皆さんは、庭師がどんな仕事をするのか詳しく知っているでしょうか?

庭師は庭に関する仕事を行いますが、やりがいや魅力がある一方で仕事がつらいと言われているのも事実です。

ただし、そのつらい点があることを踏まえたうえでも、庭師の仕事は非常にやりがいが感じられるさまざまな魅力があると言えます。

庭師として活躍するためにも、さまざまな資格の取得を検討する必要性もあります。

それでは、庭師の仕事は本当につらいのか、仕事内容や魅力、庭師として活躍するのに必要な資格についてご説明しましょう。



目次

庭師の仕事内容

庭師の仕事内容は非常に多岐に渡りますが、基本的には庭の設計や施工、そして手入れを行うことが主な業務です。

まず、庭師はお客様の希望を聞いて庭のテーマやイメージに合わせたデザインを考えます。

このデザインは植物の配置だけでなく、石や木、その他の庭を構成する要素をどのように配置するかも含まれます。

庭師は自然の景観と調和しながら美しさと機能性を兼ね備えた空間を、いかにして作り上げられるかどうかが求められるのがポイントです。

施工においては庭の土壌改良や、必要に応じた排水設備の設置、樹木や草花の植栽を行います。

これには植物の種類や生育環境に関する深い知識が必要であり、それぞれの植物が最適に成長するためにどのような場所に配置すべきかを考慮しなければなりません。

また、季節ごとに必要な作業が異なるため、庭師は常にその時期に最適な作業を計画的に進める必要があるでしょう。

さらに、庭師の仕事には庭の維持管理も含まれます。

定期的な手入れとして草木の剪定や草取り、病害虫の駆除、肥料の施肥などが挙げられます。

これらの作業は庭の美しさを保つだけでなく、植物が健康に育つために欠かせないものです。

特に樹木の剪定には高度な技術が求められるため、適切なタイミングと方法で行わなければ植物に負担をかけることになるでしょう。

また、庭師はお客様とのコミュニケーションを大切にし、ときには庭の使い方や改善点についてアドバイスを提供することもあります。

たとえば庭の雰囲気を変えるために新たに植物を加えたり、庭の一部をリフォームしたりする提案をしたりすることもあります。

このような仕事は植栽に関する知識はもちろん、庭の美学やデザインに対するセンスも重要な役割です。

庭師はその仕事において物理的な作業だけでなく、自然との調和を考えたデザインやお客様との関係づくりにも精通している必要があります。

そのため、庭師には高度な専門知識とともに創造力やコミュニケーション能力が求められるでしょう。

庭師の仕事がつらいと言われる理由

庭師の仕事がつらいと言われる理由は、以下の通りです。

  • 真夏や真冬の外作業がつらい
  • 雨でも作業がある場合がある
  • 体力に自信がないとつらい時がある
  • 虫刺されやかぶれなどに注意

それでは、庭師の仕事がつらいと言われる理由についてご説明しましょう。

真夏や真冬の外作業がつらい

庭師の仕事がつらいと言われる大きな理由の一つが、真夏や真冬の外作業です。

特に夏の暑い時期は長時間屋外で作業を続けることが求められるため、過酷さが増します。

気温が高い中での作業は体力を消耗するので、熱中症などのリスクも高まります。

炎天下での剪定作業や草刈りは身体に大きな負担をかけるため、しっかりと水分補給をしながら作業を進めなければなりません。

一方、冬の寒い時期も同様に大変です。

低温の中で手足が冷たくなり、手がかじかんで思うように作業が進まないこともあります。

また、手袋をしていても指先が冷えてしまうことがあり、繊細な作業を行うのが難しくなることも多いでしょう。

このような厳しい環境下で作業を続けることは肉体的な負担が大きいため、体力に自信がないとつらく感じることがあるのです。

雨でも作業がある場合がある

庭師の仕事は天候に関係なく行うべき作業があるため、雨の日でも作業をしなければならないことがあります。

庭の手入れは外部環境と密接に関わる仕事であり、雨が降っているからといって休むわけにはいかないことも少なくありません。

特に草刈りや剪定、さらには土壌の整備など、天候が悪くても作業を進める必要があることが多いです。

雨の日の作業は地面がぬかるんで滑りやすく、転倒の危険性が増すので特に注意が必要です。

土が湿っていると重くなり、普段以上に力が必要となるため、肉体的な疲労感も増加します。

また、雨で濡れた植物や草を扱うのは通常よりも手間がかかって作業がスムーズに進まないこともあるので、精神的にもストレスが溜まることがあります。

体力に自信がないとつらい時がある

庭師の仕事は身体を使う仕事が多く、体力が必要不可欠です。

重い道具を持ち運んだり大きな樹木を剪定したりすることは、体力に自信がないと非常に辛く感じることがあります。

庭作業は長時間にわたることも多く、同じ姿勢で作業を続けることが多いため、腰や肩、手首に負担がかかりやすいです。

特に体力があまりない人の場合だと作業を終える頃には全身が疲れ切ってしまい、仕事の後に身体が動かないということもあります。

庭師として働く上で日々の体力づくりや健康管理が非常に大切ですが、それでも体力に自信がないと作業をこなすのがつらいと感じることがあるでしょう。

虫刺されやかぶれなどに注意

庭師の仕事は草木に囲まれた環境で行うため、虫刺されやかぶれに対する注意が必要です。

特に夏場には蚊やアブ、さらにはハチなどに刺されるリスクがあるので注意が必要です。

これらの虫に刺されると痛みや腫れが生じることがあり、仕事に支障をきたすこともあります。

加えて植物の中には毒性を持つものもあるため、手や皮膚がかぶれることもあるでしょう。

たとえばウルシやイラクサなどの植物に触れると、かぶれやかゆみが生じることがあります。

そのため、庭師は適切な防護服や手袋を着用して注意深く作業を行わなければなりません。

しかし、それでも完全に防ぐことは難しいので予期せぬ虫刺されやかぶれに悩まされることがあるため、常に意識して作業に臨むことが求められます。

庭師として働く魅力は?

庭師として働く魅力は、以下の通りです。

  • 自然との触れ合い
  • 自分で作り上げたものが残る
  • 学歴、経験問わずキャリアスタートできる

それでは、庭師として働く魅力についてご説明しましょう。

自然との触れ合い

庭師として働く魅力の一つは、日々自然と触れ合うことができる点です。

庭作業をしていると四季の移り変わりを直接感じることができるので、自然の美しさに触れながら仕事を進めることができます。

たとえば春には新芽が芽吹き、夏には花が咲き、秋には実がなり、冬には雪景色が広がります。

このような自然の変化を肌で感じ、庭の手入れを行いながらその美しさを守っていくことが庭師の仕事における大きな魅力です。

特に自然環境の中で働くことに喜びを感じる人にとって、庭師の仕事は非常にやりがいがあるでしょう。

都会の喧騒から離れ自て然に囲まれた環境で作業することで、心身ともにリフレッシュできることも多いです。

自分で作り上げたものが残る

庭師の仕事は目に見える形で自分の努力や工夫が残ることが魅力的です。

最初は何もなかった場所でも、庭作りや手入れを通じて美しい庭園に変わる様子を見ることができます。

植物の成長を見守り、庭のデザインが形になっていく過程は非常に大きな満足感を得られるでしょう。

また、長い時間が経過した後でも、その庭が残って次の世代の人々にも喜ばれることがあります。

庭師として自分の手で作り上げたものが永続的に存在し続けることは大きな誇りです。

実際に庭を作ったお客様がその庭を楽しんでいる姿を見たり、季節ごとに変わる景色を一緒に感じたりすることができるのも庭師のやりがいの一つです。

学歴、経験問わずキャリアスタートできる

庭師の仕事は特別な学歴や高度な経験を必要とせず、比較的早い段階でキャリアをスタートできるという魅力があります。

庭師としての道を歩むために必要なのは、実際の作業に対する興味や情熱です。

専門的な知識や技術は現場で学びながら身に付けることができますし、多くの庭師が実務を通じてスキルを高めていくため、学校や大学で学んだ経験がなくても十分に活躍することができます。

また、経験を積むことで自分の技術が向上すれば、より大きな仕事を任されるようになるため、キャリアアップのチャンスも広がります。

庭師としての仕事は年齢やバックグラウンドに関係なく、努力次第で成功を収めることができる職業です。

庭師として活躍するのに必要な資格

庭師として活躍するのに必要な資格は、以下の通りです。

  • 造園技能士
  • グリーンアドバイザー
  • チェーンソー・刈払機講習修了
  • 造園施工管理技士

それでは、庭師として活躍するのに必要な資格についてご説明しましょう。

造園技能士

庭師として働く上で造園技能士の資格を持っていれば、技術力や専門知識があることを証明するものです。

この資格は庭園や公園、街路樹などの造園に関する専門的な技術を持つことを認められるもので、造園業界では非常に重宝されます。

造園技能士は植物の選定や配置、土壌改良や植栽の方法、剪定など、さまざまな庭作りに必要な高度な知識と技術を持っていることを証明します。

資格を持つことで庭師としての信頼性が高まり、より大きなプロジェクトや重要な仕事を任されることも多くなるでしょう。

また、造園技能士の資格は仕事を進める上で非常に大きなアドバンテージとなり、お客様にも安心感を与えることができます。

造園の分野では優れた技術と経験が求められるため、資格を持っていることは一つの強みです。

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グリーンアドバイザー

グリーンアドバイザーは植物の育成や管理に関する専門的な知識を持ち、庭作りや園芸に関するアドバイスを行う資格です。

この資格を持つことで植物の育成に関するさまざまな問題を解決したり、より効果的なガーデニングや造園のアドバイスができるようになったります。

グリーンアドバイザーは環境に優しい庭作りや持続可能なガーデニング方法を提案することができるので、エコロジーや自然との調和を重視するお客様に対して非常に有益です。

また、この資格を持つ庭師は植物に関する深い知識を持っていると認識されるため、お客様からの信頼が高まります。

ガーデニングや造園の仕事において、単に美しい庭を作るだけでなく植物の生態や育成方法、管理方法に関する専門的なアドバイスを行うことが求められるので、グリーンアドバイザーの資格は大いに役立ちます。

この資格を持っていることで、より幅広い仕事を任されるので、キャリアの向上にも繋がることが多いでしょう。

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チェーンソー・刈払機講習修了

チェーンソーや刈払機を使いこなす技術は、庭師としての仕事において非常に重要な要素です。

これらの機械を使いこなすためには、安全に扱うための技術と知識が必要です。

チェーンソーや刈払機講習を修了することで、これらの機械を安全かつ効率的に使用できるようになるため、作業のスピードや精度が大幅に向上します。

また、講習を受けることで安全管理や危険回避の方法についても学ぶことができるので、事故やケガを防ぐための知識が身に付きます。

特に大きな木を伐採したり広い庭で草刈りを行ったりする際はチェーンソーや刈払機を使うのが一般的なので、これらの道具を正しく扱えることは庭師としての仕事の幅を広げてくれるのがポイントです。

講習を修了していることで現場での信頼も得やすく、より多くの現場で活躍することができるようになります。

造園施工管理技士

造園施工管理技士は造園工事を計画的に進めて、品質を確保しながら作業を管理するための資格です。

この資格を持つことで施工現場でのリーダーシップを発揮することができるため、プロジェクトの進行管理やスタッフの指導を行うことが求められます。

造園施工管理技士は設計図を基に施工計画を立てて、工事が円滑に進むように調整を行います。

また、材料の選定や施工時の品質管理、作業のスケジュール調整や予算の管理など、工事全体を包括的に管理する能力が求められます。

造園の大規模なプロジェクトでは施工管理技士の資格があると、現場での責任者として重要な役割を果たすことができるので、非常に重要な資格です。

この資格を持っていることで造園業界でのキャリアアップにも繋がり、より大きな現場を任されることが増えていくでしょう。

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まとめ

庭師の仕事内容を見ると確かにつらいと感じる部分があるかもしれませんが、それを補って余りあるほどの魅力ややりがいがある仕事だと言えます。

さまざまな必要な資格を取得することでさらなる活躍が期待できるため、庭師として活躍したいなら是非とも資格の取得を検討してみてはいかがでしょうか。



氏永 勝之
監修者 smileグループCEO
株式会社ガーデンメーカー 代表取締役
愛知農園植木苗木株式会社 専務取締役
一般社団法人ガーデンビジネス協会 代表理事
氏永 勝之

愛知県稲沢市生まれ。稲沢市が「日本四大植木産地」であることもあり、幼少期か ら植木に囲まれて成長。
東京農業大学卒業後、名古屋市内の造園会社に就職。 公園の設備工事から国交省事業の国道整備工事における土木及び街路樹等の植 栽工事に現場代理人として携わる。

執筆者 中里 涼子

ライター歴8年以上の中里 涼子です。 リフォーム・リノベーション、住宅、不動産投資などのジャンルで記事を執筆しています。 わかりやすく実用的な記事作成を得意としています。現場の声やリアルなユーザー体験を丁寧に掬い取ることを大切にしています。