土木施工管理技士について解説しました。具体的には仕事内容や平均年収など、また1級土木施工管理技士と2級土木施工管理技士の違いについても解説しているので、施工管理技士の資格取得を目指している方は参考にして頂けると幸いです。

高杉 有希子
監修者 エクステリアプランナー 高杉 有希子

静岡県御殿場市の土建屋に生まれ、大型重機が大好きな子供時代を送る。
建築に憧れ、三重短大で住環境を学ぶ。新卒でハウスメーカーFC工務店の「インテリアプランナー」に応募するも、社長の勘違いで募集したかったのはなんと「エクステリアプランナー」!!
ハウスメーカーで個人住宅のエクステリアを担当。その後、ゼネコン住宅事業部のインテリアプランナー、植木屋の外構プランナーを経て、現在は(株)ガーデンメーカーで営業設計を務める。

執筆者 中里 涼子

ライター歴8年以上の中里 涼子です。 引っ越しや不動産投資、美容、医療、クレジットカード、ビジネス、ペット、株式投資、食品、健康、占い、住宅、宝くじ、防犯、リフォーム・リノベーション、ダイエットなどの多種多様なジャンルの記事を執筆しております。

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目次

1. 土木施工管理技士の受験資格や実務経験とは

土木施工管理技士の資格を取得するためにも、2級と1級の受験資格や、どのくらいの実務経験が求められるのかを知ることが大切です。

それでは、土木施工管理技士の受験資格や実務経験についてご説明しましょう。

1-1. 2級土木施工管理技士の受験資格

2級土木施工管理技士の受験資格は、以下の通りです。

第1次検定第2次検定
試験実施年度末時点で17歳以上2級1次検定合格後、実務経験3年以上
または
1級1次検定合格後、実務経験1年以上

基本的に17歳以上であれば誰でも1次検定が受けられますが、2次検定は実務経験が問われるので注意しましょう。

1-2. 1級土木施工管理技士の受験資格

1級土木施工管理技士の受験資格は、以下の通りです。

第1次検定第2次検定
試験実施年度末時点で19歳以上1級1次検定合格後、以下の条件を満たす
・実務経験5年以上
・特定実務経験1年以上を含む実務経験を3年以上
・監理技術者補佐の実務経験1年以上
2級2次検定合格後、1級1次合格者のみ以下の条件を満たす
・実務経験5年以上
・特定実務経験1年以上を含む実務経験を3年以上

1級土木施工管理技士は19歳以上であれば1次検定が受けられますが、2次検定に関しては1級1次検定に合格しているか、2級2次検定に合格しているかどうかで受験資格が大きく異なります。

1-3. 受験資格の実務経験とは

土木施工管理技士

受験資格の実務経験とは、土木工事における施工管理、施工監督、設計監理のいずれかの立場で従事した施工に直接的に関わっている技術上の職務経験となります。

施工管理は請負人として施工を指揮・監督した職務経験です。

施工監督は発注者側として現場監督技術者等の職務経験です。

設計監理は設計者等による工事監理の職務経験です。

以上の職務経験を所定の年数以上経験することによって、受験資格を満たすことができます。

なお、土木工事の具体的な内容は、以下の通りです。

工事種別主な工事内容
河川工事築堤工事、護岸工事、水制工事、床止め工事、取水堰工事、水門工事、樋門(樋管)工事、排水機場工事、河道掘削(浚渫工事)、河川維持工事(構造物の補修)
道路工事道路土工(切土、路体盛土、路床盛土)工事、路床・路盤工事、法面保護工事、舗装(アスファルト、コンクリート)工事(※個人宅地内の工事は除く)、中央分離帯設置工事、ガードレール設置工事、防護柵工事、防音壁工事、道路施設等の排水工事、トンネル工事、カルバート工事、道路付属物工事、区画線工事、道路維持工事(構造物の補修)
海岸工事海岸堤防工事、海岸護岸工事、消波工工事、離岸堤工事、突堤工事、養浜工事、防潮水門工事
砂防工事山腹工工事、堰堤工事、地すべり防止工事、がけ崩れ防止工事、雪崩防止工事、渓流保全(床固め工、帯工、護岸工、水制工、渓流保護工)工事
ダム工事転流工工事、ダム堤体基礎掘削工事、コンクリートダム築造工事、基礎処理工事、ロックフィルダム築造工事、原石採取工事、骨材製造工事
港湾工事航路浚渫工事、防波堤工事、護岸工事、けい留施設(岸壁、浮桟橋、船揚げ場等)工事、消波ブロック製作・設置工事、埋立工事
鉄道工事軌道盛土(切土)工事、軌道敷設(レール、まくら木、道床敷砂利)工事(架線工事を除く)、軌道路盤工事、軌道横断構造物設置工事、ホーム構築工事、踏切道設置工事、高架橋工事、鉄道トンネル工事、ホームドア設置工事
空港工事滑走路整地工事、滑走路舗装(アスファルト、コンクリート)工事、エプロン造成工事、滑走路排水施設工事、燃料タンク設置基礎工事
発電・送変電工事通信管路(マンホール・ハンドホール)敷設工事、とう道築造工事、鉄塔設置工事、地中配管埋設工事
上水道工事公道下における配水本管(送水本管)敷設工事、取水堰(新設・改良)工事、導水路(新設・改良)工事、浄水池(沈砂池・ろ過池)設置工事、浄水池ろ材更生工事、配水池設置工事
下水道工事公道下における本管路(下水道・マンホール・汚水桝等)敷設工事、管路推進工事、ポンプ場設置工事、終末処理場設置工事
土地造成工事切土・盛土工事、法面処理工事、擁壁工事、排水工事、調整池工事、墓苑(園地)造成工事、分譲宅地造成工事、集合住宅用地造成工事、工場用地造成工事、商業施設用地造成工事、駐車場整地工事 ※個人宅地内の工事は除く
農業土木工事圃場整備・整地工事、土地改良工事、農地造成工事、農道整備(改良)工事、用排水路(改良)工事、用排水施設工事、草地造成工事、土壌改良工事
森林土木工事林道整備(改良)工事、擁壁工事、法面保護工事、谷止工事、治山堰堤工事
公園工事広場(運動広場)造成工事、園路(遊歩道・緑道・自転車道)整備(改良)工事、野球場新設工事、擁壁工事
地下構造物工事地下横断歩道工事、地下駐車場工事、共同溝工事、電線共同溝工事、情報ボックス工事、ガス本管埋設工事
橋梁工事橋梁上部(桁製作、運搬、架線、床版、舗装)工事、橋梁下部(橋台・橋脚)工事、橋台・橋脚基礎(杭基礎・ケーソン基礎)工事、耐震補強工事、橋梁(鋼橋、コンクリート橋、PC橋、斜張橋、つり橋等)工事、歩道橋工事
トンネル工事山岳トンネル(掘削工、覆工、インバート工、坑門工)工事、シールドトンネル工事、開削トンネル工事、水路トンネル工事
土木構造物解体工事橋脚解体工事、道路擁壁解体工事、大型浄化槽解体工事、地下構造物(タンク)等解体工事
建築工事(ビル・マンション等)PC杭工事、RC杭工事、鋼管杭工事、場所打ち杭工事、PC杭解体工事、RC杭解体工事、鋼管杭解体工事、場所打ち杭解体工事、建築物基礎解体後の埋戻し、建築物基礎解体後の整地工事(土地造成工事)、地下構造物解体後の埋戻し、地下構造物解体後の整地工事(土地造成工事)
個人宅地工事PC杭工事、RC杭工事、鋼管杭工事、場所打ち杭工事、PC杭解体工事、RC杭解体工事、鋼管杭解体工事、場所打ち杭解体工事
浄化槽工事大型浄化槽設置工事(ビル、マンション、パーキングエリアや工場等大規模な工事)
機械等設置工事(コンクリート基礎)タンク設置に伴うコンクリート基礎工事、煙突設置に伴うコンクリート基礎工事、機械設置に伴うコンクリート基礎工事
鉄管・鉄骨製作橋梁、水門扉の工場での製作
鋼構造物塗装工事鋼橋塗装工事、鉄塔塗装工事、樋門扉・水門扉塗装工事、歩道橋塗装工事
薬液注入工事トンネル掘削の止水・固結工事、シールドトンネル発進部・到達部地盤防護工事、立坑底盤部遮水盤造成工事、推進管周囲地盤補強工事、鋼矢板周囲地盤補強工事

それぞれの土木工事によってさまざまな職務経験が該当するので、働きながら資格取得のための勉強をする必要性があるでしょう。

2. 最短で土木施工管理技士になるには何年かかる?

最短で土木施工管理技士になる場合、どのくらいの年数がかかるのか気になる人も多いのではないでしょうか。

以前の土木施工管理技士の受験資格は長期間の実務経験が必要でしたが、2024年度から受験資格が緩和されたことによって実務経験が短くなりました。

これによって、最短で土木施工管理技士を目指しやすくなっています。

それでは、最短で土木施工管理技士になるには何年かかるのか、いつから勉強を始めるのか、どのように勉強するのかご説明しましょう。

2-1. いつから勉強を始めるか

最短で土木施工管理技士を目指す場合、2024年度から学歴が問われなくなった上に必要とされる実務経験が緩和されたため、高校卒業後における単純計算で最短4年の実務経験を積めば土木施工管理技士になれます。

この場合、高校在学中からでも土木施工管理技士の勉強を始めても早すぎるということはないでしょう。

2-2. どのように勉強するか

土木施工管理技士になるための勉強方法は、以下の通りです。

  • テキストをしっかりと読み込んでいく
  • 過去問を確認して出題傾向を把握する
  • 点数を取れる分野を中心に作戦を建てる

それでは、土木施工管理技士になるための勉強方法についてご説明しましょう。

テキストをしっかりと読み込んでいく

土木施工管理技士を目指すにあたって、参考書などの教材のテキストをしっかりと読み込むことが大切です。

参考書をはじめとする教材を読み込むことにとってさまざまな知識について広く浅く身に付けることができます。

もちろんこれだけではすべて理解するのは難しいですが、土木施工管理技士の試験がどんなものなのか、どんなことを理解すればいいのかが分かりやすいのがポイントです。

過去問を確認して出題傾向を把握する

土木施工管理技士の試験対策を行うためにも、過去問を確認するのがおすすめです。

過去問の出題傾向を把握することで、受験する際の対策がやりやすくなります。

ある程度勉強した上で過去問を解いたときに、どの問題が解けなかったのかピックアップし、なぜ不正解だったのか理解するのを繰り返すことで合格点を目指しやすくなるでしょう。

点数を取れる分野を中心に作戦を建てる

どんな人でも解きやすい問題や解きにくい問題があります。

第1次試験や第2次試験でさまざまな分野から出題されるため、解きやすい問題を中心に勉強することが大切です。

確実に点数が取れる分野を重点的に勉強するためにも、さまざまな分野の問題を一通り解いたときに、どの分野の点数が取りやすいのか把握しましょう。

3. 土木施工管理技士の試験スケジュール

これから土木施工管理技士の試験に向けた勉強を始めるのであれば、試験のスケジュールを把握する必要性があります。

それでは、土木施工管理技士の試験スケジュールについてご説明しましょう。

3-1. 2級土木施工管理技士の試験スケジュール

2級土木施工管理技士の試験スケジュールは、以下の通りです。

・第1次検定

試験地札幌、仙台、東京、新潟、名古屋、大阪、広島、高松、福岡、那覇(近郊都市も含む)
願書販売郵送販売:2024年6月17日(月)~7月9日(火)
窓口販売:2024年6月17日(月)~7月17日(水)
受験申込「第1次検定(前期)」(種別を土木のみとする)
インターネット申込:2024年3月6日(水)~3月21日(木)
試験日2024年6月2日(日)
合格発表2024年7月2日(火)

・第2次検定

試験地札幌、釧路、青森、仙台、秋田、東京、新潟、富山、静岡、名古屋、大阪、松江、岡山、広島、高松、高知、福岡、鹿児島、那覇
願書販売郵送販売:2024年6月17日(月)~7月9日(火)
窓口販売:2024年6月17日(月)~7月17日(水)
受験申込「第1次検定・第二次検定」(種別:土木、鋼構造物塗装、薬液注入)
「第1次検定(後期)」(種別:土木、鋼構造物塗装、薬液注入)
「第2次検定」(種別:土木、鋼構造物塗装、薬液注入)
2024年7月3日(水)~7月17日(水)
試験日2024年10月27日(日)
合格発表【第1次】2024年12月4日(水)
【第2次】2025年2月5日(水)

3-2. 1級土木施工管理技士の試験スケジュール

1級土木施工管理技士の試験スケジュールは、以下の通りです。

・第1次検定

試験地札幌、釧路、青森、仙台、東京、新潟、名古屋、大阪、岡山、広島、高松、福岡、那覇(近郊都市も含む)
願書販売郵送販売:2024年2月23日(金)~3月28日(木)
窓口販売:2024年2月26日(月)~4月5日(金)
受験申込2024年3月22日(金)~4月5日(金)
試験日2024年7月7日(日)
合格発表2024年8月15日(木)

・第2次検定

試験地札幌、釧路、青森、仙台、東京、新潟、名古屋、大阪、岡山、広島、高松、福岡、那覇(近郊都市も含む)
願書販売郵送販売:2024年2月23日(金)~3月28日(木)
窓口販売:2024年2月26日(月)~4月5日(金)
受験申込2024年3月22日(金)~4月5日(金)
試験日2024年10月6日(日)
合格発表2025年1月10日(金)

4. まとめ

土木施工管理技士の試験は非常に難しい難易度ではありませんが、合格率が50%~60%とやや低めなので、しっかりと試験対策を行う必要性があります。

受験対策はもちろん、実務経験を積んでいる最中にさまざまな知識や技術を身に付けることが大切です。

土木施工管理技士の資格取得を目指しているなら、是非ともガーデンジョブを利用してみてはいかがでしょうか。

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