植木とは?庭木との違いや育て方【基礎知識を解説】

 

「植木ってなんだろう?」
「植木と庭木の違いは?」
「育て方はどうすればいいの?」

 

こんな疑問をお持ちではないでしょうか。

 

植木は私たちの生活に彩りと潤いを与える大切な存在です。

 

庭や鉢に植えられる木々は、環境を美しく整え、心を癒す効果があります。

 

本記事では、植木と庭木の違い、種類、育て方について詳しく解説します。植木の魅力と基礎知識を学び、緑豊かな空間づくりに役立てましょう。




目次

植木とは?庭木との違い

植木とは、庭や鉢に植えられている木のことを指します。

一方、庭木もほぼ同様の意味で使われます。

木の種類によって植木か庭木かを厳密に区別するのは難しいです。

一般的には、使用目的や場所によって分類されます。

特徴植木庭木
定義公共の場所や庭、鉢に植えられる木特に家庭の庭に植えることを目的とした木
用途景観美化や公共スペースの緑化観賞やプライバシー保護、癒しの空間作り
管理公共機関が管理することが一般的所有者が責任を持って管理
育て方自然に近い形で育てられることが多い庭に合わせて手入れされ、形が整えられる

 

植木と庭木の特徴をもう少し具体的に見ていきましょう。

 

植木の特徴

植木は多様な環境で育成可能な樹木です。

主に観賞用として利用されます。

鉢植えやプランターでの栽培が可能なため、ベランダや室内でも楽しめます。

室内観葉植物も植木の一種として扱われるため、インテリアとしての役割も果たします。

公園や街路樹として都市環境の緑化造りにも利用されます。

植木は環境に応じて選択され、適切な管理によって美しい景観を作り出します。

 

庭木の特徴

庭木は、庭での育成に適した大きさと形状を持つ樹木です。

種の時期から庭での育成を目的として育てられるため、庭の景観に調和しやすい特徴を持っています。

例えば、目隠しやシンボルツリーとなる高木や、生垣として使用される低木などが選ばれます。

庭木は長年にわたって育成されることで、その場所に根付き独自の個性を持つようになります。

時間とともに風格を増し、庭の主役として存在感を放つようになります。

 

植木の種類

植木には様々な種類があり、それぞれ特徴的な性質を持っています。

ここで代表的な植木をご紹介しますので、参考にしてみてください。

常緑

常緑樹は冬でも葉を落とさない樹木のこと。年間を通じて緑を保ちます。

常緑樹は庭や公園の背景として重要な役割を果たし、四季を通じて安定した景観を作り出します。

【代表的な常緑樹】

  • カイヅカイブキ
  • モッコク
  • シマトネリコ
  • キンモクセイ

落葉樹

落葉樹は冬に葉を落とす樹木です。

春の新緑、夏の緑陰、秋の紅葉など、季節ごとに異なる表情を見せます。

落葉樹は四季の変化を楽しむことができ、庭に季節感をもたらします。

【代表的な落葉樹】

  • ハナミズキ
  • ヤマボウシ
  • イロハモミジ
  • サルスベリ

針葉樹(コニファー)

針葉樹は細長い針状の葉を持つ樹木のこと。

独特の樹形と葉の美しさが特徴で、庭園や公園のアクセントとして利用されます。

四季を通じて安定した姿を保ち、特に冬季に庭の緑を維持する上で重要な役割を果たします。

また、多くの針葉樹は剪定に強く形を整えやすいため、生垣や庭木として人気があります。

【代表的な針葉樹】

  • ゴールドクレスト

カラーリーフ

カラーリーフは、葉に白や赤、ピンクなどの色がついた植物です。

通常の緑色の葉とは異なる色彩を持つのが特徴。庭や室内に彩りを添えます。

カラーリーフは、その独特の葉色によって、庭のアクセントや色彩のバランスを整えるのに適しています。

他の植物と組み合わせることで、より魅力的な庭づくりが可能になります。

【代表的なカラーリーフ】

  • レッドロビン
  • ヒューケラ
  • ヘデラ
  • アジュガ

グランドカバー

グランドカバーは地面を覆うように広がる低木や草本植物を指します。

芝生以外の地被植物として利用され、雑草の抑制や土壌の保護、景観の向上に役立ちます。

庭の空きスペースを埋めたり、斜面の緑化に活用されたりします。

維持管理が比較的容易で、広い面積を効率的に緑化できる利点があります。

【代表的なグランドカバー】

  • リュウノヒゲ
  • ヤブラン
  • ワイルドストロベリー

宿根草

宿根草は、冬に地上部が枯れても株が生き残り、翌年また芽を出す多年草です。

毎年楽しめる利点があります。

宿根草は長期的な庭づくりに適しており、年々株が大きくなって見栄えが良くなります。

【代表的な宿根草】

  • シャクヤク
  • ゲラニウム
  • クリスマスローズ
  • ベロニカ

一年草

一年草は一年で一生を終える植物です。季節ごとに植え替えることで、庭の表情を変えられます。

一年草は短期間で花を咲かせ、季節感を演出するのに適しています。

宿根草と組み合わせることで、バランスの取れた魅力的な庭を作れます。

  • ヒマワリ
  • パンジー
  • マリーゴールド
  • サルビア

 

植木の育て方

植木は適切な育て方を知ることで、健康で美しい植物を長く楽しむことができます。

ここで一般的な育て方をご紹介しますので、参考にしてみてください。

植え方

植え付けの際は、植物の大きさに合った鉢を選ぶことが重要。

鉢底の排水穴を確認し、必要に応じて鉢底石を敷いたら、根を傷つけないように注意しながら植え付けます。

植え付け後は、土を軽く押さえて空気を抜き、たっぷりと水やりをします。

光の管理

基本的に、多くの植木は明るい場所を好みます。

室内の場合、カーテン越しの柔らかな光や北向きの窓際など、明るい室内光が適しています。

オフィスなどの環境下では、蛍光灯を利用した育成が一般的。自然光に比べて光量が少ないため、植物の配置や光の当たる時間に注意が必要です。

植物の状態を観察しながら、適切な光環境を作ることが重要です。

水やり

水やりは、季節や環境により水の吸収量が変化するため、柔軟な対応が求められます。

一般的な目安として、夏季は毎日または1日おき、冬季は1週間〜10日に1回程度の水やりが適切です。

ただし、室温や湿度、植物の種類によっても異なるため、土の表面の乾き具合を確認しながら調整します。

水やり不足は枯れの原因となりますが、過剰な水やりも根腐れを引き起こす可能性があるため注意が必要です。

朝か夕方の涼しい時間帯に水やりをすることで、水の蒸発を抑え、効果的に植物に水分を与えられます。

植え替え

観葉植物の健康的な成長のためには、定期的な植え替えが重要です。

購入後、2サイズほど大きい鉢へ植え替えれば、根の成長スペースを確保でき、植物の成長を促進できます。

植え替えの頻度は、植物の成長速度や大きさによって異なりますが、一般的に1〜2年に1回程度が目安です。

根が鉢いっぱいに広がっている、または土が固くなっているなどの状態が見られたら、植え替えのタイミングと考えられます。

肥料

頻繁な施肥は不要。

過剰な肥料は植物の健康を損なう可能性があるからです。

一般的に、成長期(5〜7月)に月1回程度の施肥で十分とされています。

肥料の選択は重要で、観葉植物用の緩効性肥料を使用することをおすすめします。

害虫対策を兼ねた肥料選びも効果的。オーガニック系の肥料や、害虫忌避効果がある肥料であれば、健康維持と害虫対策を同時に行えます。

施肥の際は、説明書に記載された量を守り、植物の状態を観察しながら調整しましょう。

葉の色が薄くなったり、成長が遅くなったりした場合は、肥料不足の可能性があるため、施肥の頻度や量を見直すことも大切です。

植木屋になる方法

「植木屋になるにはどうすればいいの?」

植木屋になる主な方法は下記のとおり。

  1. 植樹会社に就職
  2. 造園会社に就職
  3. 企業や役所の庭園管理部門に就職
  4. 個人で独立

会社に就職するか独立するかは、それぞれメリットとデメリットがあるので慎重に検討する必要があります。

造園屋や植木屋がどれくらい稼げるのかや、就職、独立のメリット・デメリットについては下記の記事で解説していますので、ご覧ください。

まとめ:植木とは何かを知ったらチャレンジしてみよう!

植木と庭木の違いを理解し、適切な種類選択と育成方法を実践することで、美しい庭や室内空間を創出できます。

この記事で得た知識を活かして、ぜひ植木の育成にチャレンジしてみてください。

そして、さらに深く植木に興味を持った方は、植木屋に就職することも考えてみてくださいね。

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氏永 勝之
監修者 smileグループCEO
株式会社ガーデンメーカー 代表取締役
愛知農園植木苗木株式会社 専務取締役
一般社団法人ガーデンビジネス協会 代表理事
氏永 勝之

愛知県稲沢市生まれ。稲沢市が「日本四大植木産地」であることもあり、幼少期か ら植木に囲まれて成長。
東京農業大学卒業後、名古屋市内の造園会社に就職。 公園の設備工事から国交省事業の国道整備工事における土木及び街路樹等の植 栽工事に現場代理人として携わる。

執筆者 ダーチー

工場に勤務しながらWebライターをしているダーチーと申します。これまで、建設業や製造業、物流業、飲食店のアルバイトまで経験しました。