「土木技術者になりたいけど難しそう。自分にできるのかな?」
「具体的な仕事内容や年収も知りたいな」
こんな疑問に答える記事です。
土木技術者は道路や橋、ダムなど私たちの生活を支えるインフラの設計から施工まで行う専門家です。
本記事では、土木技術者の仕事内容や魅力、必要なスキルや資格まで解説していきます。
これから土木技術者を目指す方にとって、有益な情報が満載ですので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
土木技術者の仕事内容

土木技術者は、社会インフラの設計・施工・管理を担う専門家です。技術力と創造性を駆使し、安全で機能的な構造物の建設に携わり、国土開発や都市計画において重要な役割を果たしています。
土木技術者の仕事は多岐にわたり、道路、橋梁、ダムなどの設計から、工事現場の施工管理、現場監督まで幅広い業務を行います。
また、地盤調査と解析、環境アセスメントと保全計画、災害対策と防災計画の立案なども重要な業務です。
詳しく仕事内容を見ていきましょう。
道路、橋梁、ダムなどの設計
土木技術者は、社会インフラの基礎となる構造物の設計を行います。道路設計では、交通量予測や地形条件を考慮し、安全で効率的な道路ネットワークを計画します。橋梁設計では、構造力学の知識を活かし、耐久性と美観を兼ね備えた橋を設計します。
ダム設計では、水理学や地質学の知識を駆使し、治水や利水の目的に適した構造を提案。各設計段階で、環境への影響や経済性も考慮に入れた総合的な判断を行います。
工事現場の施工管理、現場監督
設計図面を実際の構造物として具現化する過程で、土木技術者は重要な役割を果たします。
工事現場では主に下記を行います。
- 施工計画の立案
- 工程管理
- 品質管理
- 安全管理
具体的には、作業員の指揮や資材の調達、各種業者との調整や配置、スケジュール管理を行い、工事の円滑な進行を確保します。
また、予算管理や工期の遵守にも責任を持ち、発注者との連絡調整も重要な業務となります。
地盤調査と解析
土木工事の成功には、地盤の性質を正確に把握することが不可欠。土木技術者は、ボーリング調査や各種物理探査を実施し、地盤の特性を詳細に分析します。
得られたデータを基に、地盤の支持力や沈下量、液状化の可能性などを解析し、適切な基礎設計や地盤改良方法を提案します。
この過程では、地質学や土質力学の知識が必要となり、最新の解析ソフトウェアの使用も求められます。
環境アセスメントと保全計画
環境アセスメントとは、大きな開発事業を始める前に、その事業が周りの環境にどんな影響を与えるかを調べる仕組みです。
簡単に説明すると、以下のような流れで実施されます。
- 事業者が環境への影響を調査
- その結果を予測し、評価
- 調査結果を公開
- 地域の人々や行政機関から意見をもらう
- もらった意見を参考に、環境に優しい方法で事業を進められないかを検討
例えば、新しい道路を作る場合、周辺の空気や水、動植物にどんな影響があるかを調べます。
土木工事によって環境にどのような影響を与えるかを事前に評価し、適切な対策を講じることは、現代の土木技術者にとって重要な責務です。
また、自然環境の再生や生物多様性の保全など環境創造にも取り組みます。
災害対策と防災計画の立案
地震、津波、豪雨、土砂災害など、自然災害に対する備えは土木技術者の重要な役割です。
過去の災害データや最新の科学的知見を基にリスク評価を行い、効果的な防災・減災対策を立案します。
具体的には主に下記が挙げられます。
- 耐震設計、津波防護施設の計画
- 河川改修、砂防ダムの設置
また、ハザードマップの作成や避難計画の策定など、ソフト面での対策も重要な業務となります。
土木技術者の魅力と働き方

土木技術者は、高い専門性が必要です。現場経験と資格取得による知識が不可欠であり、職務の難易度は高めと言えます。
しかし、魅力も大きくやりがいのある仕事です。
深堀りしていきましょう。
土木技術者の魅力
土木技術者の最大の魅力は、道路、橋、水道といった社会的なインフラを整備し、人々の生活を改善できることです。
道路、橋、ダムなど、自らが携わった工事が形となり、長期にわたって社会に貢献し続けることは、大きな達成感が得られます。
また、大規模工事に携われる機械があるのも魅力の一つです。国家的な重要インフラの建設や都市開発など、社会に大きな影響を与える工事に携わることができます。
土木技術者の難易度や重要性
土木技術者の仕事は、その重要性ゆえに高い難易度と責任を伴います。
例えば、炎天下や厳寒の中での作業、危険を伴う高所作業など、身体的にも精神的にも厳しい環境下で仕事をすることがあります。
また、工事の安全性確保は最優先事項であり、作業員の安全はもちろん、周辺住民や環境への配慮も欠かせません。
長時間労働の改善と働き方改革も課題となっています。工事の納期や予算との兼ね合いで、時に長時間労働を強いられることがあります。
しかし近年では、建設業界全体でワークライフバランスの改善に向けた取り組みが進められています。
土木技術者に必要なスキルと知識

「土木技術者になるのにどんなスキルや知識がいるの?」
土木技術者に必要なスキルや知識は下記のとおり。
- 構造力学や水理学などの専門知識
- CADなどの設計ソフトウェアの操作能力
- マネジメント能力
- コミュニケーション能力と協調性
1つずつ解説します。
構造力学や水理学などの専門知識
土木技術者にとって、構造力学や水理学などの専門知識は不可欠です。構造力学では、力の釣り合いや応力・ひずみの関係、材料の強度特性などを学び、安全で効率的な構造物の設計に活かします。
水理学では、流体の挙動や水圧、流量計算などを理解し、河川工学やダム設計、上下水道計画などに応用します。
さらに、土質力学、地盤工学、コンクリート工学なども重要な専門分野となります。
土木技術者になるには、高い専門知識と技術を学ぶ必要があるでしょう。
CADなどの設計ソフトウェアの操作能力
現代の土木設計では、コンピュータ支援設計(CAD)ソフトウェアの使用が標準となっています。
2次元CADから3次元CAD、さらにはBIM(Building Information Modeling)/CIM(Construction Information Modeling)へと技術は進化しており、このツールを効果的に使いこなす能力が求められます。
また、構造解析ソフトウェアや地盤解析ソフトウェアなど、専門的なシミュレーションツールの操作スキルも重要です。
マネジメント能力
土木工事では多くの場合、大規模で長期にわたるため、効果的なマネジメントが不可欠です。
- スケジュール管理
- 予算管理
- リスク管理
- 品質管理
など、各側面を統合的に扱う能力が求められます。
たくさんの業者が関わるので、工事を進めていく過程で適切な判断を下し、目標達成に向けてチームを導く能力が必要になります。
コミュニケーション能力と協調性
土木工事は多くの関係者が関わります。
そのため、土木技術者には高いコミュニケーション能力と協調性が求められます。
技術的な内容を非専門家にも分かりやすく説明する能力や、異なる専門分野の技術者と効果的に協働する能力が重要です。
また、地域住民や行政機関とのコミュニケーションも必要となるため、プレゼンテーション能力や言語化能力などのスキルも役立ちます。
土木技術者になるためのステップ

それでは、土木技術者になるにはどのようなステップが必要なのでしょうか。
詳しく見ていきます。
基礎知識を習得する
土木技術者になるための第一歩は、土木工学の基礎知識を習得することです。
大学の土木工学科や関連学科で専門教育を受けると良いでしょう。具体的には、構造力学、水理学、地盤工学、測量学、材料学などの基礎知識を習得できます。
また、数学や物理学などの基礎科目も重要。在学中にインターンシップや現場実習に参加することで、実践的な知識やスキルを身につけることができます。
さらに、技術の進歩や法規制の変更に対応するため、卒業後も継続的な学習が必要となります。
実務経験を積む
土木技術者として成長するためには、実務経験を積むことが不可欠。専門学校や大学を卒業した後は、建設会社、コンサルティング会社、官公庁などに就職し、実際の現場に携わります。
現場での経験を通じて、設計図面の読み方、施工技術、安全管理、品質管理などの実践的なスキルを習得しましょう。
また、先輩技術者からノウハウを学び、技術者としての視点や判断力を養います。多様な現場に参加し幅広い経験を積んで、専門性を高めていきましょう。
資格を取得する
土木技術者にとって資格取得は、専門性を証明しキャリアアップや社会的信頼性を向上させるために不可欠です。
例えば、技術士(建設部門)、土木施工管理技士などが挙げられます。
資格を取得することで、より高度な業務に挑戦できるようになり、キャリアの幅が広がるので、関連資格は積極的にチャレンジしていきましょう。
また、継続的な学習や実務経験を通じて、段階的に上位の資格取得を目指すことができます。
土木技術者に求められる資格

土木技術者になるには、高い専門知識と技術が必要です。
では、具体的にどんな資格があるのか見ていきましょう。
土木学会認定土木技術者
土木学会認定土木技術者は、公益社団法人土木学会が認定している資格制度です。この資格は、土木技術に関して「名誉だけではなく、実務能力」「倫理観と専門能力」を認定するものです。
土木技術者の実力を客観的に評価する指標として、業界内で高く評価されています。
認定には、学歴や実務経験年数、業績などの要件があり、筆記試験と面接試験を通過する必要があります。
レベルは4段階で、特別上級土木技術者、上級土木技術者、1級土木技術者、2級土木技術者があります。
2級は誰でも受験可能ですが、上位資格に関しては、7年〜17年の実務経験が必要です。
技術士(建設部門)
技術士(建設部門)は、土木分野における最高峰の国家資格です。
高度な専門的知識と応用能力を有することを証明するものであり、国際的にも通用する資格として認められています。
取得には、第一次試験と第二次試験の両方に合格する必要があります。第一次試験は基礎的な知識を問うもので、第二次試験は実務経験に基づく高度な専門知識と応用能力を評価します。
技術士の資格を持つことで、大規模工事の責任者やコンサルタントとして活躍する機会が広がります。
技術士の詳しい詳細は下記の記事で解説しています。受験資格や難易度、年収まで分かるのでぜひご覧になってください。
土木施工管理技士
土木施工管理技士は、建設現場の管理に不可欠な国家資格です。
特に1級土木施工管理技士は、大規模工事の現場責任者として重要な役割を果たすことができます。
一方、2級土木施工管理技士は、1級への登竜門として位置づけられており、比較的早い段階で取得を目指すことができます。
土木施工管理技士の資格は、現場管理能力の証明となり、キャリアアップや待遇改善につながる重要な資格なので、積極的に取得しましょう。
なお、土木施工管理技士を取得する方法は下記の記事で詳しく解説しています。受験資格や難易度、勉強方法まで分かるのでぜひご覧ください。
土木技術者の年収と待遇

土木施工管理になると、どのくらい稼げるのかはとても気になると思います。
ここでは、年収やキャリアパスをお伝えしますのでご覧ください。
年収の目安
土木技術者の年収は、経験、資格、勤務先により大きく変動します。
厚生労働省のjobtagによると、土木技術者の平均年収は603.9万円とされています。
新卒入社の初任給は、大卒で月額20万円前後から始まることが多く、経験を積むにつれて段階的に上昇していきます。
中堅技術者になると年収500万円〜700万円程度、管理職クラスになると700万円〜1000万円以上の年収も珍しくありません。
ただし、この数字は一般的な目安であり、個人の能力や会社の規模、地域などによって大きく異なる場合があります。
(参考資料 厚生労働省jobtag)
キャリアパス
土木技術者のキャリアパスは、現場での実務経験を積んだ後、設計部門や技術開発部門へシフトするケースが多いようです。
また、管理職への昇進も一つの道筋です。さらに、豊富な経験と高度な専門知識を活かし、コンサルタントとして独立する道も開かれています。
近年では、環境分野や防災分野など、専門性を活かした新たな領域へのキャリアチェンジも増えています。
継続的な学習と資格取得により、より高度な業務や責任ある立場へのステップアップが可能です。
まとめ:土木技術者は社会インフラ整備の要!やりがいのある職業!

土木技術者には、専門知識と実務経験を組み合わせた総合的な能力が求められますが、継続的な学習と資格取得によりキャリアアップの機会が豊富にあります。
社会貢献度が高く、やりがいのある仕事ですが、同時に高い責任と技術力も要求されます。
常に新たな挑戦が求められる魅力的な職業といえるでしょう。
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