「建設業の現場作業員ってどんな仕事なの?」
「現場作業員の給料はどれくらいなんだろう?」
といった疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。建設業の現場作業員は、建物や道路、インフラ設備など、私たちの生活に欠かせない様々な構造物を作り上げる重要な仕事です。
この記事では、現場作業員の仕事内容や職種、給料、やりがいなどについて詳しく解説していきますので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
現場作業員とは

現場作業員(建設作業員)は、建設現場で様々な作業に従事する労働者を指します。
具体的には、建造物の建設、道路整備、インフラ工事などの現場で働く作業員のことです。
建設現場の最前線で働き、設計図面を実際の構造物へと変えていく過程で不可欠な存在です。
現場作業員の技術と努力によって、都市の景観が形作られ、人々の暮らしを支えるインフラが整備されています。
現場作業員の仕事内容

現場作業員の仕事内容は多岐にわたり、工事の種類や規模によって異なります。
以下に、主な作業内容を詳しく説明しますのでご覧ください。
土木作業
土木作業は、道路工事や配管工事など、インフラ整備に関わる重要な仕事。
例えば、道路工事では下記の流れで進めていきます。
作業内容 | 目的 |
---|---|
1. 地盤の整地と下準備 | 安定した道路の基礎を作る |
2. 砕石などを敷き均し、締め固める | 道路の強度を高める |
3. さらに路盤を強化する | 道路の耐久性を向上 |
4. アスファルト混合物を敷設 | 道路の中間層を形成 |
5. 最上部のアスファルト舗装 | 滑らかで耐久性のある道路表面を作る |
各工程は順を追って行われ、最終的に安全で丈夫な道路を完成させます。
各工程で使用する重機や材料も異なるため、幅広い知識と技術が求められます。
また、土木工事では、地中に水やガスを運ぶ管を設置する「配管工事」というものがあります。
簡単に仕事内容を解説すると下記のようになります。
- 地面を掘る
管を埋めるために建設機械で地面に穴を開けます。 - 管を置く
掘った穴に管を慎重に置いていきます。管は水やガスが漏れないように正確に配置する必要があります。 - 管をつなぐ
管と管をしっかりとつなぎ合わせます。特別な道具を使って行い、水やガスが漏れないようにします。 - 土を戻す
管を設置し終わったら、掘った穴に土を戻して地面を元通りにします。
配管工事は、私たちの日常生活に欠かせない水道やガスを建物に届けるために非常に重要です。
組み立て・解体
組み立て・解体作業は、建設現場の基礎となる重要な仕事です。
- 足場の組み立てと解体
- 鉄骨の組み立てと解体
- 建物内部の解体
- 外壁の取り壊し
- 基礎の撤去
- 廃材の分別
など、建設工事の準備段階から、古い建物の取り壊しまで行う特殊な作業員です。
取り壊しの際は、大型の建設機械を使い慎重に行われます。
造園
造園作業は、機能的かつ美しい景観を創出する芸術的な側面を持つ仕事です。
土地測量から始まり、地盤整備、樹木の植栽と剪定、景石の配置、公園設備の設置など、多岐にわたる作業を行います。
作業内容 | 具体的な作業 |
---|---|
調査・計画 | ・土地の調査 ・設計図を描く ・必要な材料を決める |
土工事 | ・土を削る・盛る ・地面を平らにする |
植栽工事 | ・高木、低木、草花を植え付ける ・木の移植 |
施設設置 | ・ベンチ、遊具、石組み、池、噴水などの設置 |
メンテナンス | ・手入れ(木の剪定、草刈りなど) ・清掃 |
造園作業は、自然を活かしながら人々が楽しめる空間を作り出す、とてもクリエイティブな仕事でもあります。
季節や気候の変化に応じた植物の管理も重要な仕事の一つです。
板金
板金作業は、建物の外装や屋根、雨樋などの金属部分を製作・施工する仕事です。
金属板の切断、曲げ加工、溶接、仕上げ作業などが主な作業内容です。
精密な加工技術と、金属の特性を理解した上での適切な施工が求められます。建物の美観だけでなく、耐久性や防水性にも大きく関わる重要な仕事です。
資材運搬
資材運搬は、建設現場に必要な材料や機材を適切に運び込むのが仕事。
積み込み作業では重量配分を考慮し、固縛作業では荷崩れを防止するための適切な固定が必要です。
運転時には安全な輸送を心がけ、荷下ろし作業では周囲の安全確認が欠かせません。建設作業の円滑な進行を支える縁の下の力持ちとも言える仕事です。
重機操作
重機操作は、建設現場で大型機械を扱う専門的な技術を要する仕事です。
例えば、ブルドーザーによる整地や掘削、油圧ショベルでの掘削や積み込み、モーターグレーダーによる路面の平坦化、アスファルトフィニッシャーでのアスファルト舗装など、様々な重機を操作します。
高度な技術と経験、対応資格が必要であり、安全性と効率性を両立させることが求められます。
現場作業員のやりがい・魅力

現場作業員の仕事には、多くのやりがいと魅力があります。
具体的に見ていきましょう。
達成感が大きい
現場作業員の仕事の最大の魅力は、自分の手で建物や構造物を造り上げる過程で得られる大きな達成感です。
一つの工事現場に長期間携わり、日々の努力が形となって現れていく様子を目の当たりにできます。
また、他の作業員と共に目標に向かって取り組む中で、チームワークの喜びも味わえます。
完成した時の感動は、他の職業では味わえない特別なものです。
建設された建物や道路が形として残る
現場作業員の仕事の成果は、長期にわたって目に見える形で残ります。
自分が携わった建物や道路を見るたびに、仕事の意義を実感できます。
時には、子供や孫の世代にも残り得る歴史的建造物の建設に携わることがあります。
例えば、高速道路、ダム、空港などが挙げられます。
自分の仕事が、地域や国の発展に直接貢献できることは、現場作業員ならではの特別な喜びと言えるでしょう。
技術を追求できる
現場作業員の仕事は、経験を積むほど技術が向上していく職種です。
日々の作業を通じて、より効率的で質の高い仕事が可能になり、自身の成長を実感できます。
また、建設業は技術の発展が早い業界の1つなので、新しい工法や材料、機械の導入に伴い、常に学び続ける機会が多いのも特徴。
技術の向上とともに、現場から認められる存在になっていく過程も、大きなやりがいとなります。
さらに、習得した技術は一生の財産となり、キャリアアップや独立の可能性も広がります。
現場作業員に向いている人の特徴

「現場作業員の仕事内容や魅力は分かった。じゃあどんな人が現場作業員に向いてるのかな?」
現場作業員という職業には、特定の資質や特徴を持つ人が向いています。
- 体力に自信がある人
- チームワークを大切にできる人
- 安全意識が高い人
- 手に職をつけたい人
詳しく解説するので、あなたが現場作業員に向いてるか考えてみてください。
体力に自信がある人
現場作業員の仕事は、肉体労働が中心となるため、体力のある人が向いています。
重い建築資材を扱うことや、過酷な天候の中で作業を行うことも多いため、体力がないと作業が追いつかないことがあります。
特に、土木工事などでは手作業が多く、体力の必要性が高くなります。
また、長時間の屋外作業も多いため、体力を維持することや体調管理が重要です。
定期的な運動や適切な休息を取ることで、体力を維持・向上させる努力が必要となります。
チームワークを大切にできる人
建設現場では、多くの作業員が協力して作業を進めるため、チームワークを大切にできる人が向いています。
工事現場ではコミュニケーション能力が重要であり、仲間と意見を交わしながら効率的に作業を進める姿勢が必要です。
異なる職種の作業員と協力して作業を行うことも多いため、柔軟性と協調性も求められます。
また、円滑なコミュニケーションは、作業の効率化だけでなく、トラブル解決にも役立ちます。
良好な人間関係を築くことで、より働きやすい環境を作り出せるでしょう。
安全意識が高い人
建設現場は危険が伴うため、安全意識の高い人が向いています。
安全に作業するためには、作業前の安全確認、適切な安全対策を実施することが求められます。
自身の安全だけでなく、他の作業員の安全にも配慮しなければなりません。常に周囲の状況に気を配り、危険を予測し適切に対処できるようになるのが望ましいです。
高い安全意識を持っている人は、事故のリスクを最小限に抑え、効率的かつ安全に作業を進められるでしょう。
また、安全に関する知識や技術を常にアップデートし、新しい安全基準や機器の使用方法にも柔軟に対応できる姿勢が求められます。
手に職をつけたい人
現場作業員は、手に職をつけたい人に適した職業です。
建設工事の専門的な技術や知識を身につけられるからです。
経験を積むことで、自分のスキルを向上させることができ、将来的に独立できる可能性も高まります。
習得した技術は一生の財産となり、自信の可能性を広げる職業と言えます。
とはいえ、技術や知識の向上は本人次第なところもあるので、常に学ぶ姿勢を持つことが重要になります。
現場作業員のきついところ

現場作業員の仕事には、やりがいや魅力がある一方で、下記のような厳しさや困難な面もあります。
- 肉体労働が中心で体力を使う
- 屋外での作業が多く、天候の影響を受けやすい
- 常に危険が従う
- 残業、夜間作業、休日出勤もある
- 地方への出張が多い
1つずつ見ていきましょう。
肉体労働が中心で体力を使う
現場作業員の仕事は、重い資材を運んだり、長時間立ちっぱなしで作業をしたりするため、体力の消耗が激しくなります。
大規模な建設現場では、より多くの体力が求められます。また、作業の内容によっては、同じ姿勢を長時間続けることもあり、筋肉や関節への負担も大きくなります。
体力に自信がない人にとっては、非常に厳しい職場環境となる可能性があります。
屋外での作業が多く、天候の影響を受けやすい
多くの現場作業は屋外で行われるため、天候による影響を受けやすいという特徴があります。
雨や雪、強風などの悪天候時には作業が困難になるだけでなく、体温調節や怪我のリスクも高まります。
夏の暑さや冬の寒さも体力的な負担となり、熱中症や凍傷などの健康リスクも増加します。
また、天候不順による作業の遅れは、納期のプレッシャーにもつながることもあるでしょう。
天候に左右されやすい環境下で働くことは、精神的にも肉体的にも大きな負担となる可能性があります。
常に危険が従う
建設現場での作業は特に危険度が高く、事故や怪我のリスクが常に付きまといます。
そのため、作業員は常に周囲に注意を払い、安全対策を講じる必要があります。
精神的にも大きな負担となる可能性もあるので、建設業界で働くなら相応の覚悟が必要になります。
残業、夜間作業、休日出勤もある
建設工事には納期があるため、残業、夜間作業、休日出勤も珍しくありません。
不規則な勤務時間は、生活リズムを崩す原因となり、心身の健康に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、プライベートの時間が減少することで、家族や友人との時間を大切にしたい人にとっては、大きなストレスになることがあります。
地方への出張が多い
建設現場の作業員は、地方への出張が多い傾向にあります。
ダムや空港、工場などの大型施設は、土地の広い地方に建てられやすいからです。
例えば、園芸や造園産業が盛んな地方では、大規模な植物園や、花や緑をテーマにした観光施設が建てられやすくなります。
工業が盛んな地方では、自動車工場や半導体工場などが建てられやすくなります。
このような地方へ出張となると、長い移動時間がストレスになる可能性があります。
また、「出稼ぎ」となることが多く、数ヶ月間ホテル暮らしになることも珍しくありません。
現場作業員の年収

「現場作業員ってどれくらい稼げるの?」
ここからは、現場作業員の年収について、詳しく見ていきましょう。
平均年収と比較
厚生労働省jobtagによると、建設業の現場作業員の年収は411.1万円となっています。
令和5年の日本の平均年収460万円と比較すると、やや低い水準です。
しかし、この数字はあくまで平均値であり、個人の経験や技能、勤務地域、勤務先の規模などによって大きく異なります。
また、建設業界全体の景気動向や労働市場の状況によっても変動する可能性があります。
経験や専門性による年収の違い
現場作業員の年収は、経験や専門性によって大きく異なります。
新人や未経験者の場合、初任給は比較的低めに設定されることが多いですが、経験を積むにつれて徐々に上昇していきます。
特に、熟練した技能を持つ作業員や、特殊な資格を有する人材は、より高い年収を得られる傾向にあります。
例えば、重機オペレーターや施工管理職など、高度な技術と知識を要する職種では、平均を大きく上回る年収を得ることも可能です。
地域や企業規模による違い
現場作業員の年収は、勤務地域や企業規模によっても大きく異なります。
一般的に、大都市圏の年収が高い傾向にありますが、その分生活費も高くなります。
また、場合、中小企業よりも、大手ゼネコン(総合建設業)や有名建設会社に勤務する方が、高い年収を得られる可能性が高くなります。
ただし、中小企業でも高度な専門性を持つ会社や、特定の分野に特化した会社では、高い年収を提示することもあります。
就職する際は、単純に企業規模だけでなく、その会社の特徴や将来性なども考慮して判断することが重要です。
下記の記事では、総合建設業の年収について詳しく解説しています。会社別年収ランキングも掲載しているので、気になる方はぜひご覧ください。
また、下記の記事では現場監督の年収について詳しく解説しています。年代別、地方別、重要員別、役職別に年収をまとめているので、ぜひ参考にしてみてください。
また、下記の記事では、建設業で儲けやすい業種や、独立した職人別の単価ランキングを紹介しています。興味のある方はこちらも合わせてご覧ください。
まとめ:現場作業員になるなら厳しさを理解して入職しよう

現場作業員は、建設業界において不可欠な存在であり、社会インフラの整備や建築物の建設に直接携わる重要な職業です。
大きなやりがいと達成感がある一方で、肉体的な負担や危険を伴う作業、不規則な勤務形態など、厳しい面もあります。
現場作業員を目指す方は、魅力と厳しさの両面をよく理解した上で入職を検討することが大切です。
なお、現場作業員としてのキャリアをスタートさせたい方は、GARDEN-JOBへの登録をおすすめします。
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