「外構業界の専門用語って難しそう…」
「外構の基礎知識を身につけたい」
こんな疑問やお悩みを持つ方は多いのではないでしょうか。
外構業界には独特の専門用語が数多く存在し、初心者にとっては理解が難しい場合があります。しかし、これらの用語を適切に理解し使用することは、外構業界で働く上で非常に重要です。
本記事では、外構の基礎知識から専門的な工事用語、デザイン用語、法規制に関する用語まで、幅広く解説していきます。
初心者の方からプロの方まで、外構業界で活躍するために必要な専門知識を網羅的に紹介していますので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
外構の基礎知識

外構の用語を知る前に、まず外構業界で頻繁に使用される基本知識を覚えておく必要があります。
ここでは下記3点を解説します。
- 外構とは
- エクステリアとは
- 造園との違い
外構業界で働く上で不可欠な基礎となりますので、しっかりと覚えておきましょう。
外構とは
外構は、建物の周囲にある構造物や空間の総称です。
例えば下記が該当します。
- 門
- 塀
- 駐車場
- アプローチ
- 庭
外構工事は単なる装飾ではなく、建物の機能性や美観を高め居住者の生活をより快適にすることが目的です。
外構は建物と外部空間をつなぐために重要な設備であり、適切な計画と施工により建物全体の価値を高め快適な生活環境を創出できます。
外構設計・施工には、専門的な知識と技術が必要とされ、必要な資格も多くあります。
エクステリアとは
エクステリアは、住宅の外部にあるすべての装飾を指します。
例えば下記が該当します。
- 外壁
- バルコニー
- テラス
- ガーデニング
エクステリアデザインは建物の外観と周囲の環境との調和を図り、居住者の生活スタイルを反映させる重要な役割を担います。
適切なエクステリアデザインにより、建物全体の魅力が向上し快適な生活空間が創出されます。
造園業界との違い
造園業界と外構業界は密接に関連していますが、対象範囲、重視する点、使用する材料などに違いがあります。
造園業界は主に庭園や緑地空間の創造に焦点を当て、美しい景観や自然環境の創出を重視します。植物の選定と配置に重点を置き、季節の変化を考慮した設計を行います。
一方、外構業界は建物周辺の空間全体を対象とし、機能性と実用性を重視しつつ美観も考慮します。硬質素材の使用が多くセキュリティや利便性の向上が主な目的となります。
外構工事の基本用語

外構工事の最も基本的な用語をご紹介します。
外構初心者の方は、まずはここから覚えていきましょう。
アプローチ
アプローチは門から玄関まで続く通路です。幅、素材、勾配、照明、植栽などが主な特徴と考慮点となります。幅は一般的に1.2m以上が推奨され、車いす使用者がいる場合は1.8m以上が望ましいとされています。
素材選びは重要で、レンガ、天然石、インターロッキングブロックなどがあります。勾配は急すぎないよう注意し、雨水の排水と歩行の安全性を確保します。適切な照明設備を設置し、夜間の安全性と雰囲気作りに配慮しなければなりません。
また、アプローチ沿いの植栽は、歩行者に季節感を与えるために重要となります。
駐車場
駐車場は車両を停めるためのスペースで、平置き駐車場、カーポート、ガレージなどがあります。
平置き駐車場は最も一般的な形態で、屋根のない開放型の駐車スペースです。コストが低く設置が容易ですが、車が風雨にさらされます。
カーポートは屋根付きの開放型駐車スペースで、雨や日差しから車を保護しつつ通気性も確保できます。
ガレージは壁と屋根で囲まれた閉鎖型の駐車スペースで、最も高い保護性能を持ちますがコストも高くなります。
門扉と門柱
敷地への出入り口として機能する門扉と門柱はセキュリティだけでなく印象づくりにも重要です。開き戸、引き戸、両開きなどが主な種類となります。
開き戸は最も一般的な形式で、蝶番を軸に開閉します。引き戸は横にスライドして開閉する形式で、スペースを取らないのが利点です。両開きは中央で分かれて左右に開く形式で、大型車の出入りに適しています。
門扉の材質には、アルミ製、スチール製、木製などがあります。一方で、門柱には表札、インターホン、郵便受け、照明などの付帯設備が取り付けられることが多いです。
フェンスと塀
フェンスと塀は敷地境界線を示しプライバシーを確保するために作られます。メッシュフェンス、縦格子フェンス、横格子フェンスなど様々な種類があります。
軽量で視認性が高く風通しも良好なのがメッシュフェンス。プライバシー性が高く、和風から洋風まで幅広いデザインに対応できるのが縦格子フェンスです。
横格子フェンスはモダンな印象を与え、横ラインを強調したデザインが特徴。塀の主な種類はブロック塀、レンガ塀、生垣などがあります。
フェンスと塀の選択では、高さ、耐久性、メンテナンス性、防犯性、景観との調和などを考慮します。
植栽
植栽とは庭木や花壇など緑を取り入れる部分です。シンボルツリー、生垣、花壇、地被植物などがあり、外構全体の印象を左右します。
季節の花々を楽しむ、雑草抑制、土壌保護境界線に沿って植えられた低木でプライバシー確保に役立てたりといった役割があります。
植栽計画では季節感や生態系への配慮も重要です。
デッキ
デッキは屋外に設置される床状の構造物で、屋内と屋外との連続性を生み出し自宅でリラックスできる場所として設置されます。
例えば、バーベキューやガーデンパーティーなど、様々な用途に活用されます。また、デッキ周囲に植栽を配置することで、自然との調和を図ることも可能です。
材質は主に木材またはコンポジット素材が使用されます。木材は自然な風合いが魅力ですが、定期的なメンテナンスが必要。コンポジット素材は耐久性に優れ、メンテナンスが容易です。
パーゴラ
パーゴラは柱と梁から成る骨組みです。構造、植物との組み合わせ、日陰効果が主な特徴と用途となります。
パーゴラは多くの場合、つる植物が這わせられます。ブドウやバラなどのつる性植物と組み合わせることで、美しい景観を作り出します。
また、日陰効果も持ち合わせており、夏場の暑さ対策にも有効です。パーゴラ周辺にはベンチなど座れるスペースを設けることで、憩いの場として活用されます。
庭のアクセントとしても効果的で、外構全体の魅力を高める重要な部分となります。
テラス
テラスは建物に接続された屋外空間です。屋内と屋外をつなぐ中間的な空間として機能し、生活空間を拡張する役割を果たします。
多目的に利用され、食事や団らんだけでなく小さなガーデニングスペースとしても活用されます。
より豊かな住環境を確保するには適切なテラス設計が必要。テラスからの景観を考慮した植栽計画も重要です。
テラスにはタイルや石材など耐久性ある素材が使われることが一般的です。
外構技術に関する用語

ここからは外構技術に関する専門用語をご紹介します。
工事現場でよく使われるので、職人さんは覚えておきましょう。
造成
造成とは土地を整備し、建築や外構工事に適した状態にする作業です。具体的には、整地、盛土、切土が主な工程となります。
整地は地面を平らにする作業で、盛土は土を盛って地面を高くする作業。切土は土を削って地面を低くする作業です。この工程を通じて、安全かつ快適な生活環境を作り出します。
適切な排水計画も造成時に考慮する必要があります。造成後の土地の安定性を確保するための、十分な転圧作業も重要です。
擁壁
擁壁とは土砂崩れ防止用壁状構造物で、重力式擁壁、もたれ式擁壁、片持ち式擁壁などがあります。
重力式擁壁は自重で土圧に抵抗する構造で比較的低い高さの擁壁に適しており、もたれ式擁壁は背面の地盤に寄りかかる形で土圧に抵抗し中程度の高さに適しています。
一方で、片持ち式擁壁は鉄筋コンクリートの強度で土圧に抵抗できるため高い擁壁に適しています。
擁壁の設計・施工には高度な技術と経験が必要です。安全性の確保が最も重要で、地盤条件や水圧、地震力なども考慮しなければなりません。
排水設備
排水設備とは雨水や生活排水処理システムです。
具体的には、雨水を集める枡や、水を排出するための管、雨水を地中に浸透させる枡など様々な設備があります。
適切な排水設備の設置により、水はけの良い快適な外構空間が実現できるだけでなく建物の耐久性も向上します。また、近年は環境への配慮から、雨水の再利用システムを導入する例も増えています。
舗装
舗装とは地面を固めて平らにする工事です。
具体的には、アスファルト舗装、コンクリート舗装、インターロッキング舗装があり、それぞれ以下の特徴があります。
アスファルト舗装:耐久性が高くメンテナンスが容易
コンクリート舗装:強度が高く長期使用に適している
インターロッキング舗装:デザイン性が高く透水性に優れる
舗装の選択では、用途やデザイン、耐久性、排水性などを総合的に考慮する必要があります。また、バリアフリーや環境への配慮も重要な検討事項となっています。
基礎工事
基礎工事とは構造物を支える地盤を作る工事です。
具体的な工程としては、まず地盤調査を行い土地の支持力を確認します。次に掘削を行い基礎を設置するための穴を掘り、コンクリートを流し込みます。
適切な基礎工事により、建物や外構の安定性と耐久性が確保されます。地盤条件に応じて、杭基礎や地盤改良など特殊な工法が必要になる場合もあります。
土留め
土留めとは土砂の崩れを防ぐための構造物を指します。
土留めの工法は様々ありますが、主に下記が主流です。
- 矢板工法 :鋼板を地中に打ち込む方法
- 親杭横矢板工法 :H形鋼と横矢板を組み合わせる方法
- ソイルセメント壁工法 :地盤にセメントを混合して固化する方法
土留め工事は、周辺環境への影響を最小限に抑えつつ安全性を確保することが重要ですので、施工場所の条件によって最適な手法を選定する必要があります。
グレーディング
グレーディングとは、敷地の勾配を調整し適切な排水を確保する作業です。雨水の適切な誘導、建物周辺の水はけ改善、景観の向上が主な目的となります。
適切なグレーディングにより、快適で美しい外構空間を実現し、建物の耐久性も向上します。また、土地の有効利用にも寄与します。
グレーディング作業後には植栽計画とも連携して進めることが大切。敷地全体の調和を考慮しながら、機能性と美観を両立させるグレーディング計画が求められます。
埋設工事
埋設工事とは給排水管、電気ケーブル、ガス管などを地中に埋める工事です。
埋設工事では将来のメンテナンスや拡張を考慮した計画が重要。他の地下埋設物との干渉を避けるための、慎重な調査と設計も欠かせません。
また、適切な埋設深さや保護措置も重要な検討事項となります。埋設工事は外構の機能性を支える重要な工程であり、適切な計画と施工が求められます。
地域の法規制や安全基準にも十分に配慮する必要があります。
左官工事
左官工事は、モルタルやセメントを使用して壁や床を仕上げる技術です。
左官の技術は美観と機能性を兼ね備えた仕上げが可能で、外構工事において重要な役割ですが、高度な技能と経験が必要とされます。
下記の記事では左官屋になる方法や年収を解説していますので、興味のある方はぜひご覧ください。
タイル張り
タイル張りは、タイルを接着剤で貼り付ける工法です。デザイン性と耐久性に優れ、多様な表現が可能です。
外構工事ではアプローチや玄関周りなどで多く使用され、適切な下地処理と施工を行えば、美しさの向上や耐久性が増します。
また、防滑性や耐凍害性など、外部環境に適したタイルの選択も重要です。
石張り
石張りは、天然石や人工石を使用して壁や床を仕上げる技術です。高級感と耐久性を兼ね備えた仕上がりが特徴で、外構に格調高い印象を与えます。
石材の選択と施工技術が仕上がりに大きく影響し、適切な目地幅や防水処理も重要です。また、重量があるため、下地の強度確保にも注意が必要です。
コンクリート打設
コンクリート打設は、液状のコンクリートを型枠に流し込み、固める作業です。外構工事の基礎となる重要な工程で、強度と耐久性に直結します。
適切な配合設計、打設方法、養生が重要で、気温や湿度などの環境条件にも配慮が必要です。
コンクリート工事については下記の記事でも詳しく解説しています。コンクリート打設の難易度や作業方法、関連資格まで分かりますので、こちらもぜひご覧ください。
圧接
圧接は、鉄筋を接合する技術です。外構工事の強度を保つために重要な役割を果たします。高度な技術と専門的な機器が必要で、適切な接合が構造物の安全性を確保します。
圧接部の品質管理や検査も重要。施工後の非破壊検査なども行われ、外構の耐久性と安全性に直結する重要な技術です。
防水工事
防水工事は、水の侵入を防ぐための施工です。屋上やベランダなど、外部に面する部分で特に重要になります。
様々な工法や材料があり、現場の条件に応じて適切な選択が必要。長期的な耐久性と信頼性が求められ、定期的な点検やメンテナンスも重要です。
適切な防水処理を施せば、建物の寿命を延ばし快適な生活環境の維持につながります。
植栽工事
植栽工事は、樹木や草花を植える作業で、外構の景観形成や環境改善に重要な役割を果たします。
適切な樹種の選定、配置計画、植付け技術が必要で、土壌改良や排水対策も重要です。また、植栽後の維持管理計画も考慮する必要があります。
照明設置
照明設置は、外構空間に適切な照明を配置する作業です。安全性と演出効果の両面から重要な役割を果たします。適切な照度設計、器具の選定、配線工事が必要で、省エネルギーや長寿命化にも配慮が必要です。
また、景観との調和や光害防止も考慮します。適切な照明設置により、夜間の安全性向上と魅力的な夜間景観の創出が可能になります。
外構デザインの用語

外構ではデザインに関する用語も多く存在します。
聞き慣れない用語が多いですが、外構を行う上でとても重要なので覚えておいてください。
ランドスケープ
ランドスケープとは、庭園や公園など自然と人工物を調和させた景観設計のことです。
敷地の起伏を活かした空間の創造、樹木や草花、噴水や池などの水を使った装置まで計画します。
ランドスケープデザインでは、自然環境との調和や季節の変化を考慮し、長期的な視点での計画が重要です。また、地域の特性を反映させたデザイン提案も求められます。
ハードスケープ
ハードスケープとは舗装や構造物など、硬質な部分を中心とした外構デザインを指します。外構の骨格を形成し機能性と耐久性を向上させるだけでなく、素材の選択や配置によって外構全体の印象が大きく変わります。
具体的なハードスケープには、舗装材(石材、レンガ、コンクリート等)、壁面(擁壁、塀等)、階段、デッキが挙げられます。
また、安全性や維持管理の容易さも考慮する必要があります。ハードスケープは外構の基盤となる部分であり、適切な設計と施工が求められます。
ソフトスケープ
ソフトスケープとは、樹木、草花、芝生、地被植物など、柔らかな部分を中心とした外構デザインを指します。
ソフトスケープは外構に生命感と季節感をもたらし、環境改善にも貢献します。植物の選定では、気候条件や維持管理の容易さ、成長速度なども考慮しなければなりません。
また、ハードスケープとのバランスも重要なポイント。ソフトスケープは外構に潤いと変化をもたらす重要な役割を果たすので、ハードスケープと同様に適切な計画と管理が求められます。
オープン外構
オープン外構とは、塀やフェンスを低くし、開放的な印象を与える外構デザインを指します。視線の抜けや周囲との一体感を重視したデザインが特徴です。
道路からの見通しが良くなるため、防犯面でも効果や敷地を広く見せる効果もあります。ただし、プライバシーの確保には別途工夫が必要となります。
クローズ外構
クローズ外構とは、塀やフェンスで敷地を囲み、プライバシーを重視した外構デザインを指します。外部からの視線を遮断しセキュリティ面の向上や道路からの騒音を軽減する効果もあります。
ただし、閉鎖的な印象を与える可能性があるため、デザイン面での工夫が必要。適切なクローズ外構設計によりプライベート性が高くなるのが特徴です。
ゾーニング
ゾーニングとは、敷地内を用途別に区分けすることを指します。効率的な空間利用を可能にする重要な計画手法です。例えば、アプローチ、駐車場、庭、プライベートスペースなどを明確に分けることで、機能的な外構が実現します。
また、各ゾーンの関係性や動線も考慮する必要があります。適切なゾーニングにより、使いやすく快適な外部空間ができあがります。
アイストップ
アイストップとは、視線を引き付ける景観上の焦点となる部分を指します。シンボルツリーや彫刻、噴水などがよく用いられ、外構デザインにおいて、空間に変化や魅力を与える重要な役割を果たします。
アイストップの配置や選択は、全体のデザインコンセプトと調和させる必要があり、適切に設置できれば印象的な空間の創造が可能です。
ビスタ
ビスタとは、特定の視点から見た景観を指します。庭園設計でよく用いられる概念で、意図的に作られた見通しのことを意味します。
例えば、並木道の先に建物や彫刻を配置するなどの手法があります。ビスタの設計では、視点場の設定や焦点となる対象物の選択が重要です。
ボーダー
ボーダーとは、植栽帯や花壇の縁取りを指します。空間を区切る役割も果たし、外構デザインにおいて重要な部分です。
植物の種類や配置、色彩のバランスなどを考慮して設計し、季節ごとの変化も楽しめるよう計画することが大切です。
フォーカルポイント
フォーカルポイントとは、庭園や外構デザインにおける視覚的な中心点を指します。アイストップと似た概念ですが、より広い意味を持ちます。
例えば、樹木、オブジェ、水景施設などがフォーカルポイントとして用いられます。外構全体のバランスや動線を考慮して配置する必要があります。
シークエンス
シークエンスとは、空間の連続性や変化を計画的に設計することを指します。外構を移動する際の体験を重視し、視点の変化や空間の展開を考慮します。
例えば、アプローチから玄関までの動線上に、異なる空間体験を配置するなどの手法があります。適切なシークエンス設計により、変化に富んだ魅力的な外構空間を創造できます。
外構の材料に関する用語

外構工事で使用される主な材料に関する用語を詳しく説明します。
適切な材料の選択は、外構の品質や耐久性、デザイン性に大きく影響しますので、ぜひ参考にしてみてください。
コンクリート製品
コンクリート製品は外構工事で広く使用される材料です。ブロック、インターロッキング、縁石などが主な種類となります。
ブロックは積み上げて壁や塀を作るのに使用されます。インターロッキングは舗装材として使用され、様々な形状やカラーがあります。縁石は舗装の縁取りや段差の形成に使用されます。
コンクリート製品は耐久性とデザイン性に優れており多用途で使用されます。適切な施工方法と定期的なメンテナンスにより長期間美しさを保つことが可能で、近年は環境に配慮した製品も増えています。
天然石材
天然石材は高級感と独特の風合いを持つ外構材料です。
主に下記の材料があります。
- 御影石 :硬度が高く耐久性に優れる
- 大理石 :美しい模様が特徴で高級感がある
- 砂岩 :柔らかく加工しやすい
- 天然石材:高級感ある仕上げが特徴
ただし、適切な材料の選択と施工、定期的なメンテナンスが必要で、取扱いにも十分に注意しなければなりません。
人工石材
人工石材は天然石の風合いを再現した製品で、軽量で加工しやすく均一な品質なのが特徴です。
人工石材はコストパフォーマンスに優れておりメンテナンスも容易です。天然石に比べて軽量なため、施工が容易で既存の建物への取り付けにも適していますが、用途に応じた適切な選択が重要です。
また、人工石材は技術の進歩により天然石に近い質感や耐久性を実現しており、外構デザインの幅を広げる重要な材料となっています。
木材
木材は、ウッドデッキやパーゴラなどに使用される自然素材です。温かみのある質感と、経年変化による味わいが特徴ですが、定期的なメンテナンスが必要で耐久性にも注意が必要です。
近年は、耐久性を高めた処理木材や、木材と樹脂を混合した人工木材なども登場しています。
レンガ
レンガは、粘土を焼成して作られる建築材料です。舗装や壁面に使用され温かみのある質感があり、耐久性に優れ経年変化による味わいも魅力です。
様々な積み方やパターンにより、多様なデザイン表現が可能。ただし、施工には熟練の技術が必要で、地域の気候条件にも配慮が必要です。
ウッドチップ
ウッドチップは、木材を細かく砕いたものです。地面の被覆材として使用され自然な雰囲気を演出します。
クッション性があり、歩行時の衝撃を和らげる効果や雑草の抑制効果があります。ただし、定期的な補充が必要で、強風時の飛散にも注意が必要です。
自然感あふれる地面の仕上げができる点も大きな魅力です。
人工芝
人工芝は、メンテナンスが容易な人工的な芝生です。年間を通じて緑を保ち、水やりや刈り込みが不要な点が特徴です。
耐久性に優れ、ペットの排泄物にも強いタイプもあります。ただし、夏場の蓄熱には注意が必要。近年は、より天然芝に近い質感や機能を持つ製品も登場しています。
ジオテキスタイル
ジオテキスタイルは、土木工事に使用される合成繊維製の布です。地盤補強や土壌分離、排水促進などに利用されます。
透水性と強度を併せ持ち、土木構造物の安定性向上に貢献します。舗装の下地や擁壁の背面、法面保護など様々な用途があります。
外観には現れませんが、外構の耐久性と機能性が向上する重要な材料です。
外構のメンテナンスに関する用語
外構のメンテナンスに関する用語を紹介します。
適切なメンテナンスにより、外構の美観と機能性を長期間維持することが可能になりますのでご覧ください。
剪定
剪定は、樹木の枝を切って形を整えること。植物の健康維持と美しい姿を保つために重要な作業です。樹種や目的に応じた適切な剪定技術が必要で、季節や生育状況を考慮して行います。
また、剪定により樹形を整えることで、景観の向上や日照・通風の改善にもつながります。定期的な剪定により、健康で美しい植栽を維持することが可能です。
防草
防草は、雑草の生育を抑制する対策です。防草シートの使用や、適切な地被植物の選定などが一般的で、美観の維持や管理労力の軽減に効果があります。
ただし、完全に雑草を防ぐことは難しいため、定期的な点検と対策が必要です。また、環境への配慮から、除草剤の使用を最小限に抑える傾向にあります。
塗装
塗装は、外構の塗りや補修を行う作業で、美観の維持や素材の保護に重要な役割を果たします。
適切な塗料の選択と施工技術が必要で下地処理も重要です。また、定期的な塗り替えにより外構の寿命を延ばすことが可能です。
環境に配慮した塗料の使用や、耐候性の高い塗装技術の採用も増えています。
目地補修
目地補修は、タイルやブロックの隙間(目地)を修復する作業で、美観の維持や防水性の確保のために行われます。
適切な補修材料の選択と施工技術が必要で、既存の目地との色合わせも重要です。また、目地の劣化は構造物全体の耐久性にも影響するため、定期的な点検と補修が必要です。
高圧洗浄
高圧洗浄は、高圧の水で外構表面の汚れを落とす清掃方法で、美観の回復や素材の保護に効果があります。
適切な水圧と洗浄技術が必要で、素材によっては専用の洗剤を使用することもあります。ただし、過度な高圧は素材を傷める可能性があるため注意が必要。また、排水処理にも配慮しなければなりません。
防腐処理
防腐処理は、木材の腐食を防ぐための処理です。外構における木材の寿命を延ばし、美観と安全性を維持します。
適切な防腐剤の選択と施工技術が必要で定期的な再処理も重要。環境に配慮した防腐剤の使用や、熱処理などの新技術も採用されています。
また、防腐処理と併せて防蟻処理を行うことで、木材を使用した外構の長期使用が可能になります。
排水溝清掃
排水溝清掃は、排水溝に溜まった落ち葉や土砂を取り除く作業です。適切な排水機能の維持に重要になります。
定期的な清掃が必要で、特に落葉期や台風シーズン前後は重点的に行います。また、清掃時に排水溝の損傷や劣化をチェックすることも重要です。
凍結防止
凍結防止は、寒冷地での水道管や舗装面の凍結を防ぐ対策です。安全性の確保と設備の保護に重要な役割を果たします。水抜き栓の設置や断熱材の使用、融雪システムの導入などが一般的です。
また、凍結防止剤の適切な使用も重要ですが、環境への影響も考慮する必要があります。
外構の法規制に関する用語

外構工事に関連する法律や規制について説明します。
規制を理解し遵守することで、適法かつ安全な外構設計・施工が可能になります。
建ぺい率
建ぺい率は、敷地面積に対する建築面積の割合を示す指標です。外構設計において、建物と外構のバランスを決定する重要な要素となります。地域や用途地域によって異なる規制値が設定されており、これを超過すると法令違反となります。
建ぺい率の計算には、建物だけでなく、一部の外構構造物も含まれる場合があるため注意が必要です。
容積率
容積率は、敷地面積に対する延べ床面積の割合を示す指標です。建物の規模を決定する重要な要素となり、外構設計にも影響を与えます。
建ぺい率と同様に、地域や用途地域によって規制値が異なります。容積率の計算には、地下室や屋上設備なども含まれる場合があるため、詳細な確認が必要です。
道路境界線
道路境界線は、道路と民有地の境界を示す線です。外構設計において、アプローチや塀の配置を決定する重要な基準となります。
道路境界線の位置は、公的な図面や現地の境界杭で確認します。また、道路境界線からのセットバックが必要な場合もあるため、地域の規制を確認する必要があります。
セットバック
セットバックは、建物や構造物を道路境界線から後退させることを指します。安全性の確保や景観の向上を目的としています。道路の幅員や地域の条例によって、必要なセットバック距離が定められています。
外構設計では、セットバックを考慮したアプローチや植栽計画が必要です。
開発許可
開発許可は、一定規模以上の土地開発に必要な行政の許可です。外構工事を伴う大規模な開発では、この許可が必要となる場合があります。
開発許可の基準には、道路や排水施設の整備、緑地の確保などが含まれます。申請手続きには時間を要するため、計画段階からの考慮が必要です。
景観条例
景観条例は、地域の景観を保全・形成するための自治体の条例で、外構デザインに大きな影響を与える場合があります。
建物の高さや色彩、外構の素材や緑化率などが規制対象となることがあります。地域によって条例の内容は異なるため、設計段階での確認が重要です。
景観条例の遵守により、地域の特性を活かした魅力的な外構デザインが可能になります。
緑化率
緑化率は、敷地面積に対する緑地面積の割合を示す指標です。多くの自治体で条例により定められており、外構設計において重要な指標となります。
緑化率の算定方法や必要な緑化面積は地域によって異なります。屋上緑化や壁面緑化が算入できる場合もあります。
まとめ:外構業界の用語を覚えて業務に活かそう!

外構業界の用語は多岐にわたり、基本的な概念から専門的な技術用語まで幅広く存在します。
今回ご紹介した用語をすべて覚えるのは困難ですが、基本的な用語だけでも頭に入れておくと業務効率の向上や品質向上につながるので、ぜひ参考にしてみてください。
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