「高所作業車の資格はどんなものがあるの?」

「資格の概要や取り方を教えて欲しい」

「そもそも高所作業車ってなんだろう?」

 

こんな疑問に答える記事です。

 

高所作業車の資格を取得すると、建設業や造園業をはじめとする多くの業界で活躍できます。

 

この記事では、高所作業車運転特別教育と高所作業車運転技能講習の概要、受講方法、注意点などを詳しく解説します。

記事後半では、主な実施機関も紹介しているので、ぜひ最後までご覧ください。




目次





高所作業車とは?定義と種類

高所作業車は、高所での作業を安全かつ効率的に行うための特殊車両または建設機械です。

作業床平衡装置やジャッキ自動水平装置が搭載され、作業床が常に水平に保たれるよう設計されています。

高所作業車の種類

高所作業車の定義は、以下の条件を満たす特殊車両または機械を指します。

  • 2m以上の高さまで上昇できる作業床を装備
  • 人を乗せた状態で上昇や走行が可能
  • 人力以外の動力で作業床を昇降
  • 場所を制限せずに自走可能

 

高所作業の種類は下記のとおりです。

伸縮ブーム型ブームが伸縮する機能を持ち、高所への到達性に優れる。狭い場所でも作業可能。
垂直昇降型作業床がまっすぐ上下に動くシンプルな構造。
ホイール型タイヤで移動するタイプで、機動性が高い。
トラック型通常のトラックに高所作業装置を搭載。公道走行が可能。

高所作業車は、それぞれの特徴を活かし、建設現場での高所作業や街路樹の選定、建物のメンテナンス、倉庫内の棚作業など様々な用途や場所で使われています。

高所作業車の特徴を理解し、適切な機種を選ぶことが安全で効率的な作業につながります。

 

高所作業車を扱う資格は2種類

高所作業車を扱う資格は下記の2種類があります。

作業床の高さが10m未満高所作業車運転特別教育
作業床の高さが10m以上高所作業車運転技能講習

この教育と講習は、労働安全衛生法に基づいて実施され、受講者の安全意識と操作技能の向上を目的としています。

高所作業車の種類によって必要な資格が変わることはありませんが、高さによって教育と講習が変わります。

ただし、公道走行時は車両重量に応じた自動車運転免許が別途必要なので注意してください。

高所作業車運転特別教育の概要

まずは、作業床の高さが10m未満の作業で必要となる「高所作業車運転特別教育」の概要をお伝えします。

 

受講資格

高所作業車運転特別教育に受講資格はありません。

18歳以上であればだれでも受講可能です。

 

講習内容

学科講習は計9時間で、内容は下記のとおりです。

学科講習高所作業車の作業に関する装置の構造及び取扱いの方法に関する知識3時間
原動機に関する知識1時間
高所作業車の運転に必要な一般的事項に関する知識1時間
関係法令1時間
実技講習高所作業車の操作3時間


実技試験はないので難易度は低く、真面目に受講していれば問題なく資格取得が可能です。

 

講習料金

講習料金は、実施機関によってことなりますが、だいたい13,000円ほどかかります。学科だけの場合は10,000円程度、実技のみは3,000円程度です。

 

高所作業車運転技能講習の概要

高所作業車運転技能講習は、作業床の高さが10メートル以上の高所作業車を操作するために必要な資格です。


教育と同じく学科と実技の両方で構成されていますが、講習を受けた後、それぞれの試験に合格する必要があります。

それでは、資格の概要を詳しく見ていきましょう。

受講資格

受講資格は特にありません。

18歳以上であればだれでも受講可能です。

 

講習内容

基本は17時間コースで、内容は下記のとおりです。

学科講習・高所作業車の作業に関わる装置の構造と取扱い方法の知識
・原動機の知識
・高所作業車の運転で欠かせない一般的事項に関わる知識
・関係法令
・学科試験
11時間
実技講習高所作業車の作業に必要な装置の操作
実技試験
6時間

学科講習と実技講習の最後に試験があります。17時間コースの場合、上記講習内容を3日間に分けて受講します。

講習の一部が免除される資格

保有資格により時間の短縮が可能です。

下記の資格を保有している場合、14時間コースです。学科8時間、実技6時間に短縮され2日間で行われます。

  • 建設機械施工管理技士合格者
  • 普通・準中型・中型・大型・大型特殊免許所有者
  • 車両系建設機械(整地等)(解体用)(基礎工事用)運転技能講習修了者
  • 不整地運搬車運転技能講習修了者
  • フォークリフト運転技能講習修了者
  • ショベルローダ等運転技能講習修了者


下記の資格を保有している場合、12時間コースです。学科6時間、実技6時間に短縮され2日間で行われます。

  • 移動式クレーン運転士免許所有者
  • 小型移動式クレーン運転技能講習修了者


講習料金

実施機関によって異なりますが、下記が料金相場です。

  • 17時間:4~5万円
  • 14時間:3万5,000~4万5,000円
  • 12時間:3万5,000~4万円

自分はどれくらいの費用が掛かるか、事前に把握しておきましょう。

高所作業車の資格の受講方法と実施機関

「高所作業の教育や講習はどこで受講できるの?」

ここからは、高所作業車の教育と講習の受講方法、実施機関をお伝えします。

教育、講習の受講方法

受講方法は下記のとおりです。

  • 一部の教習所、建設業労働災害防止協会で受講
  • 各事業所で受講
  • オンラインで受講(学科のみ)

一部の教習所や建設業労働災害防止協会で受講する方法は、専門的な環境で学べる点が魅力です。

ただし、移動の必要があることや開催日程が限られる場合があるため、スケジュール調整が必要になるというデメリットがあります。

事業所で受講する場合は、業務スケジュールに合わせて受講できる点や交通費がかからないのがメリットです。

また、学科のみオンラインでの受講が可能。時間と場所の制約が少なく、自宅や職場から受講できるため移動の必要がありません。自分のペースで学習内容を復習できる点も利点です。

しかし、実技講習は別途対面で受ける必要があり、また、インターネット環境や適切なデバイスが必要となります。

実施機関

主な実施期間は下記のとおりです。

【コマツ教習所】

建設機械や産業車両の運転技能講習や特別教育を提供する教習機関です。
建設機械、フォークリフト、クレーンなどの教習を行う、労働局長登録の正式な教習機関として認められています。

日本全国に教習センターを持ち、各地域で講習を受けられます。

コマツ教習所

【建設業労働災害防止協会】

建設業労働災害防止協会(建災防)は、建設業における労働災害防止を目的として設立された団体です。本部を東京に置き、47都道府県すべてに支部を設置しています

建設業労働災害防止協会

【全国登録教習機関協会】

一般社団法人全国登録教習機関協会(全登協)は、労働安全衛生法に基づく技能講習や特別教育を実施する登録教習機関の全国組織です。会員となっている登録教習機関は全国に存在しています。

全国登録教習機関協会

高所作業車の資格を取得する際の注意点

高所作業車の資格を取得する際の注意点は下記のとおりです。

  • 真面目に受講しよう
  • 手続きや必要書類に注意
  • 修了証は大切に保管しよう

1つずつ解説します。

難易度は高くないが真面目に受講しよう

高所作業車運転特別教育、高所作業車運転技能講習、共に難易度は低く、99%合格できると言われています。


しかし、居眠りなどをしていると落とされる可能性もあります。

当たり前ですが、真面目に講習を受講するようにしてください。体調管理にも気をつけましょう。

また、知識が中途半端だと試験中や実際の作業中に事故を起こしかねないので、しっかりと内容を理解するようにしましょう。

手続き方法や必要書類を確認しよう

高所作業車の資格を取得する際には、手続き方法や必要書類を事前に確認することが非常に重要です。実施機関によって手続き方法、必要書類、受講料が異なるため、受講前にしっかりと確認しておく必要があります。

まず、申込方法については、オンライン、電話などの選択肢があるため、実施機関を確認しておいてください。また、必要書類としては本人確認書類や写真などが求められることが一般的ですので、事前に準備しておくことが大切です。


さらに、受講料の金額や支払い方法も機関によって異なるため、具体的な金額を確認し、支払い方法を把握しておくことが必要です。

受講日程と場所についても忘れずに確認し、カレンダーに記入するなどして受講日を忘れないようにしましょう。

修了証は大切に保管しよう

修了証は高所作業車の資格証明として非常に重要なものであるため、紛失や損傷には十分注意しましょう。

著しい損傷が生じた場合や紛失した場合には、再交付手続きを行わなければなりません。再交付には時間とコストがかかるため、修了証をしっかりと管理し、必要なときにすぐに取り出せる状態を保つことが重要です。

修了証は資格の証明だけでなく、今後のキャリアにも影響を与える可能性があるため、重要性を理解し適切に保管しておいてください。

まとめ:高所作業車の資格を取得してキャリアアップにつなげよう

高所作業車の資格を持つことで、さまざまな職場での選択肢が広がり専門的なスキルを身につけられます。

特に、建設業や造園業など、高所作業が日常的に行われる業界では、資格保持者は現場で重宝されます。


高所作業の資格は、18歳以上なら誰でも挑戦できるのが魅力です。ぜひ本記事を参考に、高所作業車の資格取得を目指してみてください。


さらに、キャリアアップを目指す方には「GARDEN-JOB」の登録をお勧めします。GARDEN-JOBは土木・造園・外構に特化した求人サイトで、関西、東海、関東エリアのお仕事情報を豊富に掲載しています。

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氏永 勝之
監修者 smileグループCEO
株式会社ガーデンメーカー 代表取締役
愛知農園植木苗木株式会社 専務取締役
一般社団法人ガーデンビジネス協会 代表理事
氏永 勝之

愛知県稲沢市生まれ。稲沢市が「日本四大植木産地」であることもあり、幼少期か ら植木に囲まれて成長。
東京農業大学卒業後、名古屋市内の造園会社に就職。 公園の設備工事から国交省事業の国道整備工事における土木及び街路樹等の植 栽工事に現場代理人として携わる。

執筆者 ダーチー

工場に勤務しながらWebライターをしているダーチーと申します。これまで、建設業や製造業、物流業、飲食店のアルバイトまで経験しました。