「仕事でチェーンソーを使うことになったけど資格を持っていない」

「そもそもチェーンソーの使用には資格が必要なのかな?」

 

こんなお悩みや疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。

 

チェーンソーを業務で使用する場合、「チェーンソーによる伐木等特別教育」を受講する必要があります。

この記事では、チェーンソーによる伐木等特別教育の概要や、受講する際の注意点を詳しく解説しますので、受講する際の参考にしてみてください。




目次

【必須資格】チェーンソーによる伐木等特別教育とは?

チェーンソーを業務で使用する際、労働安全衛生法により「チェーンソーによる伐木等特別教育」の受講が義務付けられています。

それでは、チェーンソーによる材木等特別資格とはなにか、具体的に見ていきましょう。

チェーンソーによる材木等特別教育の必要性

チェーンソーによる伐木等特別教育の必要性は、林業や造園業における高い労働災害発生率に起因しています。

この特別教育を受講することで、作業者は安全な作業手順やリスク管理の知識を習得できます。また、キックバックなどのチェーンソー特有の危険性や、適切な防護具の使用方法についても学べます。


伐木作業を行う業種は林業に限らず、土木工事業や造園工事業など多岐にわたりますが、このような業種では安全確保が最優先事項です。

継続的な安全対策と作業者の意識向上が求められており、特別教育の受講は単に法令遵守のためだけでなく、作業者自身の安全と周囲の作業者の安全を守るために重要な役割を果たします。

 

2020年8月の法改正のポイント

2020年8月の法改正により、チェーンソーによる伐木等特別教育の内容が大きく変更されました。従来は大径木と小径木で区分されていた講習が統合され、より包括的な内容に拡充されました。

2020年8月以降は新しい基準での特別教育が実施されており、法改正前に受講した方は補講が必要となる場合があります。

この改正により、より高度な安全対策と技術の習得でき、チェーンソー作業の安全性向上につながる可能性が高まりました。

 

受講資格と対象者

年齢や学歴による制限はありません。

しかし、実際の業務従事は18歳以上が望ましいとされています。主に林業や建設業で伐木作業を行う労働者が対象となりますが、チェーンソーを業務で使用するのであれば、他の業種の労働者も受講することが推奨されます。

 

難易度は低め

講習の難易度は比較的低く設定されており、安全意識と基本的な操作技術の習得に重点が置かれています。

試験はないため、真面目に受講すれば修了証を得られる可能性が高いです。

しかし、決してこの教育を軽視してよいということではありません。チェーンソー作業の危険性を考えると、受講者は真剣に学び、確実に知識と技術を身につけることが求められます。

 

チェーンソーによる伐木等特別教育の内容

チェーンソーによる伐木等特別教育は、学科講習と実技講習の2つの部分から成り立っています。

詳しく見ていきましょう。

学科講習

学科講習の内容は下記のとおりです。

チェーンソーに関する知識2時間
振動障害及びその予防に関する知識2時間
関係法令1時間


伐木の手順や方向、かかり木の処理方法、チェーンソーの構造と使用法、振動障害の原因と予防策、そして関連する法令について学びます。

合計で9時間の講義が行われ、この中で安全な作業を行うための理論的な基盤が築かれます。

 

実技講習

実技講習の内容は下記のとおりです。

伐木等の方法5時間
チェーンソーの操作3時間
チェーンソーの点検及び整備1時間


実際の作業を通じて技術を身につけます。伐木の準備から始まり、伐倒の基本技術やかかり木の処理方法を実践します。

また、チェーンソーの操作方法や安全な作業姿勢も学びます。最後に、チェーンソーの日常点検や簡単な整備についても触れられます。

こちらも9時間で行われ、理論と実践がしっかりと結びつく内容となっています。


受講料金

チェーンソーによる伐木等特別教育の受講料金は、実施機関や講習内容によって異なりますが、15,000円〜26,000円程度が相場です。

通常の18時間コース(学科9時間、実技9時間)22,000〜26,000円
実技を含まない学科のみのコース16,800円
改正前の資格保有者向け補講コース10,000円


この表を、受講を検討する際の目安にしてください。実際の料金は各実施機関を確認するようにしましょう。


チェーンソーによる材木等特別教育の受講方法

受講方法は、講習機関での対面受講、自社内での実施、Web講座の3つがあります。

詳しく解説しますので、ご覧ください。

講習機関での対面受講

講習機関での対面受講は、登録された講習機関で直接受講し、専門の指導員から実践的な技術を学ぶ方法です。

この方法のメリットは、経験豊富な講師から直接指導を受けられること。質問や疑問点をその場で解決できる点です。

実技講習を含む全ての内容を一括で受講できるため、総合的な学習が可能。さらに、他の受講者との交流や情報交換ができる点もメリットです。

ただし、開催日程や場所が限られる場合があります。仕事の都合との調整が必要になるので注意しましょう。

多くの重機メーカーや林業関連団体が講習を提供しているので、地元で受講機会を探すのも良いでしょう。


自社内での特別教育実施

自社内での特別教育実施は、企業内で講習を実施し、自社の作業環境に即した内容で教育を行う方法です。

メリットは、自社の作業環境や使用機材に合わせたカリキュラムを組めること。例えば、自社で主に使用するチェーンソーの機種に特化した操作方法や、よく遭遇する作業現場の状況に応じた安全対策を重点的に学べます。

従業員の都合に合わせて日程を調整しやすく、繁忙期を避けて講習を設定できるのもメリット。さらに、多数の従業員を一度に教育できるため、全社的な安全意識の向上につながります。

ただし、適切な資格を持つ講師の確保が必要で、社内に適任者がいない場合は外部講師を招聘するか、機関に出向いて受講する必要があるでしょう。

また、実技講習のための設備や場所の準備が必要です。十分な広さの作業スペースや、伐採用の木材の確保などが求められます。

自社内で実施する場合も、法定のカリキュラムに沿って18時間の講習を行う必要があるため、事前の綿密な計画と準備が不可欠です。


Web講座での受講(学科のみ)

Web講座での受講は、インターネットを利用して学科講習を受講する方法です。

メリットは、時間や場所の制約が少なく、受講者が自分の都合に合わせて学習を進められること。例えば、夜間や休日を利用して学習を進めることができ、遠隔地にいても受講が可能です。

また、自分のペースで学習できるため、理解が不十分な箇所を繰り返し学習できます。

ただし、Web講座は学科9時間分のみ受講可能です。実技9時間は別途対面で受講する必要があります。

そのため、実技講習のための日程調整や追加の費用が必要になります。また、自己管理が求められるため、計画的に学習を進める必要があります。

インターネット環境が必要なため、安定した通信環境の確保も重要です。


受講の注意点

チェーンソーによる材木等特別教育を受講する際の、注意点は下記とおりです。

  • 真面目に受講しよう
  • 必要書類や持ち物を確認しよう
  • 修了証を大切に保管しよう
  • 知識のアップデートをしよう

1つずつ解説します。

真面目に受講しよう

まず、真面目に受講することが重要です。難易度が低いとはいえ、居眠りなどをしていると修了証をもらえない可能性があります。

チェーンソー作業は危険を伴うため、安全に関わる重要な内容を確実に理解するようにしましょう。


必要書類や持ち物を確認しよう

必要書類や持ち物を事前に確認しましょう。

実施機関のホームページで確認し、受講票、受講料、筆記用具はもちろん、実技講習では作業服、安全靴などの保護具も必要です。

保護具は実施機関でも貸し出しているかもしれませんが、事前に何が必要になるか問い合わせることが重要です。


修了証を大切に保管しよう

修了証は大切に保管し、必要に応じて提示できるようにしておくことが重要です。

紛失、破れや濡れがある場合、再発行が必要になる可能性があります。再発行は手続きと費用がかかるので、安全な場所に保管しましょう。


知識のアップデートをしよう

受講を修了したからといって、学んだ永久に知識が使えるわけではありません。法改正や新しい技術の導入により、定期的な知識のアップデートが求められるからです。

例えば、2019年の法改正により講習内容が変更されたため、改正前に受講した人は補講が必要になりました。

今後も変更の可能性があるので、業界団体からの情報や関連法規の改正に注意を払い、最新の安全対策や技術を学び続けることが大切です。


まとめ:チェーンソーによる材木特別教育【安全な伐木作業のために受講しよう】

チェーンソーによる伐木等特別教育は、安全な作業のために不可欠な資格です。自分の状況や学習スタイルに合った受講方法を選び、真剣に学習することで作業の安全性を高められます。

ぜひ本記事を参考に、チェーンソーによる伐木等特別教育を受講してみてくださいね。

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氏永 勝之
監修者 smileグループCEO
株式会社ガーデンメーカー 代表取締役
愛知農園植木苗木株式会社 専務取締役
一般社団法人ガーデンビジネス協会 代表理事
氏永 勝之

愛知県稲沢市生まれ。稲沢市が「日本四大植木産地」であることもあり、幼少期か ら植木に囲まれて成長。
東京農業大学卒業後、名古屋市内の造園会社に就職。 公園の設備工事から国交省事業の国道整備工事における土木及び街路樹等の植 栽工事に現場代理人として携わる。

執筆者 ダーチー

工場に勤務しながらWebライターをしているダーチーと申します。これまで、建設業や製造業、物流業、飲食店のアルバイトまで経験しました。