知識を実際の現場でどれだけ適切に応用できるかが問われます。
街路樹剪定士試験の難易度と合格率

「街路樹剪定士認定試験は難しいのかな?」
ここで、街路樹剪定士認定試験の合格率・難易度をお伝えするので参考にしてみてください。
合格率の推移
街路樹剪定士試験の合格率は、年度によって多少の変動がありますが、比較的高い水準を維持しています。
過去のデータを見ると、2008年度の合格率は91.9%、2012年度は81.7%でした。
近年の合格率は具体的な数字は公表されていませんが、おおよそ80~90%程度と推定されます。
この高い合格率は、受験者の多くが造園業界での実務経験を持つ専門家であることを反映しています。
難易度の評価
造園業経験者にとっては比較的低いと評価されています。
試験内容が研修で学んだ内容から直接出題されるため、研修に真剣に取り組み準備をすれば合格は十分に可能。
ただし、実技試験では実際の技術力が問われるため、日頃の業務での経験が重要になります。
初心者にとっては難しい面もありますが、経験者にとっては自身の技術を証明する良い機会となります。
街路樹剪定士を取得するメリット

「街路樹剪定士を取得するメリットは?」
街路樹剪定士を取得するメリットは主に下記のとおり。
- キャリアアップの可能性が広がる
- 業務範囲の拡大
- 年収アップの可能性がある
詳しく見ていきましょう。
キャリアアップの可能性が広がる
街路樹剪定士の資格を取得することで、造園業界でのキャリアアップの可能性が広がります。
街路樹管理のスペシャリストになれるので、業界内での評価向上につながるからです。
近年、環境問題への注目が高まる中で、街路樹の適切な管理に対する需要が増加しています。
そのため、街路樹剪定士の資格を持つ専門家への需要も高まっており、キャリアの幅を広げる絶好の機会となっています。
業務範囲の拡大
街路樹剪定士の資格を取得すると、様々な街路樹管理プロジェクトへの参加機会が増えます。
自治体や企業からの信頼度が向上し、より重要な業務を任されるようになる可能性が高まります。
また、街路樹の健康と美観を守り育てる専門家として、地域の景観づくりに貢献することができます。
さらに、街路樹剪定士指導員への道も開かれ、後進の育成や地域の街路樹に関する相談対応など、より広範囲な活動が可能になります。
年収アップの可能性がある
街路樹剪定士の取得で、年収アップする可能性があります。
技術によって待遇が変わる仕事だからです。
資格取得後も、経験を積むことで給与がアップしていくでしょう。
ただし、会社規模や経営状況によって待遇が変わるので、具体的にどれくらい年収アップするかは分かりません。
街路樹剪定士認定試験の勉強方法

研修会で学習
街路樹剪定士試験の合格率を上げる方法は、研修会を真面目に受講すること。
研修会での講義内容を十分に理解し、テキストを繰り返し復習するのが効果的です。
特に、ケーススタディを詳しく学ぶことで、実際の現場で起こりうる問題への対応力が身につきます。
講師の説明や質疑応答の内容もしっかりとノートに取り、復習して理解を深めていきましょう。
実務経験の重要性
日常の剪定業務で技術を磨くことも非常に重要です。
様々な樹種や環境での経験を積むことで、実技試験で求められる幅広い技術力が身につくからです。
日々の作業で安全管理を実践し、適切な装備の使用を習慣化すると、試験でも自然に正しい行動ができます。
実務経験から得る知識と技術は、座学では学べない貴重な学びになるでしょう。
まとめ:しっかり準備して街路樹剪定士になろう!

街路樹剪定士は、街路樹管理のスペシャリストとして重要な役割を果たす資格です。
研修会と認定試験を通じて、幅広い知識と実践的な技術が求められます。
資格取得により、キャリアアップや業務範囲の拡大が期待できます。
造園業経験者にとっては比較的取得しやすい資格ですが、十分な準備をして試験に挑みましょう。
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