これからCADオペレーターを目指したり転職を考えたりしている人にとって、CADオペレーターは将来性がある職業なのか気になる人も多いのではないでしょうか。

AIが進出してきてからというものの、一部の仕事はAIに取って代わる可能性がありますし、十分な知識や技術がなければやっていけないかもしれません。

はたしてCADオペレーターには需要があるのでしょうか。

それでは、CADオペレーターに将来性はあるのか、目指し方や転職に必要なスキルや資格などをご説明しましょう。




目次

CADオペレーターの需要はなくなるの?

現在ではさまざまな技術の進出によって、CADオペレーターの需要がなくなるのではないかと思う人も多いのではないでしょうか。

それでは、CADオペレーターの需要についてご説明しましょう。

一部の仕事はAIに代替される可能性も

CADオペレーターはCADソフトウェアを使って設計図の図面を作成するのが仕事ですが、単に図面を作成するだけの仕事ならAIに取って代わる可能性はあります。

たとえば図面修正やトレース作業は単調な作業になるので、AIが代わりに仕事をすることがあるかもしれません。

近年ではAIの技術が徐々に進歩してきているため、徐々にCADオペレーターが担当できる範囲も狭まってくる可能性があるでしょう。

CADオペレーターに将来性はある?

AI技術の進歩によってCADオペレーターの仕事の一部が取って代わる可能性がある以上、CADオペレーターに将来性があるのか気になる人も多いのではないでしょうか。

それでは、CADオペレーターに将来性があるのかご説明しましょう。

3DCADの将来性は高い

結論から言えば、CADオペレーターの将来性は高いです。

その中でも特に3D CADオペレーターの将来性は非常に高く、たとえAIの技術が進歩したところでCADオペレーターの仕事がなくなることはありません。

3DCADは平面図から立方体の製図をしなければならず、高い空間認識能力や質量、面積などの高い計算能力などが求められます。

現時点でAIが3DCADに対応できるほどの技術は持ち合わせていないため、かなり将来性が高いと言えるでしょう。

CADがなくなることはない

CADオペレーターの仕事がなくなることは基本的にありません。

何故なら、建設業をはじめとして製造業やインテリア業界などのさまざまな業界でCADオペレーターが必要とされているからです。

確かに誰でもCADの勉強ができるように無料で利用できるフリーのソフトウェアがあり、なおかつ簡単な製図であればAIでも代替できます。

しかし、より高度で複雑かつ完璧なクオリティの設計図を作成できるまでのレベルではないので、CADを完璧に使いこなせるCADオペレーターが求められているのがポイントです。

AIで代替できない部分がある

もう一つCADオペレーターの将来性を押し上げているのは、AIでは代替できない部分があることです。

そもそもAIに取って代わる仕事といっても、せいぜい図面が作成できる可能性があるというだけで、そこまで正確性がある図面がしっかりと作成できるわけではありません。

3DCADは立方体の図面を作成しなければならず、非常に複雑なのでAIでは到底対応できません。

CADオペレーターはクライアントと直接話し合って、どんな設計にしてほしいのかヒアリングを行うこともあるため、クライアントの要望通りの独特な間取りや感情が入り込んだ要素を反映させた製図はほぼ不可能です。

今後AIがどんな技術を身に付けてくるかどうかは分からないので、完全に安心しきることはできません。

スキルアップのために!CADオペレーターにおすすめの資格は?

CADオペレーターにおすすめの資格は、以下の通りです。

  • CAD利用技術者試験
  • 建築CAD検定試験
  • Vectorworks操作技能ベーシック認定試験

それでは、CADオペレーターにおすすめの資格についてご説明しましょう。

CAD利用技術者試験

CAD利用技術者試験とは、一般社団法人コンピューター教育振興協会が主催しているCADの技術がどのくらいあるのかを証明するための資格試験です。

CAD利用技術者試験には大きく分けて2Dと3Dの2種類があり、2次元CAD利用技術者には基礎、1級、2級の資格があります。

一方の3次元CAD利用技術者は2級、準1級、1級の資格があります。

基本的に2級は作成した図面データの取り扱い方などをはじめとするCADに関する基本的な知識があるかどうかが問われます。

実技試験は行われず、コンピューター入力式の筆記試験となります。

なお、2級でも合格率は50%程度しかなく、比較的難しい試験だと言えるでしょう。

1級は建築・機械・トレースの3つの分野に分かれて試験を行います。

それぞれの分野でCADの作図に応用できるかどうかが問われます。

特に実技試験が執り行われることから、建築分野ではCADの作図に建築の知識がどのように応用できるかどうか考えなければなりません。

RC造平面図などをはじめとする難易度が高い設計図をCADで作成しなければならず、総じて2級よりも合格率が低くなっています。

基本的な合格率は30%~40%と軒並み低いので、事前にしっかりと勉強する必要性があるでしょう。

建築CAD検定試験

建築CAD検定とは一般社団法人全国建築CAD連盟が行う認定試験のことで、建築分野におけるCADに関する知識や技術がどのくらいあるのかどうかが証明できる資格試験です。

建築分野でCADに関する実務能力に重きが置かれており、準1級、2級、3級、4級と分かれています。

一番低い4級は団体受験のみの開催になっており、合格率は約93%と非常に高いのでほぼ確実に合格できるでしょう。

しかし、3級の合格率は約62%、2級の合格率は約60%と大きく下がり、一番難しい準1級だと合格率は約14%と非常に難関な試験であることが分かります。

無事に合格できるようにするためには、より深い専門知識を身に付ける必要性があるでしょう。

ただ、無事に準1級に合格することができれば、それだけ即戦力になり得る専門知識を証明できるのが大きなポイントです。

基本的に働きながら取得を目指すことになりますが、しっかりと基礎を学び、さまざまな専門知識や技術を身に付けることで取得できるようになるでしょう。

Vectorworks操作技能ベーシック認定試験

Vectorworks操作技能ベーシック認定試験とは、Vectorworksと呼ばれるCADのソフトを使った操作試験です。

Vectorworksを操作して基本的な知識や操作がどのくらいできるかどうかが問われるのがポイントです。

Vectorworksを全面的に使いこなせるようになれば、あまり難しくない資格だと言えるでしょう。

また、Vectorworks操作技能ベーシック認定試験は自宅で試験を受けることができるうえに合否もすぐに分かるため、手始めに取得する資格の候補になり得ます。

CADオペレーターになるメリット

CADオペレーターになるメリットは、以下の通りです。

  • 努力が評価につながりやすい
  • 幅広い業界で活躍できる
  • ものづくりに携わる喜びがある
  • CADオペレーターは長く働ける
  • CADオペレーターで働き続ければ年収600万円台を狙える

それでは、CADオペレーターになるメリットについてご説明しましょう。

努力が評価につながりやすい

CADオペレーターは実力が物を言う世界であり、性格に制作した図面そのものが評価に直結します。

修正が一つもない完璧な図面を作り出すことで確実に評価されるうえに、優れた専門知識や技術を身に付けている人材だと認めてくれます。

特に図面を完璧に仕上げるという明確な目標があるため、モチベーションが維持しやすく、自分が努力した結果がすぐに反映されるのも大きなポイントです。

自分が作成した図面が作業員によって形になっていくことにやりがいが感じられるでしょう。

幅広い業界で活躍できる

CADオペレーターは基本的にものづくりに関係する業界でならどこでも活躍できる職業です。

土木・建築、製造業、インテリア業、ジュエリー、アパレル、電気関連、機械、さらに福祉やエンターテインメントの方面でもニーズが高まっていることから、業界を選ばなければ即戦力になれるでしょう。

基本的に汎用性が高いCADが扱えるようにすることで活躍できる幅が広がりますが、業界ごとに専用のCADを操作することがあるので注意が必要です。

もしも特定の業界でCADオペレーターとして働きたいと考えているなら、その業界で使用する可能性があるCADソフトを調べて使いこなせるようにしましょう。

ものづくりに携わる喜びがある

どんな業界でも、自分が制作した図面を元にものが作られるのが大きなポイントです。

自分が正確に制作した図面が確実に形になって残り続けるので、どんなに大変な仕事だったとしても正当な評価が得られるので達成感も大きいでしょう。

ものづくりに直接関われるような仕事はあまり多くないため、ものづくりに興味がある人なら長く働けるのではないでしょうか。

CADオペレーターは長く働ける

CADオペレーターは将来性が高く、確実に必要とされる人材なので長く働けるのが大きな強みです。

AIが一部の仕事ができるようになるとはいえ、正確無比な図面は到底任せられるものではありません。

クライアントの要望のように、人の感情的要素が入った図面制作は同じく人の手でしか制作できません。

優れた専門知識や技術を身に付けることで多くの業界になくてはならない人材になるため、転職する際にも非常に有利になります。

CADオペレーターで働き続ければ年収600万円台を狙える

CADオペレーターは将来性が高いと言われるように、年収も比較的高い水準になっているのがポイントです。

もちろん平均年収は440万円と比較的低い水準になっていますが、それでも派遣社員として働いたときの平均時給は約1,700円と一般事務員よりも高くなっています。

特に優れた技術と専門知識を持つCADオペレーターが独立してフリーで活躍するケースも多く、年収600万円台を稼ぎ出すのも夢ではありません。

場合によっては1,000万円以上を狙える職業なので、常に研鑽を積んで知識と技術を磨くのがおすすめです。

将来的に求められるCADオペレーターを目指そう

CADオペレーターとして企業に必要とされる人材になるためにも、将来的に求められるCADオペレーターを目指すのがおすすめです。

必要とされるCADオペレーターを目指すなら、CADの専門知識を身に付け、高い空間認識能力や質量。面積などがスムーズに計算できるほどの数学や図形に対する強さなどが必要です。

特にクライアントと直接ヒアリングを行うことがある以上、高いコミュニケーション能力も求められます。

また、基本的に複数のプロジェクトやタスクを同時並行することも頻繁にあるため、高いタスク管理能力も必要です。

何を優先してタスクをこなすのか順位を決めるのはもちろん、期限までに効率良く作業を進めるにはどうすればいいのかしっかり考えることが大切です。

さらに、空間認識能力に加えて高いデザインスキルも求められます。

図面を正確に作成するには、誰が見ても分かりやすい図面になるようなデザインスキルがなければなりません。

図面の構成やバランス、色彩などの理解を深めるためにも、デザインスキルを身に付けましょう。

まとめ

CADオペレーターは非常に幅広い分野で活躍できる職業であり、さまざまな専門知識や技術を身に付けたり、資格を取得することによってどんな業界でも求められる人材になり得ます。

年収も比較的高く、独立すれば600万円以上稼ぐことも夢ではないので、いずれ独立することを考えて働きながら研鑽を積むことが大切です。

スキルを磨き、資格を取得するのに越したことはないため、どんなスキルや資格を取得するべきなのか調べてみましょう。

もしもCADオペレーターの資格を取得したいなら、ガーデンジョブを利用してみてはいかがでしょうか。

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氏永 勝之
監修者 smileグループCEO
株式会社ガーデンメーカー 代表取締役
愛知農園植木苗木株式会社 専務取締役
一般社団法人ガーデンビジネス協会 代表理事
氏永 勝之

愛知県稲沢市生まれ。稲沢市が「日本四大植木産地」であることもあり、幼少期か ら植木に囲まれて成長。
東京農業大学卒業後、名古屋市内の造園会社に就職。 公園の設備工事から国交省事業の国道整備工事における土木及び街路樹等の植 栽工事に現場代理人として携わる。

執筆者 中里 涼子

ライター歴8年以上の中里 涼子です。 リフォーム・リノベーション、住宅、不動産投資などのジャンルで記事を執筆しています。 わかりやすく実用的な記事作成を得意としています。現場の声やリアルなユーザー体験を丁寧に掬い取ることを大切にしています。