エクステリアデザイナーの仕事内容と必要スキルを徹底解説

エクステリアデザイナーとは？

エクステリアデザイナーは、建物の外観や周囲の環境をデザインする専門職です。

住宅や商業施設の外構、庭、駐車場、フェンスなど幅広い範囲を担当します。

エクステリアデザイナーはデザイン性と機能性のバランスが非常に重要となり、建物の美しさを引き立てるだけでなく、利用者の利便性や安全性も考慮しなければなりません。

また、クライアントの要望に応じてカスタムデザインを提案し、プロジェクトの進行管理も行います。

設計図の作成から材料の選定、施工現場での調整まで、プロジェクト全体に関与することが多く幅広い知識とスキルが求められます。

主な業務内容

エクステリアデザイナーの主な業務内容は多岐にわたります。

まず、外観部分のデザイン設計です。建物の外壁、庭、玄関、駐車スペース、フェンス、門扉などをデザインし、建物全体の魅力を最大限に引き出します。

顧客ニーズのヒアリングと提案も重要な仕事。顧客との密接なコミュニケーションを通じて、要望を具体的なデザインとして反映させます。

施工計画の立案と管理も重要な業務です。デザインを実現するための具体的な計画を立て、施工業者と連携しながら進めていきます。

このような業務を通じて、建物とその周囲を美しく機能的に仕上げていく手助けをするのがエクステリアデザイナーです。

エクステリアデザイナーになるには？

エクステリアデザイナーになるために、特定の資格は必要ありません。

資格がなくても、エクステリアデザイナーとして就職できる可能性は十分にあります。しかし、業務を行うには、建築、外構、土木、CADなどの基本的知識が必要不可欠です。

エクステリアデザイナーになる道としては、いくつかの選択肢があります。

例えば、4年制大学のデザイン系・建築系学科で学ぶ方法です。ここでは、建築やデザインの基礎から応用まで幅広く学ぶことができます。

関連分野で実務経験を積んでからキャリアチェンジするのも良いでしょう。例えば、建築や造園の職人として経験を積んだ後、エクステリアデザインの分野に移ることも可能です。

エクステリアデザイナーに必要なスキル

エクステリアデザイナーは様々なスキルが必要とされます。

具体的にどんなスキルが必要なのかお伝えしますので、ご覧ください。

デザインスキル

エクステリアデザイナーにとって、デザインスキルは最も重要な能力の一つです。

まず、空間デザイン能力が求められます。建物の外観や周囲の環境を三次元的に捉え、美しく機能的な空間を創造する力が必要です。

CADなどのソフトウェア操作技術も不可欠。設計図や3Dモデルを作成するために、これらのツールを使いこなす必要があります。

色彩感覚と素材知識も重要です。外構や庭のデザインでは、色の組み合わせや素材の選択が大きな影響を与えるからです。自然素材や人工素材の特性を理解し、適切に使用する能力が求められます。

このようなスキルを総合的に活用し、クライアントの要望と周囲の環境に調和したデザインを生み出すことがエクステリアデザイナーの役割です。

建築や造園に関する専門知識

エクステリアデザイナーは、建築や造園に関する幅広い専門知識を持つ必要があります。

必須となるのが建築や造園に関する基礎知識です。建物の構造や素材、植物の特性や育て方など、幅広い知識が求められます。

関連法規の理解も不可欠。建築基準法や都市計画法、景観条例など、エクステリアデザインに関わる様々な法規制を理解し、遵守する必要があります。

また、施工技術の把握も重要です。デザインを実現するための具体的な施工方法や技術を理解していなければ、実現可能なデザインを提案することができないからです。

エクステリアデザイナーは、美しく機能的でかつ法規制に適合したデザインを提案することが重要となります。

コミュニケーション能力

エクステリアデザイナーの仕事において、コミュニケーション能力は非常に重要です。顧客との対話が必要不可欠だからです。

クライアントのニーズを正確に把握し意見を反映させるための、ヒアリング能力が求められます。顧客の漠然としたイメージや要望を具体的なデザインに落とし込むには、高度なコミュニケーションスキルが必要です。

また、施工業者や社内メンバーとの円滑なコミュニケーションも求められます。デザインの意図を正確に伝え、施工上の問題点を把握し、解決策を見出すためには、関係者との密接な連携が欠かせません。

プレゼンテーション力も重要です。自分のデザイン案を魅力的に説明し、クライアントの理解と同意を得る能力が必要です。

コミュニケーション能力を駆使し、プロジェクトを円滑に進めることがエクステリアデザイナーの重要な役割です。

問題解決能力

エクステリアデザイナーの仕事では、様々な問題に直面することがあります。そのため、発生した問題に対して、迅速かつ効果的に解決策を見出す能力が重要です。

特に、予算や時間の制約がある中での調整能力が求められます。例えば、クライアントの要望と予算が合わない場合、代替案を提案したり、優先順位を付けて調整したりする必要があります。

また、施工段階で予期せぬ問題が発生した場合、迅速に対応策を考え、関係者と協議しながら解決策を見出す必要があります。

さらに、法規制や周辺環境との調和など、様々な制約条件の中で最適な解決策を見出す能力も求められます。

エクステリアデザイナーの就職先と働き方

エクステリアデザイナーは様々な就職先があります。

就職先と働き方の特徴をいくつか紹介しますのでご覧ください。

主な就職先

エクステリアデザイナーの主な就職先は、住宅メーカーがあります。大手ハウスメーカーや地域密着型の住宅会社など、多くの住宅メーカーがエクステリアデザイナーを雇用しています。

次に、エクステリアメーカーがあります。外構材や庭園用品を製造・販売する企業で、製品開発やデザイン提案などの業務に携わります。

設計事務所も重要な就職先です。建築設計事務所やランドスケープデザイン事務所などで、より専門的なエクステリアデザインに携わることができます。

造園会社も多くのエクステリアデザイナーを雇用しています。庭園設計や緑地計画など、植物を中心としたデザイン業務に携わります。

また、建設コンサルタント企業も選択肢の一つ。都市計画や公共空間のデザインなど、より大規模なプロジェクトに携わる機会があります。

働き方の特徴

エクステリアデザイナーの働き方には、いくつかの特徴があります。

雇用形態としては正社員が多いですが、契約社員や派遣社員の求人も見られます。勤務時間は一般的に8時間勤務、週休2日制が多いですが、プロジェクトの進捗状況によっては残業が発生することもあります。

近年では、フレックスタイム制やリモートワークを導入する企業も増えてきており、柔軟な働き方が可能になっています。

仕事の内容によっては、現場での打ち合わせや施工管理が必要になるため、外出の機会も多くあります。また、デザイン業務はデスクワークが中心となりますが、CADソフトなどを使用するため、長時間のパソコン作業が求められます。

締め切りが近づくと忙しくなることもありますが、創造的な仕事ができるやりがいのある職業です。

仕事を探すなら土木・造園特化の求人サイトがおすすめ

エクステリアデザイナーの仕事を探す際は、土木・造園特化の求人サイトを利用するのがおすすめです。

GARDEN-JOBでは、造園・園芸・外構・土木職人専門の転職求人サイトで、関西、東海、関東エリアの求人情報を掲載しています。

正社員・契約社員・アルバイトの造園職人や庭師、外構職人、左官職人、金物系職人など庭に関する工事の職人さんから、現場を監督していく施工管理技士など、造園・外構業界専門の求人情報を提供しています。

より自分に合った求人情報を効率的に見つけることができますので、積極的に活用していきましょう。

エクステリアデザイナーに役立つ資格と難易度

エクステリアデザイナーになるのに必要な資格はありませんが、業務に役立つ資格がいくつかあります。

ここで紹介しますので、エクステリアデザイナーを目指している方は参考にしてみてください。

エクステリアプランナー

エクステリアプランナーは、エクステリアデザイナーにとって非常に有用な資格です。

2級と1級の2種類があり、エクステリアのデザイン、設計、管理に役立ちます。

2級エクステリアプランナーは、エクステリアの基礎知識と設計技術を習得していることを証明する資格です。一方、1級エクステリアプランナーは、より高度な知識と技能が求められます。

1級を取得するには、2級取得後3年以上の実務経験が必要です。試験内容は、エクステリアに関する専門知識や設計技術、施工管理などの幅広い分野にわたります。

2級は比較的取得しやすいですが、1級は約50%となっているので難易度が高いと言えます。

エクステリアデザイナーを取得することで、エクステリアデザイナーとしての専門性と信頼性が高まり、キャリアアップにつながる可能性があります。

※ここにエクステリアデザイナー1級、2級の記事を入れたいです。

造園施工管理技士

造園施工管理技士は、造園工事の施工管理や監督業務に必要な資格です。エクステリアデザイナーにとっても、施工面での知識を深める上で非常に有用な資格と言えます。

この資格には1級と2級があり、2級は実務経験が不要ですが、1級は一定の実務経験が必要となります。

試験内容は、造園に関する専門知識と施工管理の実務能力が問われます。具体的には、植物、土木、設計、施工、法規など幅広い分野の知識が必要です。

難易度は中程度と言われていますが、1級は高度な知識と経験が求められるため、合格率はそれほど高くありません。

1級造園施工管理技士を取得することで、エクステリアデザイナーとしての技術的な信頼性が高まり、より複雑なプロジェクトを任されるようになる可能性があります。

また、施工面での知識が深まることで、より実現可能性の高いデザインを提案できるようになります。

下記の記事では造園施工管理技士について詳しく解説しています。受験資格、試験スケジュール、取得するメリットなどが分かりますので、ぜひご覧ください。

造園施工管理技士の受験資格や実務経験とは｜最短で資格取得する方法

造園技能士

造園技能士は、造園作業の技能を評価する国家資格です。エクステリアデザイナーにとって、実際の造園技術を理解することは非常に重要です。

1級、2級、3級があり、それぞれ難易度が異なります。3級は比較的取得しやすく、造園の基礎知識と基本的な技能があれば十分に合格可能です。

2級は中程度の難易度で、ある程度の実務経験と技能が必要となります。1級は最も難しく、7年以上の実務経験が必要で、合格率は25％程度です。試験は実技試験と学科試験の両方があり、高度な知識と技術が求められます。

実技試験では、実際の造園作業を行う必要があるため、日頃からの技能の向上が重要です。

造園技能士を取得することで、エクステリアデザイナーとしての技術的な裏付けが得られ、より実践的なデザインを提案できるようになります。

下記の記事では造園技能士の仕事内容や試験概要を詳しく解説しています。造園技能士になる方法が分かりますので、ぜひこちらもご覧ください。

造園技能士とは？仕事内容や資格概要を解説【独学も可能】

建築CAD認定試験

建築CAD認定試験は、CADソフトウェアの操作スキルを証明する資格です。

エクステリアデザイナーにとってCADは必須のツールであり、この資格の取得は業務効率の向上につながります。

試験には、2次元CAD利用技術者試験と3次元CAD利用技術者試験があります。

2次元CAD試験は、平面図や立面図などの作成スキルを評価します。3次元CAD試験は、より高度な3Dモデリングのスキルを評価します。

難易度は比較的低めで、CADソフトの基本操作ができれば取得可能なレベルです。ただし、実際の業務で使用するレベルまで習熟するには、日頃からの練習が必要です。

建築CAD認定試験に合格することで、エクステリアデザイナーとしての技術力をアピールでき、より複雑なデザイン作業を任されるようになる可能性があります。

3次元CADのスキルは、クライアントへのプレゼンテーションにも活用でき、提案の質を高めることができます。

下記の記事では建築CADオペレーターの仕事内容をご紹介しているので、合わせてご覧ください。

建築系CADオペレーターの具体的な仕事内容と必要スキル・資格とは｜将来性や年収もあわせて解説

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エクステリアデザイナーの年収とキャリアパス

エクステリアデザイナーを目指す方にとって、年収やキャリアパスはとても気になるところではないでしょうか。

ここでお伝えしますので、参考にしてみてください。

エクステリアデザイナーの年収

エクステリアデザイナーの年収は、経験や勤務先、能力によって大きく異なりますが、一般的には405万円〜450万円程度と言われています。

大手求人サイトを調べてみると、初任給は月給20万円前後から始まることが多いです。経験を積むにつれて徐々に昇給し、5年程度の経験を積むと年収400万円前後になるようです。

10年以上のキャリアを積んだベテランデザイナーになると、年収500万円を超えることもあります。ただし、これはあくまで平均的な数字であり、個人の能力や実績、勤務先の規模などによって大きく変動します。

特に、大手企業や有名設計事務所では、より高い年収を得られる可能性があります。

また、フリーランスとして活動する場合は、工事規模や件数によって収入が大きく変動します。

エクステリアデザイナーとしてのスキルを磨き、実績を積み重ねることで、より高い収入を得られる可能性が広がります。

企業内でのキャリアアップ

エクステリアデザイナーとして企業に勤務する場合、いくつかのキャリアアップの道筋があります。

まず、経験を積みメインデザイナーへと成長する道です。入社当初は先輩デザイナーのアシスタントとして働くことが多いですが、徐々に自分でプロジェクトを任されるようになります。

経験を積み実績を上げることで、より大規模や重要な工事のメインデザイナーとして活躍できるようになります。

次に、管理職への昇進という道があります。現場責任者や部門長として、複数の工事現場やデザイナーを統括する立場になります。この場合、デザインスキルだけでなく、マネジメント能力も求められます。

さらに、専門性を活かした部門異動という選択肢も考えられます。例えば、商品開発部門や営業部門など、エクステリアデザインの知識を活かせる他の部門へ異動し、キャリアの幅を広げられます。

独立の可能性

エクステリアデザイナーは経験を積めば、独立して事業を展開できる可能性もあります。

企業や個人クライアントから直接仕事を受注し、独自のスタイルでデザイン活動を行います。フリーランスの場合、自由度が高く、自分の得意分野に特化したサービスを提供できるメリットがあります。

ただし、安定した収入を得るためには、クライアントの獲得や営業活動も必要となります。

もう一つの選択肢として、自身の設計事務所を開業する道があります。この場合、より大規模なプロジェクトを手がけることができ、複数のデザイナーを雇用して事業を拡大することも可能です。

ただし、経営者としての能力も求められ、財務管理や人材管理などのスキルも必要となります。独立には一定のリスクがありますが、自分のビジョンを実現し、より高い収入を得られる可能性もあります。

独立を考える際は、十分な経験と人脈を築いてから挑戦することが重要です。

エクステリアデザイナーの将来性

エクステリアデザイナーの将来性は非常に明るいと言えます。

近年、建物の外観や周辺環境へのこだわりが高まっており、エクステリアデザイナーの需要は着実に増加しているからです。

詳しく見ていきましょう。

需要が高まっている

エクステリアデザイナーの需要は、近年ますます高まっています。その背景には、いくつかの社会的要因があります。

まず、環境意識の向上による緑化需要の増加が挙げられます。地球温暖化や都市のヒートアイランド現象への対策として、建物周辺の緑化が重要視されるようになっています。

エクステリアデザイナーは、社会的ニーズに応える重要な役割を担っていると言えます。

また、住宅の外観や庭へのこだわりが強まっていることも需要増加の要因です。人々が自宅で過ごす時間が増えたことで、快適な屋外空間へのニーズが高まっています。

防災・減災を考慮した外構設計の重要性も認識されるようになっています。豪雨や地震などの自然災害に備えた外構設計が求められており、エクステリアデザイナーの専門知識が必要とされています。

エクステリアデザイナーの需要は、今後も堅調に推移すると予想されます。

技術革新への対応が必要

エクステリアデザイン業界においても、技術革新への対応が急速に求められるようになっています。

特に注目されているのが、IoTやAIを活用したスマートエクステリアの台頭です。例えば、スマートフォンで操作できる自動散水システムや、センサーで人の動きを感知して自動で点灯する照明など、テクノロジーを活用した外構設備が増えています。

エクステリアデザイナーは、新技術を理解しデザインに取り入れる能力が求められます。

また、サステナブルな外構設計も重要になってきています。例えば、雨水の再利用システムや、省エネ効果の高い素材の使用など、環境に配慮したデザインが求められています。

さらに、3DプリンターやVR（仮想現実）技術を活用したデザインプレゼンテーションなど、新しい技術を活用した業務効率化も進んでいくと予想されます。

このような技術革新に対応するため、エクステリアデザイナーは常に新しい知識とスキルを習得し続ける必要があります。

技術革新への適応力が、今後のエクステリアデザイナーの競争力を左右する重要なポイントとなるでしょう。

まとめ：エクステリアデザイナーはキャリアアップができるやりがいのある仕事！

エクステリアデザイナーは、建物の外観と周囲の環境を美しく機能的にデザインする重要な職業です。

デザインスキルと技術的知識、コミュニケーション能力が求められる一方で、キャリアアップの可能性も高く、やりがいのある仕事と言えます。

環境意識の高まりや技術革新により、今後さらに重要性が増す職種ですのでぜひチャレンジしてみてください。

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