「土木の資格を取りたい」
「土木の資格はどんなものがあるんだろう?」
「キャリアアップにつながる資格を知りたいな」

 

こんなお悩みに答える記事です。

 

この記事では、土木工事の概要と資格の必要性について説明し、さらに土木に関する様々な資格について解説します。

 

土木工事の専門的な知識や技術を持つ重要性や資格取得のメリット、実務経験なしで取れる資格も分かりますので、ぜひ本記事を参考に資格取得にチャレンジしてみてください。




目次

土木工事と資格の重要性【実務経験なしでもいい?】

土木工事の主な目的は、社会インフラの整備、防災対策、環境保全、そして経済発展の促進です。

例えば、道路、橋梁、トンネル、ダム、空港、港湾などの公共インフラの建設、ダムや堤防などの水利施設を築造、水質保全のための施設を設けるなど、環境に配慮した設計や施工が土木工事に該当します。

ここでは、土木工事の作業内容や資格の必要性を深堀りしていきます。

土木工事の作業内容

下記に、土木工事の主な作業内容を簡単にまとめてみました。

【測量・調査】
工事開始前に現場の地形や地質を調査し、設計図面と照らし合わせて正確な位置を確認します。

【掘削・整地】
重機を使用して土地を掘り、整地します。建物の基礎部分や道路の下地を作るために重要な作業です。

【土留め・杭打ち】
掘削した土地が崩れないよう土留め工事を行います。また、建物の基礎となる杭を打ち込みます。

【コンクリート工事】
基礎や構造物の骨組みとなるコンクリートを打設します。型枠の設置や鉄筋の組み立ても含まれます。

【舗装工事】
道路や駐車場などの表面をアスファルトやコンクリートで舗装します。

【配管・排水工事】
上下水道やガス管などの配管工事、排水設備の設置を行います。

【造成工事】
宅地や工業用地などの開発のため、土地の形状を変える工事を行います。

【橋梁・トンネル工事】
橋やトンネルの建設に関わる専門的な工事を実施します。

【資材運搬】
工事に必要な資材や機材を現場内で運搬します。

【安全管理】
工事現場の安全確保のため、交通誘導や危険箇所の管理を行います。

現場の状況や工事の種類によって異なりますが、それぞれの作業の専門職が現場で活躍しています。

資格を必要としない簡単な作業もありますが、重機の操作や専門的な知識が必要な作業もあるため、経験や資格に応じて役割が分かれています。

土木工事の資格の必要性

前述した様々な作業内容を行うにあたり、資格の取得はとても重要になります。

土木工事の適切な実施と管理において、下記の3つが不可欠だからです。

  • 安全性の確保
  • 品質の保証
  • 法令遵守

土木工事は危険を伴う作業が多いため、専門知識と技能を持った有資格者が管理・監督することで、作業の安全性を高められます。

資格保有者が工事を管理することで、一定水準以上の品質を確保できるようになり、公共インフラの信頼性と耐久性につながります。

また、多くの土木工事では法律で有資格者の配置が義務付けられており、法令に則った適切な工事の実施が求められます。

資格を取得するためには実務経験が必要な場合がありますが、実務経験なしでも取得可能な資格も多数存在します。

土木の資格【管理・技術系】

現場の管理・監督・維持を行うための資格は下記のとおりです。

  • 土木施工管理技士
  • 測量士、測量士補
  • 技術士、技術士補
  • 建設機械施工技士
  • コンクリート技士
  • コンクリート診断士
  • 労働安全コンサルタント
  • RCCM(シビルコンサルティングマネージャ)

1つずつ解説します。

土木施工管理技士

土木施工管理技士は、土木工事現場の施工管理を行うための国家資格です。

2級は施工管理の基礎的な知識と技術を身につけるための資格なので、未経験からでも目指しやすいと言えます。上位資格である1級土木施工管理技士は、より責任のあるポジションに就くための資格です。

試験は筆記試験と実技試験があり、施工管理に関する知識や実務能力が問われます。

取得後は、給与アップや転職の際の優位性など、キャリアアップの面でも大きなメリットがあります。

受験資格は、学歴と実務経験年数によって異なります。詳しい受験資格や勉強方法は、下記の記事をご覧ください。

測量士、測量士補

測量士は、土地や建物の測量を行うための国家資格で、測量士補はその下位資格です。

測量士の主な仕事内容には、測量計画の作成、現場での測量の実施、測量データの解析と図面作成、測量結果の検証などがあります。

また、測量業務全体の管理や、測量士補の指導・監督も行います。

測量士補、測量士になるための受験資格はありません。未経験の方は、まず測量士補を目指すのが良いでしょう。

測量士の試験は、筆記試験と実技試験があり、専門知識と技術が問われます。

下記の記事では、測量士になる方法を詳しくお伝えしています。測量士の難易度や年収、受験方法まで分かるのでぜひご覧ください。

技術士、技術士補

技術士は、科学技術に関する高度な知識と応用能力を持つ技術者であることを証明する国家資格です。下位資格として、技術士の補佐役である技術士補があります。

技術士は、機械、電気電子、建設、環境など21の専門分野に分かれており、それぞれの分野で高度な専門性が求められます。

技術士になるには最低でも4年以上の実務経験が必要です。実務経験なしの方は、まず技術士補を取得してから、技術士になるのが王道ルートです。

試験は第一次試験と第二次試験に分かれています。第二次試験の合格率が例年11%前後なので、難易度が非常に高い資格ですが、合格すればキャリアアップや年収アップが期待できます。

技術士になる方法や受験資格、職業については下記の記事で詳しく解説しています。技術士を目指す方はこちらも合わせてご覧ください。

建設機械施工技士

建設機械施工技士は、建設機械を扱う工事の施工管理を行うための国家資格です。1級と2級に分かれており、1級はより高度な知識と技能が求められます。

主な仕事内容は、建設機械を用いた工事の計画立案、施工管理、安全管理、品質管理です。具体的には、重機やクレーンなどの建設機械の適切な選択と運用、工程管理、コスト管理、作業員の指導などを行います。

受験資格は、学歴と実務経験によって異なりますが、2級の場合は半年〜3年、1級の場合は、3年〜10年の実務経験が必要です。

1級建設機械施工管理技士は、大規模な工事現場での監理技術者や主任技術者として配置され、より責任のある立場で業務を行えます。

コンクリート技士

コンクリート技士は、コンクリートの製造、施工、配合設計、試験、検査、管理、設計などの日常的な技術業務を行う能力を持つ技術者です。

建設現場でのコンクリート工事の品質管理や施工方法の指導を主な業務とし、コンクリートの基本的な知識と実務能力が求められます。

受験資格は人によって異なりますが、2年〜3年の実務経験が必要です。

コンクリート技士の試験は筆記試験のみで実施され、実技や口頭試験は行われません。コンクリートの材料や施工方法、品質管理に関する知識が問われます。

コンクリート診断士

コンクリート診断士は、コンクリート構造物の劣化状況を診断し、適切な補修・補強方法を提案する専門家です。老朽化したインフラの維持管理や耐震診断において重要な役割を果たします。

高度な知識と経験が求められ、コンクリートの材料特性、劣化メカニズム、非破壊検査技術などに精通している必要があります。

コンクリート診断士は、コンクリート技士の上位資格として位置づけられており、より高度な専門知識と経験が求められます。そのため、受験するには、コンクリート技士資格を有し一定の実務経験が必要です。

合格率は、例年30%程度で推移。年による合格率の変動は少ないですが、より多くの学習と経験が必要になります。

下記の記事を読むと、コンクリート診断士、コンクリート技士になる方法が分かります。年収や就職先まで詳しく解説しているので、興味のある方はぜひ参考にしてみてください。

労働安全コンサルタント

労働安全コンサルタントは、労働安全や健康管理に関する専門知識を持つことを証明する資格です。機械、電気、化学、土木、建築の5つの専門分野に分かれています。

役割としては、労働災害の未然防止や再発防止対策の方法を具体的に事業者に助言し、職場の安全水準の向上に貢献することです。

具体的には、職場の安全状況の把握・診断、安全設備の設置や交換による安全状況の改善、労働安全に関する規則の策定などが挙げられます。

試験は筆記試験と口述試験からなり、労働安全に関する広範囲かつ専門的な知識が要求されます。

受験資格が学歴と実務経験年数によって異なることや、合格率は例年30%ほどなので、難易度の高い試験といえます。

RCCM(シビルコンサルティングマネージャ)

RCCMは、一般社団法人建設コンサルタンツ協会が認定する民間資格です。建設コンサルタント業務に関わる責任ある技術者として、業務の適正な執行の管理、技術上の事項の処理、および業務成果の照査の責任者となる資格です。


RCCMの主な役割は、建設事業の計画・調査・立案・助言、および建設工事の設計・管理。具体的には、プロジェクトの全体管理、技術的な問題解決、品質管理、安全管理、コスト管理、関係機関との調整などです。

また、環境保護や自然災害対応といった現代的な課題にも取り組む必要があります。


試験は「RCCM試験A」と「RCCM試験B」の二つに分かれており、それぞれ2つの問題で構成されています。試験では、選択した専門技術部門に関する高度な知識や実務経験に基づく応用力が問われます。

建設コンサルタント業務全般に関する知識や、関連法規、倫理などの理解も必要なため試験の難易度は高く、2023年度の合格率は約20%程度となっています。

受験するには、一定の実務経験が必要。例えば、大学卒業後でも7年以上の実務経験が必要なので、取得まで時間の掛かる資格といえます。

土木の資格【運転技術系】

土木工事の、車両や機械の運転操作に必要となる資格は下記のとおり。

  • 車両系建設機械運転技能
  • 小型移動式クレーン運転技能講習
  • 玉掛け技能講習
  • 移動式クレーン運転士免許

1つずつ解説します。

車両系建設機械運転技能

車両系建設機械運転技能は、労働安全衛生法に基づいて定められた国家資格で、機体質量3トン以上の車両系建設機械を操作するために必要な資格です。

建設現場での安全性を確保し、効率的な作業を行うために重要な役割を果たしています。

操作できる主な建設機械は、ブルドーザー、パワーショベル、トラクターショベルなどです。具体的な仕事内容は、土地の整地、掘削、運搬、積み込みなどの作業がメインで、道路建設、宅地造成、ダム建設など、様々な建設工事で必要とされます。

18歳以上であれば誰でも受講可能です。


資格試験は、学科試験と実技試験で構成されています。学科試験では、建設機械の構造や取り扱い方法、関連法規、安全管理などの知識が問われます。

実技試験では、実際に建設機械を操作し、基本的な運転技能や作業能力が評価されます。


難易度については、学科試験と実技試験の両方に合格する必要があるため、ある程度の準備と学習が必要です。

合格率は受講者の経験や準備状況によって変動しますが、講習を受講することで必要な知識と技能を学べるので、適切な準備を行えば十分に合格できます。

小型移動式クレーン運転技能講習

小型移動式クレーン運転技能講習は、つり上げ荷重1トン以上5トン未満の小型移動式クレーンを操作するために必要な国家資格です。


主な仕事内容は、小型移動式クレーンを安全かつ効率的に操作し、荷物の吊り上げや運搬を行うこと。具体的には、クレーンの操作、荷物の吊り上げ、水平移動、荷下ろし、安全確認、作業計画の立案などです。

建設現場においては、資材運搬、港湾での荷役作業など、様々な現場で必要とされています。


講習は学科講習と実技講習で構成されており、学科講習では、クレーンに関する知識、原動機および電気に関する知識、力学に関する知識、関係法令などを学び、実技講習では、実際のクレーン操作や運転のための合図などを学びます。


また、学科試験と実技試験があり、学科試験では講習で学んだ知識が問われ、実技試験では実際のクレーン操作能力が評価されます。


18歳以上であれば受講可能であり、適切な準備と学習を行えば合格は十分に可能なので、未経験でも多くの方が取得できます。

玉掛け技能講習

玉掛け技能講習は、つり上げ荷重1トン以上のクレーン、移動式クレーン、デリック、揚貨装置で玉掛け作業を行うために必要な国家資格です。

玉掛け作業者の主な役割は、クレーンなどの機械を使用して荷物を安全かつ効率的に吊り上げ、移動させること。具体的な仕事内容には、ワイヤロープやフックの準備、荷物の吊り上げ方法の選択、クレーン運転者との連携、安全確認などがあります。

講習は学科講習と実技講習で構成されており、学科講習では玉掛けに関する知識、原動機や電気に関する知識、力学、関係法令などを学びます。実技講習では実際のクレーン操作や玉掛け作業の基本を習得します。

学科試験と実技試験があり、クレーンの構造や機能、安全管理、関連法規、基本的な力学などの知識が要求されます。

難易度については、適切な準備と学習を行えば合格は十分に可能なレベル。実務経験なしで取れる点や、合格率は約90%以上と高いので、未経験者でも多くの人が取得できる資格です。

移動式クレーン運転士免許

移動式クレーン運転士免許は、つり上げ荷重5トン以上の移動式クレーンを操作するために必要な国家資格です。建設現場や港湾、工場などでの大型移動式クレーンの安全な運転と操作を保証するために重要な役割を果たしています。


移動式クレーン運転士の主な仕事内容は、大型の移動式クレーンを安全かつ効率的に操作し、重量物の吊り上げや移動を行うことです。クレーン操作だけでなく、作業計画の立案、日常点検や簡単な保守作業も行います。


試験は、学科試験と実技試験で構成されています。学科試験では、クレーン工学、原動機、電気、力学、法令などの知識が問われます。実技試験では、実際のクレーン操作技能が評価されます。

難易度については、高度な専門知識と実践的な操作技能が要求されるため、難しい資格試験の一つとされています。合格率は年によって変動しますが、概ね20〜30%程度と低く、十分な準備と学習が必要です。

特に実技試験では、実際の現場経験が重要となるため、未経験者にとっては難易度が高くなる傾向があります。

土木の資格【事務系】

土木工事の主な事務系資格は下記のとおりです。

  • 建設業経理事務士
  • 建設業経理検定試験
  • 宅地建物取引士
  • CAD利用技術者試験

 1つずつ見ていきましょう。

建設業経理検定試験

建設業経理事務士は、建設業の経理に特化した知識と技能を証明する資格です。

建設業特有の会計処理や法規制に精通していることを示すため、建設会社での経理業務に携わる方にとって非常に重要な資格となっています。

主な仕事内容には、建設業特有の会計処理、工事原価の管理、財務諸表の作成、税務申告の補助などがあります。

試験は1級から4級まであり、4級3級が「建設業計事務士検定試験」、2級1級が「建設業経理事務士検定試験」と呼ばれ、級によって難易度と出題範囲が異なります。

4級と3級(建設業経理事務士検定試験)は比較的取得しやすく、建設業の経理に興味がある方なら挑戦しやすいです。

しかし、2級と1級(建設業経理事務士検定試験)は難易度が高く、より専門的な知識が必要となります。

学科試験のみで実技試験はなく、年2回(9月と3月)実施されます。

建設業経理事務士を取得することで、建設業界での経理職への就職や転職に有利になるだけでなく、建設業特有の会計知識を習得できます。さらに、1級と2級は経営事項審査での加点対象となるため、建設会社にとっても価値のある資格です。

宅地建物取引士

宅地建物取引士は、不動産取引の専門家として認められる国家資格です。不動産業界で必要な資格でもありますが、建設業界でも関連業務や顧客対応で重要な役割を果たします。

主な仕事内容には、用地取得の支援、土地利用に関する法規制の確認と遵守、建設予定地の権利関係の調査と説明、開発許可申請の補助などがあります。

試験は年1回(10月)実施され、学科試験のみの50問四肢択一式です。合格率は例年15〜20%程度で難易度は高めですが、不動産関連法規や建築、税務など幅広い知識が必要とされます。

宅地建物取引士を取得することで、不動産業界での就職や転職に有利になるだけでなく、建設業界でも不動産関連の知識を活かせる場面が多くあります。

CAD利用技術者試験

CAD利用技術者試験は、CADソフトウェアの操作スキルと設計・製図の知識を評価する試験です。建設業界でも、図面作成や設計業務で重要なスキルとなっています。

主な仕事内容には、建築・土木設計図面の作成、3Dモデリング、図面の修正や更新、CADデータの管理などがあります。

試験は1級、2級、基礎級の3つのレベルがあり、年2回(7月と12月)実施され、学科試験と実技試験があります。

基礎級はCADの基本的な知識を問われる試験なので、未経験者でも取得しやすいですが、2級と1級は実務経験や専門的な知識が必要となり難易度が高くなります。

CAD利用技術者試験の取得で、CADオペレーターとしての就職や転職に有利になるだけでなく、設計・製図の効率化や品質向上につながります。特に、BIM/CIMの導入が進む建設業界では、その重要性が増しています。

下記の記事では、CADオペレーターの将来性や年収、必要スキルから資格まで解説しています。これからCADオペレーターを目指したい方はぜひご覧ください。

土木の資格を取得するメリット

土木関連の資格を取得するメリットは、主に以下の点が挙げられます。

  • 知識や技術の証明
  • 給与の増加
  • 業務効率化や品質の向上
  • 転職に有利
  • 安全意識の向上

それぞれ解説します。

知識や技術の証明

資格取得は、専門的な知識と技術を持っていることを証明できます。土木現場では、法律で定められた資格保有者が必要な作業が多いので、資格保有者は各現場で必要不可欠な人材として重宝されます。

特に、土木施工管理技士1級や技術士などの国家資格は、会社や現場から高く評価されます。この2つの資格は、単に知識を問うだけでなく、実務経験も要求されるため、より実践的な能力の証明となります。

また、技術士(建設部門)は、高度な専門知識と応用力を持つ技術者として認められ、公共工事の入札資格にも関わる重要な資格です。

このような土木の資格の中でも、レベルの高い重要な資格を持つことで、工事現場の責任者としての能力が認められ、より大規模な案件を任されやすくなります。

顧客からの信頼も得やすくなるので、独立開業する際も大きな力となるでしょう。

給与の増加

資格を持つことで、給与の増加が期待できます。特に、希少性の高い専門的な資格を持つことで、より高い給与を得られる可能性が高まります。

ただし、測量士補、技術士補、玉掛け技能講習など比較的取得しやすものに関しては、大きな給料アップは期待できないかもしれません。

例えば、1級土木施工管理技士や技術士などの高難易度の資格であれば、より責任のある立場に就けるので、給与が上がる可能性が高くなります。

業務効率化や質の向上

資格取得の過程で、最新の技術や法律、業界の動向など、実務に役立つ専門知識が身につくので、業務の効率化や品質の向上が図れます。

例えば、コンクリート診断士の資格を取得することで、コンクリート構造物の劣化メカニズムや最新の補修技術について深い知識を得られます。

より適切な診断や補修計画の立案が可能となり、構造物の長寿命化や維持管理コストの削減に貢献できるでしょう。

また、法令や最新の技術動向に関する知識も深まるため、より適切な判断や提案ができるようになります。

転職に有利になる

特に国家資格は転職市場で高く評価されます。

転職先で必要とされる専門資格を保有することで即戦力として見なされるので、より良い条件での転職が可能になります。

また、複数の資格を組み合わせることで、より幅広い職域での活躍が可能になります。例えば、土木施工管理技士と測量士の資格を併せ持つことで、測量から施工管理まで一貫して担当できる人材として評価されやすくなるでしょう。

安全意識の向上

土木分野では安全が最優先です。資格取得の過程で安全管理やリスクマネジメントについて学ぶことで、現場での安全意識が向上し、事故防止につながります。

例えば、車両系建設機械運転者の資格取得では、機械の安全な操作方法や関連法規について学ぶので、作業現場での安全意識が高まり事故のリスクを低減できます。

また、労働安全衛生法に基づく各種特別教育(高所作業、玉掛け作業など)の受講は、それぞれの作業に特有の危険性と安全対策について深く学ぶ機会となります。

教育や講習など比較的取得しやすい資格でも、自身の安全確保だけでなく現場全体の安全性の向上に貢献できます。

資格取得のための効果的な勉強方法

これから資格を取得する方にとって、どのように勉強をすればいいかというのはとても気になりますよね。

効果的な学習方法や勉強のコツを押さえることは非常に重要です。ここからは土木の資格を取得するための効果的な勉強方法をお伝えします。

計画を立てる

まずは学習スケジュールを決めるところから始めましょう。スケジュールを立てるコツは、場当たり的にならないよう最初に学習すべき総量を把握すること。

具体的な目標を決めたら、その期限までにやるべきことを把握し、使える時間を見積もって内容を割り振っていきます。

中期目標(1〜3ヶ月)に沿ったスケジュールと、日々の学習を進めるための短期目標(1週間〜1日)に沿ったスケジュールを作成しておくと良いでしょう。

スケジュールを消化した後は必ず振り返りを行い、今後のスケジュールの軌道修正をすることが重要です。

また、スケジュールを立てる際は、詰め込み過ぎないことが大切。1週間の間に予定を入れない日を作ったり、1日のスケジュールの中で1〜2時間は何も予定を入れない時間を作るなど、あえて隙間のあるスケジュールを組むことをおすすめします。

参考書や過去問題集で学習

参考書や過去問題を繰り返し解くことは、資格取得の勉強方法では王道です。

多くの試験では、過去に出題された問題が再び出題されることがよくあります。過去問を解いて典型的な問題のパターンを理解し、どのような形式や内容の問題が出るかを予測できるようにしましょう。


時間配分の練習ができる点も大きなメリットです。実際の試験と同じ時間配分で過去問を解くことで、本番での時間管理能力が向上します。試験中に焦ってしまうことを防ぐためにも、事前に時間内に解き終える練習をすることは非常に重要です。


また、過去問題を通じて自分の弱点を発見することもできます。解けなかった問題や特に時間がかかった問題を分析することで、自分の理解が不足している部分や苦手な分野を明確に把握できます。

オンライン講座やスマホアプリの活用

オンライン講座やスマホアプリも活用していきましょう。

オンラインでの動画講座では、専門家による解説を視聴することで、教科書だけでは理解しづらい概念や複雑な問題の解き方などを把握しやすくなります。

繰り返し視聴できる点も大きな利点。理解が不十分な箇所を何度も見直すことで、確実に知識を定着させられます。


電子書籍は、従来の紙の書籍に比べて持ち運びが容易で、いつでもどこでも学習できるのが利点です。

多くの電子書籍では、ハイライト機能やメモ機能が付いているため、重要なポイントを簡単にマークしたり、自分の考えを書き込んだりできます。

スマートフォンアプリは、隙間時間を有効活用するのに最適。通勤時間や待ち時間など、これまで無駄になりがちだった時間を学習に充てられます。

進捗管理機能や学習履歴の可視化機能を持つアプリも多く、自分の学習状況を客観的に把握できるのでおすすめです。

まとめ:土木関連の資格を取得してキャリアアップしよう!

土木施工管理技士や測量士、技術士などの管理系資格、および車両系建設機械運転技能などの運転技術系資格を取得することで、専門知識や技術の証明、給与増加、業務効率化、転職有利、安全意識向上などのメリットがあります。

未経験からでも資格取得を通じてキャリアアップを目指せます。実務経験なしで取れる資格もあるので、ぜひ本記事を参考にチャレンジしてみてください。


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氏永 勝之
監修者 smileグループCEO
株式会社ガーデンメーカー 代表取締役
愛知農園植木苗木株式会社 専務取締役
一般社団法人ガーデンビジネス協会 代表理事
氏永 勝之

愛知県稲沢市生まれ。稲沢市が「日本四大植木産地」であることもあり、幼少期か ら植木に囲まれて成長。
東京農業大学卒業後、名古屋市内の造園会社に就職。 公園の設備工事から国交省事業の国道整備工事における土木及び街路樹等の植 栽工事に現場代理人として携わる。

執筆者 ダーチー

工場に勤務しながらWebライターをしているダーチーと申します。これまで、建設業や製造業、物流業、飲食店のアルバイトまで経験しました。